セブン&アイグループでは、地域社会との連携と協調を図り、地域社会の一員としての責任を果たすこと、事業を通じて地域の発展や豊かな生活環境づくりに貢献し、社会性・公共性を勘案して適切な寄付などの社会支援を行っています。
社会貢献活動は、セブン&アイHLDGS. 取締役 常務執行役員 経営推進本部長を責任者に、サステナビリティ推進部がグループ各社・関係部門と連携しながら活動を推進しています。
セブン&アイグループは、事業活動に伴って発生する環境負荷を緩和する活動をはじめ、より良い社会づくりに貢献する事業活動を実施しています。活動にあたり、外部のパートナーと組む場合には、当社と共通した理念を有していること、十分な専門知識を有していることを選定条件としています。
社会貢献活動は4つの視点を用いて、その効果を測定しています。なお、活動に費やしたインプット、活動終了後の自社・社会それぞれに対するアウトプット、最終的に生み出した自社・社会それぞれに対するインパクトを、より精度高く測定することができるよう、測定方法は今後見直していく予定です。
効果測定方法 | 詳細 |
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① 1年間の社会貢献活動費用の検証 | 活動費用は活動分野別・形態別に検証しています。 |
② KPIによる検証 | 設定した評価項目に対する数値で効果を測定しています。例えば、高齢者支援として「お買物支援」サービス(セブンミール、ネットスーパー、移動販売など)を実施しています。この取り組みの効果は、実施している店舗数や稼働車両台数、売上などをKPIに用いて検証しています。この数値に加え、利用者からの反応については、次年度の計画策定に反映しています。 |
③ 支援団体との対話 | NPOなどの資金の援助先からご報告いただく活動の成果を確認し、受益者の人数や受益者にもたらされたプラスの効果などの報告内容と、支援先団体との対話で得る生の声から活動の効果を検証しています。また、次回の支援先と実施プロジェクトを決定する際にも参考にしています。 |
④ 活動に参加した従業員への調査 | 会社が企画した活動にボランティアで参加した従業員へ満足度や改善点などを聞くアンケートを実施し、その結果を活動の効果の測定に用いて、次回の企画作りに活用しています。 |
セブン&アイグループは、従業員の社会貢献活動への参加も重要と捉え、自然に触れる機会や震災復興支援活動などを企画・実施しています。さらに、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨーク、セブン&アイ・フードシステムズ、セブン銀行は従業員のボランティア活動への参加を推奨することを目的にボランティア休暇制度(年5日)を設けています。なお、イトーヨーカドーではパートタイマーもボランティア休暇を取得することができます。2021年度はグループで10人の従業員がボランティア休暇を取得しました。
イトーヨーカドーは、2016年3月から全国のほぼすべてのレジに募金箱を設置し、年間を通してお客様・従業員へ募金を呼びかけています。総合スーパーでは初となるこの年間を通じた募金は、3カ月単位でさまざまな社会課題解決の支援を目的に展開しています。加えて、2020年6月からはセブン&アイグループのセブンマイルプログラムを通じたWeb募金も実施しています。これらの募金活動に対し、お客様・従業員から寄せられた2021年度の募金総額は21,685,277円となりました。
さらに、従業員エンゲージメント向上の一環として、2021年度から開始した従業員同士で“ありがとう”を伝える「Thanksブルーミング」のポイントを換金し、従業員からの募金として寄付する取り組みによる募金総額は298,564円でした。2016年の店頭募金を開始して以来、これら3つの募金の累計総額は2億740万4,982円となりました。
実施期間 | 日数 | 募金内容 | 金額 |
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3月1日~5月31日 | 92 | 子供未来応援基金 | 4,848,182 |
6月1日~8月15日 | 76 | 全国盲導犬募金 | 6,158,660 |
7月7日~8月1日 8月16日~8月31日 |
42 |
大雨による災害募金 |
1,960,266 |
9月1日~11月30日 | 91 | 海外子ども支援 | 5,193,679 |
12月1日~2月28日 | 90 | 日本財団 | 6,073,720 |
セブン&アイグループ各社では盲導犬の育成を支援しており、イトーヨーカドー、そごう・西武、ヨークの店舗では店頭募金を実施しています。
そごう・西武では、全店に犬型の募金箱を常時設置し、お客様に盲導犬育成事業への支援を募っています。お客様からお預かりした店頭募金に加え、社員が任意で毎月募金を積み立てている「ワン!コイン倶楽部」と「そごう・西武基金(会社と労働組合が設立)」を、全国の盲導犬育成団体へ寄付しています(2003年3月から2022年2月末までの累計で699,289,594円)。加えて、募金活動以外にもお客様への啓発活動として、視覚に障がいのある方と盲導犬への理解を深めていただくイベントを各店で開催しています。
また、イトーヨーカドーでは、盲導犬育成支援として全国盲導犬施設連合会への寄付を1991年から続けており、2021年で30周年を迎えました。1991年から2021年までの寄付金額は累計で93,281,965円となりました。
セブン‐イレブン・ジャパンでは、2017年8月から店舗の改装時などに発生する酒類やタバコ、切手類などの免許品、鮮度管理商品以外の在庫商品の一部をフードバンク団体のセカンドハーベスト・ジャパンに寄贈しています。
また、2018年4月には横浜市および横浜市社会福祉協議会と三者協定を締結し、同様の取り組みを開始しました。寄贈した商品は社会福祉協議会を通じて、高齢者、障がい者、子ども、生活困窮者などへ支援を行っている団体・施設に分配され、地域福祉の推進やフードロスの削減につなげています。
商品寄贈による社会貢献
そごう・西武は、全店舗に「こども靴下取り」コーナーを常設し、国際協力NGOジョイセフ※とともに「ザンビアのこどもたちに靴を贈ろう」プロジェクトに取り組んでいます。お客様からお預かりした靴は、ジョイセフを通じてザンビア共和国の子どもたちに贈っています。この靴は、裸足の子どもたちが足のけがが原因で破傷風や寄生虫病にかかることを防ぐために役立てられており、お預かりした子ども靴は、2009年から2022年2月末までの累計で1,070,702足になりました。
赤ちゃん本舗とそごう・西武は、国際協力NGOジョイセフが推進している世界中の妊産婦と赤ちゃんの命と健康を守る運動「ホワイトリボン運動」に賛同し、「アフリカ・ザンビアにマタニティハウス(出産待機施設)を贈ろうプロジェクト」を応援しています。店頭やインターネットで募金を受け付けており、2022年2月末現在、店内外に45台(赤ちゃん本舗35台、そごう・西武10台)のホワイトリボン支援自動販売機を設置。飲料の購入1本につき2円(飲料メーカー様1円+設置した事業会社1円)をジョイセフに寄付しています。また、そごう・西武では、2010年よりオリジナルの「ホワイトリボンピンバッジ」を作成し、収益全額を「ホワイトリボン運動」に寄付しています。
セブン&アイグループが、2021年度に会社からの金銭・物品提供、活動に携わった従業員の人件費などを金額換算した総額は約15憶9,290万円でした。そのうちの現金支給額は約3億3千万円でした。
分類 | 金額 |
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管理費 | 983,751 |
金銭寄付 | 333,428 |
物品支給額 | 251,408 |
自社施設の開放・提供費 | 21,600 |
勤務時間内に活動へ参加した従業員の人件費 | 2,721 |
合計 | 1,592,908 |