人権への取り組み

 セブン&アイグループでは、「セブン&アイグループ企業行動指針」に基づき、国際的な行動規範を遵守するとともに、あらゆるステークホルダーの人権尊重に向けた取り組みを進めています。

人権の尊重に関する考え方・方針

 セブン&アイグループでは、ご利用いただくお客様をはじめ、お取引先、地域社会の方々、職場で働く従業員などあらゆる方々に対して、常に人権を尊重し、差別をしない・させない社風を培ってきました。人権の尊重は事業活動において極めて重要な社会的責任であると認識しており、世界人権宣言などで定める基本的人権を尊重し、「セブン&アイグループ企業行動指針」においても、社会的身分・国籍・人種・門地・信条・年齢・性別・性的指向※1・性自認※2・心身の障がいの有無などによる不当な差別やいやがらせを行わないことを定め、周知徹底を図っています。

 また、セブン&アイHLDGS.は人権を尊重するために、国連が提唱する「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」へ署名し、支持を表明しています。

 さらに、事業活動に関わるすべての人々の人権・個人の尊厳を尊重した取り組みを進めるためには、お取引先の皆様のご協力が必要と考え、「セブン&アイグループお取引先行動指針」を定め、お取引先に本指針を理解し遵守していただくことに努めています。201912月には、「国連グローバル・コンパクトの10原則」「ビジネスと人権に関する指導原則」「OECD多国籍企業行動指針」「SDGs」などへの貢献を目指し、「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」として改定しました。

  • 性的指向:いずれの性別を恋愛や性愛の対象とするかをいう人間の根本的な性傾向
  • 性自認:自身がどの性別に属するかという認識や感覚

セブン&アイグループ企業行動指針

セブン&アイグループお取引先行動指針

推進体制

 セブン&アイHLDGS.は、セブン&アイグループの人権啓発やノーマライゼーションに関わる業務を統括し、その推進を図る専門組織である人権啓発センターを設置し、専任の役職者を配置しています。人権啓発センターはグループ各社の人事部門やサステナビリティ推進部門と連携し、さまざまな啓発・教育活動を行っています。
 セブン&アイHLDGS.では、代表取締役副社長を委員長とした「人権啓発推進委員会」をグループ7社※1の人事部門責任者の出席のもと、年に1回開催しています。グループの7社の人権啓発活動の実施状況の報告や人権に関する基本方針の確認、今後の啓発活動計画の共有、ならびにグループ各社における人権に関する問題の共有を行っています。さらに、従業員への人権啓発の推進・周知を目的として「ヒューマンライツ・リポート」を作成し、定期的にグループ各社への情報発信を行い、人権啓発の推進に努めています。 また、代表取締役社長を委員長としたCSR統括委員会傘下の企業行動部会において、グループ各社の従業員一人ひとりが人権を正しく理解・認識し、差別や偏見のない企業風土・文化の醸成に向けた活動を推進しており、年2回開催しているCSR統括委員会において、取り組みの進捗状況を定期的に報告しています。

 サプライチェーンにおける人権への取り組みについても、CSR統括委員会傘下のサプライチェーン部会が中心となり、お取引先様への働きかけを行い、その進捗・改善状況をCSR統括委員会で報告しています。

  • セブン&アイHLDGS.、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨーク、そごう・西武、ロフト、セブン&アイ・フードシステムズの7社

人権に関する啓発と教育

 セブン&アイグループでは、すべてのお客様、お取引先様、地域社会の方々、職場の同僚などに対して、人権を尊重し、あらゆる差別・偏見に気づき、差別をしない・させない・許さない、企業風土作りを目指し、さまざまな啓発活動と従業員教育を行っています。

 1987年から、東京に本社を置く企業を中心に123社(2020 年 7月現在)で組織されている「東京人権啓発企業連絡会」(加盟当時名称「東京同和問題企業連絡会」)に入会し、毎月会議体へ参加することで、会員企業各社と相互研鑽しながら人権教育・啓発体制のさらなる充実を図っています。

研修の実施

 セブン&アイグループ各社では、管理職からパートタイマー・アルバイトまで含む従業員に向け、基本的な人権の考え方、ハラスメント防止等さまざまな人権問題についての啓発教育を行っています。加えて、セブン&アイHLDGS.では、グループ各社の教育を一層後押しするため、人権啓発ハンドブック「学ぶことから始まるみんなの人権」や「ノーマライゼーションサポートガイド」を活用し、従業員の理解促進を図っています。

 例えば、イトーヨーカドーでは入社時をはじめ、新店・地方店赴任時や、役職に合わせた教育内容で階層別に人権啓発研修を実施しています。人権問題が身近なもので日常生活の中にあることを認識させ、日々の行動に結び付けられるように研修内容にはパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなど、具体的な事例や最新の動向・話題を採り入れて実施。2020年度は、合計で17回、864人が受講しました。

 ヨークでは、入社時の研修の中でノーマライゼーションの体験研修を取り入れ、目の不自由な方や車いすの方への介助方法などを教育しています。そごう・西武では、入店時研修として新入社員やお取引先様の店舗従業員に対し、補助犬の受け入れやユニバーサルデザインの説明など、多様なお客様への対応に関する教育を実施しています。

 また、セブン&アイHLDGS.では、サプライチェーン上の人権リスクなどの低減・緩和のため、お取引先様および社内の商品開発・仕入担当者に向けた、コンプライアンス研修を行っています。

「学ぶことから始まるみんなの人権」ハンドブック

ノーマライゼーションサポートガイド.png

ノーマライゼーションサポートガイド

人権研修の様子

人権啓発標語の募集

 セブン&アイグループでは、企業行動指針に定められている「ひとり一人の人権が尊重される企業風土を創る」ために、パートタイマー・アルバイトを含む従業員と、そのご家族を対象に、人権啓発標語を毎年グループ内で募集しています。人権標語を考える過程において、従業員一人ひとりが「人権」と向き合う機会を作ることにより、人権に対する意識の向上を図っています。応募作品の中から選考した優秀作品については、社内報や社内ポータルサイトなどを通じて従業員へ発表し、表彰しています。30回目となる2020年度の応募作品数は47,130点と、例年同様、多数の応募となり、日常生活の中で感じたことからより広い視野に立って考えたものまで、人権課題について改めて考えることの重要性を提起した作品が揃う結果となりました。

人権標語ポスター.png

人権啓発標語募集のポスター

人権の尊重に関する評価

従業員エンゲージメント調査

 セブン&アイグループでは、セブン&アイHLDGS.およびグループ各社の従業員を対象に従業員エンゲージメント調査を実施しています。質問の中には、多様性の尊重や、職場で従業員の問題のある言動を見聞きしたことがないかどうか、などを問う質問が含まれており、企業行動指針に定めている人権の尊重を遵守できているかを確認しています。2020年11月の調査では、国内グループ30社、約82,000人の従業員を対象に調査を実施しました。次回は2021年度下期に行われる予定です。

従業員へのインタビュー調査の実施

 セブン&アイグループでは、事業、または事業会社特有の人権問題を特定し、人権リスクの低減・緩和を行う目的で、人権啓発センターによる店舗従業員のインタビュー調査を実施しています。2021年3月には、重度の障がいがある方の雇用を促進するために設立した特例子会社テルベの全従業員に対するインタビューを完了しました。今後も順次、インタビュー調査を実施する予定です。

お取引先向け「セルフチェックシート」によるアセスメント

 セブン&アイグループでは、お取引先様に「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」をご理解いただき、この指針の遵守に必要な具体的事項を明記したお取引先様向けのセルフチェックシートを運用しています。セルフチェックシートの項目には、工場で働く人が相談できる窓口の有無、自社の取引先に本指針の遵守を求めているかといった、人権の尊重に関する内容を含む61の項目があり、回答内容はデータベース化して取り引き継続の判断材料にしています。

お取引先様アンケート

 セブン&アイグループでは、2016年度からお取引先様に対する当社グループの従業員の言動が、社是や企業行動指針に則ったものであるのかを確認するため、お取引先様が無記名でご回答いただく「お取引先様アンケート」を実施しています。2020年11月から12月には、グループ各社合計で約8,300名のお取引先ご担当者様にご回答いただきました。

お取引先製造工場へのCSR監査の実施

 セブン&アイグループでは、グループのプライベートブランド「セブンプレミアム」およびイトーヨーカドーの海外直輸入のお取引先様の最終製造工場に対して、「セブン&アイグループお取引先行動指針」への遵守状況を確認するCSR監査を実施しています。

 CSR監査では、「ISO26000」「経団連企業行動憲章」「OECD多国籍企業行動指針」などを参考にして、セブン&アイHLDGS.が独自に作成した人権や労働環境などに関する監査項目(16の大項目と約140のチェック項目)に沿って、外部の審査機関がお取引先様の工場を監査しています。2020年度は11か国の413工場に対してCSR監査を実施しました。

人権問題に関する相談窓口

 セブン&アイグループでは、職場において人権問題が発生した場合に、グループ従業員とその家族、退職者が相談・通報できる通報窓口「グループ共通ヘルプライン」を設置しています。また、国内グループ会社のお取引先様の役員、従業員、元従業員が相談・通報できる通報窓口「お取引先専用ヘルプライン」を設置しています。通報窓口は、当社が業務委託契約および機密保持契約を結んだ第三者の通報窓口を連絡先とし、通報・相談者のプライバシーを厳守しています。通報・相談があった場合は、必要に応じて相談者の同意を得た上で事実関係の確認および問題の解決を図ります。また、相談者本人および事実関係の確認に協力した方に対して、不利益な取扱いをしないことを通報窓口の運用ルールで定めています。