7-Eleven, Inc.(以下SEI)は、お客様のニーズにお応えするだけでなく、品質や安全性を損なわず、環境負荷の低減を推進することがイノベーションの重要な原動力となっています。例えば、お客様が電気自動車(EV)を充電する際の利便性の向上やプラスチック使用量と包装材の廃棄物削減、店舗運営に伴うCO2排出量の削減、持続可能な原材料の調達の支援など、SEJでお買物をしていただくことで環境配慮につながる活動に取り組んでいます。
2030年までに、店舗運営に伴うCO2排出量を2013年度比で50%削減
SEIは、環境保全活動を推進するために米国最大の小売業界団体「リテール・インダストリー・リーダーズ・アソシエーションズ・リテール・サステナビリティ・イニシアティブ(RSI)」に参加しています。この団体は米国の小売業者を対象とした教育フォーラムで、環境に関する先進的な取り組みを共有するほか、将来のトレンド把握や同業他社とのベンチマーク評価を実施し、業界共通の持続可能性に関する課題について協働しています。
また、2021年から、SEIはクリーン・エナジー・バイヤーズ・アライアンス(CEBA)に加盟しました。CEBAは、商業や産業部門、非営利団体、エネルギーやエネルギーサービスの提供者など200を超えるステークホルダーが集まる会員制の団体です。CEBAのビジョンとミッションは、すべての組織が迅速かつ費用対効果の高い手段を持ちながら、再生可能エネルギーを実現し、強靭なゼロカーボンのエネルギーシステムを構築することです。
SEIは、エネルギー使用量の削減と環境効率の向上に取り組んでおり、2030年までに店舗運営に伴うCO2排出量を2013年度比で50%削減するという目標を掲げています。排出量削減施策によって、2021年度は前年度差で147,600MTCO2e、2013年度差では375,300MTCO2eを削減し、2013年度比では27%削減しました。これは、約8万台の乗用車が1年間に排出するCO2排出量に相当します。
SEIは、米国およびカナダの店舗に設置されている冷蔵ケースを支えるリモートコンデンサ※に、地球温暖化係数が最も低い不燃性の冷媒であるハネウェル社のSolstice N40(R-448A)冷媒を採用しました。R-448A冷媒は、世界中の店舗で使用されているR-404A冷媒の代替品として広く使われている冷媒です。ハイドロフルオロオレフィン(HFO)技術をもとにしたR-448A冷媒は、従来のハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒に比べて地球温暖化係数が約60%も低くなっています。さらに、エネルギー消費量も少なく、米国および欧州のスーパーマーケットでの試験では、R-404A冷媒と比較して、低温用途でのエネルギー消費量を平均で5%削減できることが実証されました。
※ 電気を蓄えたり放電したりする電子部品
SEIは、省エネルギー型店舗にLED照明を採用しており、店舗でのエネルギー使用量の削減とCO2削減目標の達成に大きく貢献しています。2021年12月現在、7,700以上の店舗でLED照明を採用しています。LED照明は省エネ効果に加え、有害物質使用の排除、地域の規制を遵守する光害の低減、店舗の安全対策の強化などのメリットがあり、お客様の買物体験を向上させています。
SEIは、エネルギー使用量削減のために冷暖房の効率化も効果的な環境対策として実施しています。2008年以降、10,800台以上の高効率空調機器を導入しており、省エネを実現しながら質の高い買物環境を維持できるようになりました。
SEIは、店舗にエネルギー管理システム(EMS)を導入し、空調・冷凍設備の監視、制御、動作を最適化しています。現在、6,900以上の店舗にEMSを導入しており、エネルギー効率の高い空調機器の導入と合わせて、省エネの実現に貢献しています。また、水の使用量を削減するためにすべての新店舗でエネルギー効率の高い低流量エアレーター付き蛇口を標準装備しています。
SEIは、省エネルギープロジェクトの取り組みとあわせて、再生可能エネルギーへの取り組み拡大にも注力しており、2021年12月末現在、SEIが消費する電力の約21%は再生可能エネルギーによるものです。
テキサス州では、TXU Energy社と契約し、テキサス州の全店舗向けに100%州内の風力発電所で発電された電力を購入しています。同州は特にエネルギー市場の競争が激しい地域で、10,000機以上の風力タービンが設置されており、建設中のものも含めた風力発電の発電容量は全米1位で、米国の大規模風力発電所10カ所のうち4カ所が立地しています。2021年度、SEIはTXU Energy社から318,000MWh以上の再生可能エネルギーを購入し、テキサス州の860以上の店舗に供給しました。その結果、2021年度の全再生可能エネルギーの47%を風力発電が占め、同時に大幅な店舗運営費の削減にもつながりました。
フロリダ州の店舗で使用する再生可能エネルギーについては、2020年度に電力会社2社(Florida Power and Light社、Duke Energy社)と契約し、大規模太陽光発電施設から調達しています。これらの契約による2021年度の太陽光発電の発電量は92,800MWhで、SEIが消費する全再生可能エネルギーの13.5%を占めています。 2021年度は、イリノイ州で60,000MWh以上のオフサイト風力発電、オレゴン州で2,500MWhの追加的な再生可能エネルギーが期待できるコミュニティ・ソーラー・プロジェクトに関する契約を締結しました。
電力会社が提供するコミュニティ・ソーラーは、住宅や建物に直接ソーラーパネルを設置して発電するオンサイト・ソーラーとは異なります。電力会社が開発・所有する太陽光発電施設を、複数の地域の出資者が共有し、発電量に応じて電気料金に対する分配金を受け取る仕組みです。
2020年度にはバージニア州の店舗で、揚水発電施設から再生可能エネルギーの調達を開始しました。 2021年度の購入量は30,900MWhで、140以上の店舗の電力をまかなっています。
SEIは、常にお客様の利便性を高めるためにイノベーションを続けており、その一つとしてお客様に代替燃料の選択肢を提供しています。2021年には、米国とカナダの厳選した250店舗に複数の車種に対応した電気自動車(EV)ポートを500基以上建設するという高い目標を発表しました。2021年度は17店舗で31以上のポートを設置し、2,800回使用されて約16万マイル分が充電されました。業界全体でサプライチェーンの問題が発生して逆風が吹きましたが、設置計画を加速させるために新たに拡張したチームを配置し、2022年にはテキサス、フロリダ、太平洋岸北西部での拡大を予定しています。
SEIは、水の効率的な利用は水使用量を削減し、水資源を保全するのに役立つと考えています。そこで新店舗へ設置する省エネルギー設計基準として、蛇口から出る水に空気を取り入れることで水使用量を削減できる低流量エアレーター水栓を採用しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度※4 | |
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検証対象店舗数※1 | 9,149 | 9,387 | 13,043 |
GHG排出量※2(千t-CO2e) | 819 | 759 | 1,002 |
CO2 排出量※2,3(千t-CO2 ) | 817 | 755 | 997 |
電気使用量※2 (GWh) | 2,306 | 2,306 | 3,213 |
水使用量 ※2 (千m3) | 10,892 | 10,637 | 10,544 |
SEIは、可能な限り環境に優しい素材の使用、プラスチック使用量の削減によって商品パッケージを改善する方法を継続的に検討しています。環境に配慮した容器・包装の改善方法の多くは、再生可能な素材やリサイクル素材を使用など、持続可能な資源に由来するものです。また、製品の品質や安全性を損なうことなく、可能な限り包装材を削減する取り組みを進めています。
2030年までにプライベートブランド商品の容器・包装の50%を環境配慮型に切り替える
SEIは、冷たいドリンク用に植物由来のプラスチックを使用したストローを使用しています。この新しいストロー素材は、トウモロコシなどの原材料から作られており、年間100万ポンドの石油系プラスチックを削減することができます。
SEIは、使用済みプラスチック再生材を40%使用したレジ袋を米国全土で展開しています。再生プラスチックを使用することで、原材料の消費量、加工時のエネルギー消費量やCO2排出量、お客様の使用に伴う廃棄物量、プラスチックの埋め立て処分量が削減でき、環境負荷を軽減することができます。使用済みプラスチック再生材を40%使用したレジ袋に切り替えることで、SEIでは年間約500トンの再生素材でないプラスチックを削減しました。米国の複数の地域とブリティッシュ・コロンビア州では、紙製のレジ袋に移行し、使い捨てのプラスチックレジ袋を完全に廃止しました。
SEIは、リサイクル素材の使用をさらに進めるために、フルーツとサラダの容器を再設計し、お客様から回収したプラスチック(PCR)の配合比率を高めました。現在、これらの容器には15%のPCRが使用されています。PCRの包装材を使用することで、再生素材でないプラスチックを使用する場合と比較して、廃棄物やCO2排出量を削減することができます。
また、カナダでは、すべてのサンドイッチのパッケージに、カナダ産のリサイクル素材のプラスチックを使用しています。 SEIは、今後も包装材におけるPCRの使用比率を高めるために、さらなる可能性を追求していきます。
SEIは、容器包装の環境配慮への継続的な改善に向けて、プラスチックの使用削減を進めています。SEIは、プラスチック使用量を削減した、より軽量な新しい飲料用カップを開発しました。この変更により、年間110万ポンドの再生素材ではないバージンプラスチックを削減することができます。SEIは、フレッシュフードの大皿も軽量の紙皿に変更しました。さらに、大皿のプラスチック製の蓋を小型化しました。
SEIは、ホットドッグの箱をクラフト紙からTMP(サーモメカニカル・パルプ)紙に変更し、紙の使用量を削減しました。TMPを使用した紙は、木材含有量が従来のクラフトパルプ紙の50%です。さらに、大型のプラスチック製チキンウィッグ用の箱を紙製段ボール材に切り替え、年間437,000ポンドものプラスチックを削減しました。この新しい代替紙は、Sustainable Forestry Initiativeの認証を受けています。また、カナダでは、複数の食品パッケージ(ホットドッグ、ピザ、チキンバーガー、クッキーの箱)を変更することで、リサイクルしにくい黒いプラスチックの箱が毎年800万個以上ゴミとして廃棄されるのを防いでいます。
商品から発生する水分や油分が漏れないように包装表面へ塗布されるフッ素塗料PFAS※が環境に有害とされていることから、SEIは繊維を用いた成型容器などの代替品への積極的な切り替えを実施しています。
持続可能な原材料の調達は、全店舗とサプライチェーン全体で環境負荷を低減を目指すSEIの戦略において重要な要素の一つです。SEIは、2021年に7-Reserve™ プレミアムコーヒーの最新品種を追加し、持続可能な方法で調達されたコーヒープログラムを継続的に拡大しました。この新商品は、Rainforest Alliance™認証のウェウェテナンゴ地区産で、シングルオリジン、持続可能な方法で調達されたアラビカ豆100%から作られています。この豆は小規模農家で栽培され、加工されています。つまり、お客様がコーヒーを一杯購入するたびに、その農家と彼らの持続可能な農法を支援することにつながります。
1927年の創業以来、SEIはお客様の生活をより便利にすることに全力で取り組んできました。現在、米国とカナダに13,000以上の店舗を持ち、どんなに大きな困難にぶつかってもサービスを通じてコンビニエンスストア業界をリードし続けています。特に、代表的な活動であるアウトリーチプログラムは強い地域社会づくりに貢献しており、新型コロナウィルス感染症拡大の際にも、重要な物資や援助の提供を行いました。
また、2021年以降の地域社会への貢献は新たな形で拡大し、これまで以上に強固なものとなりました。Operation ChillやProject-A-Gameなどの特徴的なプログラムや、チャリティー寄付、イベント、ボランティア活動、店舗での募金活動などを通じて、7-Elevenファミリーのブランドは全米各地の何千もの地域に支援を提供しました。
SEIは、長年にわたり食料支援を継続し、食糧不安の解決に取り組む団体のために複数のイベントを開催しています。例えば、21年前からFeeding America®と協力し、200のフードバンクからなる全国ネットワークを支援しています。国や地域の寄付、ボランティア活動などを通じて毎年4,000万人以上の人々に食事を提供しています。 2021年度は、Feeding America®およびFood Banks of Canada®と連携し、さまざまな取り組みを実施しました。
主な取り組みは以下の通りです。
● 7月11日のセブン-イレブンの創業94年を記念して、Feeding America®に10万ドル※を寄付
● フランチャイズ加盟店、店舗従業員およびお取引先様の協力のもと、2021年に行った数々の店頭キャンペーンを通じて、SEIはさらに180万ドル※をFeeding America®に寄付(全米の支援を必要としている家庭に少なくとも1,800万食の食事の提供が可能)
● 7-Eleven Canadaとそのお客様は、2021年に320,000食以上の食事をFood Banks of Canada®に寄付
※1ドルで少なくとも10食分の食事を提供することができます。
SEIの本部では、4月と11月の2回にわたって屋外でのフードドライブイベントを開催し、6,500ポンド以上の食品を寄付しました。さらに、SEIからの2万ドルの現金寄付と、多くの社員がオンラインでNorth Texas Food Bankに直接寄付した金額を合わせ、地域の家庭に79,430食を提供することができました。
毎年、赤十字社は、住宅火災、ハリケーン、洪水、地震、竜巻、山火事など、6万件以上の災害に対応しています。2021年、SEIは、アメリカ赤十字社の災害対応者プログラムの年次会員資格を更新し、アメリカ赤十字社への支援を継続しました。SEIは、ハリケーン、竜巻、山火事などのさまざまな災害の被災者に、食料、緊急避難所、救援物資などを提供する赤十字社を支援するため、25万ドルを寄付しました。災害対応プログラムの一員として、SEIは年間の活動を通して、大小の災害に対して地域社会の防災体制を整え、赤十字社が災害後に直ちに対応できるように協力しています。
長年にわたって、Progject A-Game™(以下、PAG)の助成金は7-Eleven®(現在はStripes®も含む)の店舗が近隣地域と良好な関係を築き、教育、スポーツ、安全、食料支援などの青少年育成の機会を提供するために役立てられてきました。また、PAGの助成金は、地域社会とのつながりを育むことを目指す新規店舗の開店を支援する際にも役立っています。
2021年度は、434件の助成金が地域団体に授与され、その総額は39万ドル以上となりました。ニューヨーク州ユニオンデールのリトルリーグ、マサチューセッツ州ウォバーンのリーブス小学校のSTEMプログラムなど、PAGの助成金は、子どもたちが1年を通して楽しく学び、成長を続けるために役立っています。設立以来、7-Eleven®およびStripes®の店舗は5,000以上の助成金を授与しており、地域への投資額は350万ドルとなっています。助成金は、数学や科学のプロジェクト、講師、学用品、スポーツ用品などを提供する取り組みに使用され、学校生活を援助し、子どもたちの創造性を引き出すことに役立っています。
善行でおいしいご褒美、それが Operation Chill®です。警察と子どもたちの良好な関係を築くために考案されたOperation Chill®では、警察官が善行や社会に有益な行動をした子どもたちに、米国の7-Eleven® 加盟店で無料のSlurpee®(小)ドリンククーポンを提供しています。 Operation Chill®は、素晴らしい子どもたちを奨励するだけでなく、警察官が地域の青少年と交流し、信頼関係を築くことにもつながります。自転車に乗るときにヘルメットをかぶった、ゴミを拾った、近所の人を助けた、ドアを開けてくれたなど、クーポンがもらえる理由はさまざまですが、得られる結果はどの子どもも同じです。無料のSlurpee®と、子どもたちの善行に対する笑顔です。
1995 年にフィラデルフィアに設立されたこのSEIの地域支援プログラムは、警察官が子どもたちや 10 代の若者と積極的に交流することを目的としており、現在では全米で 1,100 以上の警察当局が参加するまでに拡大しています。Operation Chill®を通じて、SEIは、2,300万枚以上のスラーピー無料ドリンククーポンを全国の警察当局に寄贈してきました。
25年の歳月を経て、プログラムは全く新しいデジタル体験に生まれ変わりました。www.7-elevenoperationchill.com では、警察機関がオンラインで簡単に登録し、Slurpee® ドリンククーポンを請求できます。また、地域でOperation Chill®を成功させるための成功事例やツール、ヒントにアクセスできるようになりました。さらに、次世代の若者にとって、このプログラムが新鮮で楽しく魅力的なものであり続けるように、ロゴをアップデートし、ソーシャルメディアサイトを新設しました。その結果、警察機関の参加は増加し(2021年は例年より約300機関多く参加)、クーポンの利用率は2020年比で70%上昇しています。
コンビニエンスストア業界のリーダーとして、私たちは多様性、公平性、包括性を先導していく義務があります。これは単に正しいことを行うというばかりでなく、ビジネス上も不可欠なことです。私たちがサービスを提供するお客様や地域は多様であり、日々その多様性が増しています。現状に疑問を持ち、成功の原動力は人であると考えるお客様重視の組織として、7-Elevenファミリーは、多様性を支える包括的な文化を構築するため積極的な行動を取ることにコミットします。
7-Elevenは、私たちがサービスを提供する多様な地域社会にとって不可欠な存在です。7-Elevenのビジネスモデルは、人種、性別、経歴に関わらず、小規模ビジネスの起業家を支援し、成功させることを基本としています。お客様も従業員も差別されない包括的な顧客体験と職場環境を確保するために、私たちはフランチャイズ加盟店とチームメンバーが各自の視点、能力、努力を日常業務に活かすことを奨励しています。 私たちは平等性を追求し、さらなる努力を約束します。それがブランド、そして社会としても、成長と革新を続けていくための唯一の方法だからです。
2020年に、SEIは「Equality & Diversity Task Force and Roundtable」を設立しました。このチームは、SEIのさまざまな分野を代表するリーダーで構成されており、サービスを提供する地域社会でさらに大きな影響を与えることができるよう、組織全体で公平性を促進する方法の特定に積極的に取り組んでいます。
2021年度、私たちはさまざまなプログラムを通じて、SEI内の多様なグループや個人を称え、称賛しました。
●多文化記念月間に焦点を当てた月例啓発キャンペーンとエンゲージメントキャンペーンを実施
●退役軍人のための組織へのコミットメントを示すため、軍の英雄とその家族の奉仕と犠牲を称えるイベントとコンテンツを提供
7-Eleven Veterans Outreach Organizationとのパートナーシップにより、軍隊感謝月間、メモリアルデーなどを開催
また、SEIは、最新のマーケティングキャンペーン「Take it to Eleven」において、ロサンゼルスのローライダー愛好家の女性たちがBig Gulpsを買いに7-Eleven店舗に自転車で向かう姿を撮影しました。このキャンペーンでは、異なる文化を表現する広告を通して、お客様一人ひとりが一歩先へ進んで行くことができる力を持つことを表現しています。