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セブン&アイグループは、経営戦略と人財戦略の連動を強化することで、多様な人財が意欲を持って能力を発揮し、会社と従業員がともに成長できる組織作りを進めています。グループ全体で約17万人の従業員が働いている職場には、育児や介護をしながら働く従業員やパートタイマー、アルバイト、外国籍の従業員など多様な従業員が働いています。セブン&アイHLDGS.は、多様な従業員の活躍を支援するとともに、働きがいを持って仕事ができるように職場環境の整備に努めています。そのことが生産性の向上や人材の確保につながり、ひいてはお客様の満足度向上やイノベーションの創出、競争力の源泉につながると認識しています。
セブン&アイHLDGS. は、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するために、2012年に「ダイバーシティ推進プロジェクト」を設置し、女性の管理職比率をはじめとした5つの目標を設定しました。2012年度に推進体制を構築して以降、2013年度には女性自身の意識改革と制度運用の見直し、2014年度には管理職の意識改革、2015年度からは仕事と介護の両立支援、2017年度からはLGBTの理解促進、2019年度からは「ダイバーシティ2.0」の推進をテーマと決めて取り組みを進めてきました。2021年5月にはダイバーシティ&インクルージョン活動、とりわけ女性の活躍推進に関する取り組みを強化するため、「2026年2月末までに女性執行役員比率30%達成」という新たな目標を設定し、「30% Club Japan」に加入しました。また同時に、多様な人材の活躍の壁となる長時間労働の是正と、従業員のワーク・ライフ・バランス実現の観点から、生産性向上に向けた働き方の見直しも進めています。
1.女性執行役員比率:30%達成(2026年2月末まで)※1
女性管理職比率:30%達成(2023年2月末まで)※2
2.男性の家事育児参画促進
3.介護離職者ゼロ
4.ノーマライゼーションの推進
5.LGBTに関する理解促進
※1 セブン&アイHLDGS.、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨーク、そごう・西武の6社の合計
※2 セブン&アイHLDGS.、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、そごう・西武、赤ちゃん本舗、セブン&アイ・フードシステムズ、セブン銀行の8社の合計
セブン&アイHLDGS. は、トップのコミットメントのもと、2012年からCSR統括委員会傘下の企業行動部会の中に、「セブン&アイグループ ダイバーシティ&インクルージョン推進プロジェクト」(当初はダイバーシティ推進プロジェクト)を設置しています。同プロジェクトはグループのダイバーシティ&インクルージョン推進活動の方針立案や、グループ横断施策の立案・実行を担っています。
2013年からは、セブン‐イレブン・ジャパンやイトーヨーカドーなどにおいてもダイバーシティの専任組織が発足し、グループ会社の特性に応じた個別の目標を設定して取り組みを進めています。また、グループ主要11社のダイバーシティ推進担当者が集まるダイバーシティ推進連絡会を定期的に開催し、グループ各社の推進活動の進捗や課題を共有するとともに、優良事例のグループ他社への水平展開を図っています。活動の内容は、グループ各社の人事責任者が集まる企業行動部会、およびセブン&アイHLDGS. の代表取締役社長を委員長とするCSR統括委員会において定期的に報告し、グループ全体のダイバーシティ&インクルージョン活動の浸透と具現化を目指しています。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
ダイバーシティ推進目標の一つである「女性の管理職比率30%達成」に向けて、能力のある女性の登用と人材育成の強化に取り組んでおり、2022年2月末現在、女性管理職比率は係長級が30.4%、課長級が23.3%となっています。また、女性や管理職の意識改革が進み、子育て中や時間短縮勤務中の管理職も多数誕生しています。現在は、グループ各社において管理職や幹部候補者の選抜研修や面談時の上司とのキャリアプランの共有などを行うことにより、女性の育成と登用を進めています。
セブン&アイグループは、女性をはじめ多様な人材が活躍できる風土の醸成に向けて、さまざまな層を対象としたコミュニティ活動や研修などを実施しています。
セブン&アイHLDGS.は、ポジティブアクションの一環として女性のキャリア開発支援を継続実施しています。直近の取り組みとして、2021年より女性管理職候補者の育成を目的としたグループ横断の研修、「女性エンカレッジメントセミナー」を開催し、グループ22社の女性社員が参加しています。
同セミナーでは、参加者が社長をはじめとする経営幹部から、グループの経営方針や理念、商品戦略、SDGsへの取り組みなどの話を伺い、参加者同士でディスカッションを実施。すべてオンラインで実施することにより、全国各地域から参加できるとともに、育児で時短勤務中の女性にも参加の機会を提供しています。また、普段の業務とは異なる視点・視座からの話を聞くことで、経営への関心を高める機会になっています。また、経歴や職種なども多様な参加者とのディスカッションを通じて、「同じグループで働く女性の発言に勇気をもらった」「刺激を受けた」などの声が多く聞かれ、モチベーションを高める機会にもなっています。
女性エンカレッジメントセミナーの様子
セブン&アイHLDGS.は、グループ横断の取り組みとして、2014年からダイバーシティ&インクルージョンの重要性に対する認識を高めると同時に、多様な人材のマネジメントに関する管理職の意識改革を図ることを目的に「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」を実施しています。2022年2月末までに延べ22回開催し、グループ各社から約5,700人が参加しました。多様な部下のマネジメントや働き方改革、リーダーシップなどのテーマで外部講師によるセミナーを行い、さまざまな切り口でダイバーシティについて考える場となっています。
また、グループ各社でも、管理職を対象にダイバーシティ・マネジメントの意義や、仕事と育児や介護の両立支援制度の理解促進を図る活動を実施。多様な人材を活かし、成果を出せる管理職の育成につなげています。 例えば、セブン‐イレブン・ジャパンでは、管理職の理解促進を目的に、2021年から外部講師を招き「ダイバーシティ・マネジメント」「アンコンシャスバイアス」をテーマにした研修を開始しました。加えて、ノーマライゼーションサポート研修を2021年7月から管理職向けに実施。障がいがある同僚・部下に対する理解を深めるとともに、障がいや認知症があるお客様への対応について学ぶ機会を設けています。イトーヨーカドーでは、階層別の役職者研修の中で、多様な従業員が活躍できる職場の重要性や、仕事と育児・介護の両立支援制度に対する理解促進に取り組んでいるほか、時間短縮勤務者の評価など多様な部下のマネジメントに関するプログラムも実施しています。
セブン&アイHLDGS.は、2016年にグループの企業行動指針を改定し、新たに「性的指向・性自認による差別の禁止」を明記して取り組みを進めています。2017年より毎年外部講師によるLGBTの理解促進のためのセミナーを開催しています。2022年2月末までにグループ合計で約600人が参加しました。また、2021年度はLGBTセミナーの動画と店舗で必要な基礎知識を記載した冊子を、グループ従業員が誰でも閲覧できるWebサイトで公開し、多くの従業員がLGBTの基礎知識を学んでいます。
セブン&アイグループは、定年再雇用制度を運用し、ベテラン従業員がスキルや能力を活かせる場を提供しています。
例えば、イトーヨーカドーでは、定年後も働き続けたいと希望する従業員の声に応えて、65歳まで雇用を継続する「定年再雇用制度」を1995年に導入しました。本人の希望に応じて勤務日数や勤務時間について3通りのパターンから選択できるなど、多様な働き方ができるように整備しています。2006年4月からは、パートタイマーも65歳まで働くことができる「シニアパートナー制度」を導入し、2022年2月末現在、7,359人のシニアパートナーが活躍しています。さらに、2017年5月には最長70歳まで勤務を継続できるように制度を拡充しました。外国籍の従業員も2022年2月末現在、1,038人が活躍しています。
また、セブン‐イレブン・ジャパンでは、少子高齢化や労働人口の減少が進む中、働く意欲のあるシニア層の雇用を創出しています。加盟店を含む各店舗で採用したシニア層に向けて、レジ操作に不安を感じる場合は本部講師が丁寧にゆっくりとしたペースで機器操作と接客応対を教えています。加えて、加盟店を含め店舗における外国籍の従業員の割合が増加しており、全国平均では2022年2月末現在、約9.3%、約38,400人となっています。2020年9月から、留学生や外国籍の従業員に対して、日本の文化・接客応対の基本の講義を行う「おもてなし研修」を開始し、2021年度は約280人が受講しました。
「シニアお仕事説明会」の様子(セブン‐イレブン)
「おもてなし研修」の様子(セブン‐イレブン)
セブン&アイグループでは、従来より海外の従業員を現地経営幹部などへ積極的に登用しています。2021年7月に公表した新中期経営計画においてもグローバル戦略の強化を掲げており、グローバル戦略を支える中核人材の育成・登用に力を注いでいます。 また、中途採用者についても、「即戦力」として位置付けており、2021年度はグループ8社※合計で205人が入社しました。
なお、外国人・中途採用者を特に区分した登用目標などは設定していませんが、多様な人材が能力を発揮できるよう、国籍、入社区分(新卒採用、中途採用)などに関係なく、公平な目で能力・成果を評価し、管理職への登用を行っています。
セブン&アイHLDGS.は、誰もが活躍できる職場づくりを理念に掲げ、障がいのある人も力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。また、グループ各社では、一人ひとりの障がいの程度や内容、本人の希望などを考慮しながら、配属先と担当業務、就業時間を協議・決定し、さまざまな部門で障がいのある従業員が仕事をしています。
採用にあたっては、特別支援学校と連携した店舗での職場実習や、地域のハローワークが主催する就職面接会への参加のほか、職業能力学校とも連携しています。また、各社の採用・教育担当者が障がいに関する配慮を周知し、必要な施策を実行できるように、障がいのある方を雇用するうえでの基本的な知識および実際の採用方法などをまとめた「セブン&アイHLDGS.ノーマライゼーションサポートガイド」を配布しています。
セブン&アイHLDGS.、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、セブン&アイ・フードシステムズの5社と北海道北見市が共同出資し、1994年に重度の障がいがある方の雇用を促進するために「特例子会社テルベ」を設立しました。2022年6月1日現在、21人の障がいのある従業員を雇用し、テルベを含むグループの障がい者雇用率※は2.98%となりました。2023年度は2.98%の目標を掲げています。 テルベは、設立から23年間にわたって障がい者が働きやすい職場環境を目指し、ノーマライゼーションの実践に取り組んできたことが評価され、2017年に初めて実施された「障害者活躍企業」認証で、記念すべき第1号の認証を取得しました。
特例子会社テルベの様子
障害者活躍企業2017 認証第1号
セブン‐イレブン・ジャパンは、各地の行政と連携し、障がいのある方の就労支援の一環として、特別支援学校の教諭・生徒向けに就労支援研修「セブン‐イレブンの仕事体験」「接客研修」「卒業生から学ぶ社会人への準備授業」を全国各地で実施しています。
就労支援研修「セブン‐イレブンの仕事体験」の様子
セブン‐イレブン・ジャパンは、障がいのある社員の職場定着支援策として「障害者の雇用の促進等に関する法律」による厚生労働省が定める資格の取得を推進しています。2022年2月末時点では、「障害者職業生活相談員」の認定を96人、「ジョブコーチ(企業在籍型職場適応援助者)」の認定を15人の社員が受けるなど、取り組みを進めています。専門の知識を持つ社内ジョブコーチ(企業在籍型職場適応援助者)が日常生活における自立支援や社会人マナー研修、ネットを活用した面談などを実施し、コロナ禍においても働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。
また、聴覚障がいのある社員もリモート会議に参加できるよう音声認識システムを導入し、全社員が円滑なコミュニケーションを図れる環境づくりに努めています。
セブン&アイHLDGS. は、女性の活躍推進のための具体的な目標を設定し、グループ一丸となって取り組みを進めてきました。これらの取り組みや積極的な女性管理職への登用により、社外から評価をいただいています。
社外からの主な評価
セブン&アイHLDGS. は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する優良な企業として認定され、「えるぼし」の最上位である“3段階目“を取得しました。「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目すべてにおいて認定基準を満たしています。同様に、イトーヨーカドー、そごう・西武、セブン銀行、セブン・カードサービス、セブン・フィナンシャルサービス、ニッセン、ニッセンライフにおいて「えるぼし」“3段階目”を、セブン‐イレブン・ジャパン、セブン&アイ・フードシステムズにおいて“2段階目”を取得しています(2022年2月末現在)。
3段階目
2段階目
認定マーク「えるぼし」