セブン&アイHLDGS.は、法令や社会規範の遵守をすべてに優先させ、経営に健全なコーポレートガバナンス(企業統治)が機能し、かつ確保されるよう配慮します。
セブン&アイグループ企業行動指針は、グループの社是に掲げる「信頼と誠実」の精神を実現するため、従業員一人ひとりが実践すべき行動の在り方を示したものです。法令や社会規範を遵守すること、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)などの関係法令や社内ルールを守り、取引にあたっては健全な商習慣にしたがって適切な条件のもとで取引を行うこと、反社会的勢力とは関わりを持たないことなどを掲げています。
セブン&アイHLDGS.は、代表取締役社長を委員長とした「CSR統括委員会」およびその下部組織である「コンプライアンス部会」「企業行動部会」「サプライチェーン部会」「環境部会」が、グループ各社と連携し、企業行動指針の浸透とコンプライアンスの徹底に努めています。
セブン&アイHLDGS.では、社会からの信頼を失うような行為の防止と早期発見、早期是正、再発防止を目的に、日本国内の事業会社の従業員などを対象とした通報窓口「グループ共通従業員ヘルプライン」と、経営幹部に関する通報窓口「監査役ホットライン」、お取引先様を対象とした通報窓口「お取引先専用ヘルプライン」を設けています。
いずれの通報窓口も、業務委託契約および機密保持契約を結んだ第三者の通報窓口を連絡先とし、相談・通報者のプライバシーを厳守しているため、内容が社外に開示・漏洩することはありません。通報はEメール・電話・手紙により受け付けています(電話の場合、受付時間内での受付となります)。
通報があった場合には、速やかに事実を確認し、違反行為を発見した場合は是正、再発防止に努めています。また、通報しやすい環境づくりのため、匿名でも通報でき、通報者が通報したことによる不利益な取扱いを受けることは一切ないことを運用規程に定めています。相談者に報復や不利益が起きていないかを確認するため、案件終了通知の翌月末には、第三者の受付窓口から相談者へ確認連絡を行っています。
グループ各社への通報件数、通報内容および対応状況については、セブン&アイHLDGS. のサステナビリティ推進部が把握し、対象となる事業会社の対応方法が適切であるか確認しています。もし、重大な違反行為などが認められた場合は、直ちに代表取締役に報告し、関係部署・関係各社とともに対応を協議し、必要な措置を講じます。また、内部通報の運用状況については、セブン&アイHLDGS.の取締役会において報告しています。
グループ共通従業員ヘルプラインは、グループの従業員と役員、退職者、およびその家族が利用することができます。制度の内容と連絡先の周知のため、従業員研修の中での制度説明やイントラネットでの掲載、各事務所・店舗へのポスター掲示を行っています。また、隔年で実施している従業員エンゲージメント調査の中で、ヘルプライン利用に関する意識調査も実施しています。
受付の流れ
監査役ホットラインは、国内グループ会社の取締役、監査役、執行役員など、経営幹部の関与が疑われる社会からの信頼を失うような行為に関して、経営層から独立して通報を受け付け、調査対応を行うことを目的に、2019年2月より運用しています。通報を受け付けた場合は、セブン&アイHLDGS.の監査役と事業会社の監査役が連携して事実を確認し、違反行為を発見した場合は是正、再発防止に努めています。
受付の流れ
※ 海外からの通報は、個人情報を取得しない方法を採用しているため、返信を行っていません。
セブン&アイHLDGS.およびグループ各社では、自社の事業特性にあわせて、従業員がセブン&アイグループ企業行動指針を実践するためにどのように行動したらよいかを具体的に示したガイドラインを作成し、従業員への企業行動指針の浸透・周知を図っています。また、入社時からマネジメント層までの各階層別集合研修の際には、企業行動指針やコンプライアンスをテーマにした教育を実施しています。
2015年度からはセブン&アイHLDGS.およびグループ各社の社長をはじめ、幹部を対象としたコンプライアンスセミナーを毎年開催しています。加えて、2016年度から国内グループ会社の従業員を対象としたeラーニング(一部はDVD視聴)による教育を定期的に実施しています。2023年度は7コースを延べ12,511人が受講しました。
セブン&アイHLDGS. では、社是やコンプライアンス意識の従業員への浸透度合いを測るため、「カルチャー&エンゲージメントサーベイ」においてコンプライアンスに関する設問を設け、定期的に確認しています。調査結果から判明したグループ共通の課題に対しては、グループ全体での施策を実施するとともに、グループ各社では自社の課題に応じた施策を立案し、改善を図っています。また、2023年度は、グループ20社に対してインタビューを実施し、コンプライアンス事案の発生・対応・改善状況の確認をしました。
セブン&アイHLDGS.は、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名し、社是に掲げた「信頼と誠実」の精神のもと、事業活動を行う地域の法令を遵守し、強要や贈収賄を含む腐敗防止に取り組んでいます。
セブン&アイグループでは、企業行動指針において、「取引にあたっては健全な商慣習に従い適切な条件のもと取引を行い、私的な利益は受けません」と基本方針で定めています。具体的には、国内外の公務員およびこれらに準ずる者に対する贈り物・接待・金銭的利益を提供することや、お取引先様から私的な利益を受けること、贈収賄や違法な政治献金、マネーロンダリング、横領など、あらゆる形の腐敗・不正行為を禁止しています。グループ各社では、国際社会の一員として、国際経済制裁や貿易制裁の対象となっている国や地域・団体・個人に対しては、細心の注意を払うように努めています。また、企業行動指針を実践するためのガイドラインを自社の事業特性を踏まえて作成し、従業員への周知・教育に活用しています。
セブン&アイグループでは、腐敗を含むコンプライアンス違反の疑いがあれば上長へ報告する以外の報告方法として、従業員からはグループ共通従業員ヘルプライン、お取引先様からはお取引先専用ヘルプラインにおいて通報を受け付けています。もし、重大な違反が発生した場合は取締役会へ報告するとともに、社内規程に基づいて懲戒処分を行います。また、企業行動指針の遵守状況については、毎年実施している「従業員エンゲージメント調査」、「お取引先様アンケート」で確認しています。
さらに、お取引先様に対して「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」の運用を通じて腐敗防止と公正な取り引きをお願いしています。また、お取引先様を対象とした説明会を開催して、お取引先行動指針の周知を図るとともに、行動指針の推進状況を確認するセルフチェックシートを運用しています。そのほかにも、CSRリスクの高い中国・東南アジア地域のプライベートブランド商品製造委託先のお取引先様に対してコンプライアンス研修を開催しています。
セブン&アイHLDGS.では、「コンプライアンス部会」において、取り引きに関する法令の最新情報や、グループ各社および同業他社で発生した不公正な取引事案の改善施策を共有することで、違反防止に取り組んでいます。
不公正な取引事案またはその疑いが発生した場合は、「FT情報共有会議」およびサステナビリティ推進部が連携し、該当部署とお取引先様の双方に事実を確認します。その上で、問題があれば行政の指導に沿って適切に対応します。
グループ各社では、社長を委員長とする「FT委員会」など、公正な取引を徹底する部署を設置し、仕入れ担当者に対して独占禁止法や下請法をはじめとした契約に関する法令の研修を実施しています。グループ各社の法令遵守状況は、「FT情報共有会議」がグループ各社にモニタリング調査を行い確認しています。
お取引先様との最終段階の商談時には、自社の仕入れ担当者とお取引先様の担当者間で商談後に契約内容に関して齟齬が生じることがないよう、定型フォームに話し合いで決定した内容を記録し、それぞれが保管するようにしています。
また、セブン&アイグループでは半期に1度、従業員の上長による個人面談を実施しており、各仕入れ担当者の個人面談時には公正取引に関する遵守状況を評価して報酬に反映しています。
2016年度からは、お取引先様に対する従業員の言動が企業行動指針に則ったものであるのかを確認するため、お取引先様が無記名で回答いただく「お取引先様アンケート」を実施しています。2023年度はグループ各社合計で約12,000名のお取引先のご担当者様に回答いただきました。
セブン&アイHLDGS.は、ステークホルダーから信頼される誠実な企業を目指し、グループが取扱う個人情報の保護と情報資産の適切な安全確保が、経営および事業における重要課題であるとともに社会的責任として役員および全従業員が取り組む義務と位置づけています。
セブン&アイHLDGS.では、「個人情報保護方針」と「情報セキュリティ基本方針」を定めるとともに、全従業員が個人情報保護法などの関連法令や社内ルールを遵守することで個人情報の保護と情報資産の活用を通じた適正な業務執行が行われることを目指しています。
セブン&アイHLDGS.は、「セブン&アイHLDGS.グローバル納税方針」のもと、当社最高財務責任者(CFO)を税務運営の責任者とし、経営戦略と合致した税務戦略および全社的・統一的な税務マネジメントを遂行しています。また、税務に関する重要な項目においては取締役会にて報告することとしています。
セブン&アイHLDGS.では、当社および海外子会社を含むグループ各社において、健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立することを基本方針としています。その上で、税務ガバナンスを巡る国内外の環境変化とレピュテーションの低下、ブランド価値の毀損、企業の社会的責任も含む税務リスクに適切に対処するため、経営戦略と合致した税務戦略および全社的・統一的な税務マネジメントを遂行します。
このことを踏まえ、セブン&アイHLDGS.では、グローバル納税方針を以下のように定めています。
セブン&アイHLDGS.では、当社および海外子会社を含むグループ会社は、常に、各社が事業活動を行っている国で適用される税法への準拠のみならず、その精神をも尊重した適切な納税を行い、当該国の経済発展に寄与します。
また、納税に関わる法令への準拠と税務マネジメントの適正性を確保すべく、財務報告に係る内部統制の構築規程などにしたがい、適正な会計処理および財務報告を確保することができる内部統制システムを構築・整備し、これを適正に運用します。さらに、会計監査人による監査並びに社内外の監査役がその有効性評価を実施し、確認を行います。
セブン&アイHLDGS.では、当社および海外子会社を含むグループ会社は、事業活動を行っている各国の国内法に準じて経営数値および納税状況を適時・適切に開示します。
また、当社および海外子会社を含むグループ会社は、低税率国への価値移転などの過度な節税行為である租税回避(タックスヘイブン)は実施せず、各事業会社間の取引についても、アームスレングス原則の下に実施します。
セブン&アイHLDGS.では、当社および海外子会社を含むグループ会社が事業を行う各国内あるいは関係する国際的な税務当局に誠意を持って対応することにより、税務に関わる透明性と信頼性を確保するよう努めます。
セブン&アイHLDGS.は、税務上のリスクが将来の価値創造に与える影響を評価した結果、財務上のリスクは移転価格税制などの会計基準や税制の変更を、事業上のリスクはM&Aや企業再編を、それぞれリスクとして捉えています。
セブン&アイグループが予期しない、会計基準や税制の新たな導入・変更により、グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
M&Aおよび他社との業務提携や合併会社設立などを通じて、セブン&アイグループは新規事業の展開やグループ事業の再編を行っています。しかしながら、当初期待した戦略投資の効果が得られず、その目的が達成できない場合、グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
日本 | 米国 | カナダ | 中国 | |
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営業収益 | 2,915,628 | 8,138,259 | 356,586 | 67,608 |
税引前利益 | 28,001 | 248,062* | 569* | ▲556 |
法人税等 | 33,862 | 28,818 | ▲0 | 190 |
納税額 | 55,654 | 31,414 | 3 | 346 |
*米国およびカナダにおける税引前利益は、日本会計基準に基づくのれん償却額を含む。