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TCFD提言に基づく対応

    logo_gc2050.png   TCFD 

はじめに~私たちが目指す社会について~

当社グループは、衣食住、金融サービス等、多様な顧客接点を有しており、国内約22,800店舗で12,220万人以上の方にご来店いただいています。お客様の生活の場があってこそ私たちの事業が成り立っており、地域社会が持続可能なものとなるよう、私たちが本業を通じて優先的に解決すべき社会課題を重点課題(※1)として

特定し、サステナブル経営を推進していくことを「中期経営計画2021-2025(※2)」の中でコミットしています。


私たちの重点課題の中でも、「気候変動への対応(3.地球環境に配慮する、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する)」は、増加する自然災害をはじめとして、不安定になりつつある商品原材料の調達など、お客様の生活の場や地域社会を脅かす気候変動に対して、備え防ぐための取り組みと考えています。この重点課題の取り組みを加速するため、私たちは、2019年5月に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』(※3)を発出し、これを、2030年・2050年に目指すべき社会へのロードマップとして位置付けています。


環境宣言では、脱炭素社会、循環経済社会、自然共生社会の3つの社会への移行に向けて、「CO2排出量削減」、「プラスチック対策」、「食品ロス・食品リサイクル対策」、「持続可能な調達」の4分野にて中長期の目標を立て、グループ横断のイノベーションチームを結成し、取り組みを進めています。

TCFD提言に沿ったシナリオ分析では、事業体ごとに、この3つの社会への移行の実現に関わる2030年時点に想定される気候変動リスクおよび機会を特定し、「リスク低減と機会の最大化を図れる対応策の検討」、その対応策の経営戦略との連動を進めています。各分析結果やそれに基づいた戦略、気候変動に関わるガバナンス、リスク管理体制など、詳しくは本ページの各項目をご覧ください。

移行計画について

当社グループは、2019年に環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を公表しました。環境宣言の中で、「2050年、国内の店舗運営に伴うCO2排出量実質ゼロ」に向けたロードマップを掲げると共に、Scope3を含めたサプライチェーン全体でのCO2排出量削減も目指しています。これらの取り組みを推進するため、「中期経営計画2021-2025」にて、経営戦略の中に環境投資 (太陽光パネルの拡大、省エネ設備の導入 等)を組み込んでいます。

CO2排出量に関するロードマップは、科学的進歩や規制などを考慮し定期的にアップデートしていく予定です。(2020年と2021年に目標を上方修正)


<脱炭素社会に向けたロードマップ>

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TCFDに関しての経緯と今後の実施計画

当社グループは、20198月にTCFD提言に賛同し、企業や金融機関などが一体となって取組を推進する為に設立されたTCFDコンソーシアムにも参加しました。そして、2019-2021年度に国内コンビニエンスストア事業(セブン-イレブン・ジャパン)を対象としたシナリオ分析を実施、その分析結果を開示し、コンビニエンスストア事業の固有リスクにつき一定の示唆を得ることができました。2022年度は、地理的条件を同じくする国内事業として、スーパーストア事業(イトーヨーカドー・ヨークベニマル・ヨーク)のシナリオ分析を実施し、その分析結果を開示しています。2023年度は、国内事業におけるシナリオ分析の結果を有効活用し、海外事業の分析をより効果的・効率的に進めることができると判断し、セブン-イレブン・インクのシナリオ分析を進めているところです。

また自然資本に対する取り組みとしては、TNFDの理念に賛同し、20231月にTNFDフォーラム、2月に SBTN Corporate Engagement Programに参画。TNFDの枠組に基づいた分析・開示の準備を進めています。

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以下、TCFD提言で推奨される4つの開示項目について、「指標・目標」「戦略」「ガバナンス」「リスク管理」の順に説明します。

気候変動に関わる指標・目標

 当社グループは、2019年5月に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定。「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」を目指すべき社会の姿として掲げ、CO2 排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達を具体的なテーマとしました。

 パリ協定における「1.5℃目標」という世界が目指す姿に向け、CO2排出量削減の数値目標として、グループの店舗運営に伴うCO2排出量を、2013年度と比較して、2030年には50%2050年には実質ゼロにすることを定めています。その他のテーマに関しても、具体的な数値目標を掲げ、目標達成に向けた取り組みを推進し、その達成状況をモニタリングしています。

 各事業体で実施したシナリオ分析では、自然災害による被害の大きさが明確になっています。すでに日本でも、局所的豪雨や台風被害の拡大などの異常気象が発生しており、多くの自治体で「気候非常事態宣言」が発出されています。気候変動による自然災害のリスク拡大を防ぐために、地域社会をはじめとしたステークホルダーの皆様と連携して、『GREEN CHALLENGE 2050』の目標を達成し、気温上昇を1.5℃に抑える努力をするべきであると改めて決意しております。

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    • 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」/「地球温暖化対策推進法」に則って定めた「セブン&アイHLDGS. 環境関連データ算定報告マニュアル」に基づいて算定

戦略 シナリオ分析の実施

 TCFD提言に基づいたシナリオ分析について、当社グループの各事業体にて実施しています。

事業体ごとの最新分析結果および対応策は、以下の各Webサイトにて公開しています。

・ スーパーストア事業(イトーヨーカドー、ヨークベニマル)

  ※ 2023年9月にスーパーストア事業再編、イトーヨーカ堂にヨークが吸収合併

・ 金融関連事業(セブン銀行)    ※ セブン銀行Webサイトにて公開

 

以下、2022年度までのシナリオ分析結果概要です。当社グループにとって重要な気候変動リスク・機会および対応策について公開しています。


<シナリオ分析の前提>

シナリオ 脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)・ 温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)
分析手法 店舗が直接受ける物理的な影響に加え、店舗運営に伴って発生するコスト、店舗運営に大きな影響を与える商品のサプライチェーン(原材料・商品を製造する工場・商品の配送)やお客様の行動について分析
対象年 2030年時点の影響

 各事業体のシナリオ分析では、1.5℃目標が世界的に主流になっていることを踏まえ、1.5℃目標に対応した分析を実施しています。 具体的には、IEAWorld Energy Outlook」で示されているSTEPS(※1)APS(※2)NZE2050(※3)などのシナリオをはじめとして、政府や国際機関が発行した将来予測に関するレポートなどを参考に、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」と、「温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)」の2つのシナリオを設定。2030年時点の事業成長率も加味し、気候変動の影響を分析しています。 

 

※1 STEPS:公表政策シナリオ(Stated Policies Scenario)。国際エネルギー機関(IEA)による「World Energy Outlook 2019」にて示されたシナリオの1つ。これまでに公表された脱炭素政策や目標が反映されている。

※2 APS:発表誓約シナリオ(Announced Pledges Scenario)。政府が長期的な実質ゼロ排出目標発表したすべての気候関連のコミットメントを完全かつ時間どおりに満たすことを前提としたシナリオ

※3 NZE2050:50年実質排出量ゼロシナリオ(Net Zero Emissions by 2050)。IEAによる「World Energy Outlook 2020」にて示されたシナリオの1つ。パリ協定の目標を上回る1.5℃シナリオにあたり、2050年以前に排出量ゼロをめざすシナリオ。

<重要な移行リスクと対応策 脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)>

【重要な移行リスク:炭素税の影響】

 移行リスクについては、1.5℃目標達成に向けて様々な規制が導入される脱炭素シナリオに基づいて検討しました。中でも、最も大きな影響があると予測される炭素価格の導入による炭素税の影響について、各事業体で分析しています。下記、国内コンビニエンスストア事業・スーパーストア事業の影響について記載しています。


●炭素税の影響(2030年)

項目 事業インパクト
2事業の合計 200億円
国内コンビニ
エンスストア事業
126億円
スーパーストア事業 74億円

<前提> ・炭素税額 :135ドル/トン-CO2(IEA「World Energy Outlook2022」の最大金額)
  ・為替レート:131.62円/ドル(23年2月期決算時に使用したレートに合わせています)

 IEA「World Energy Outlook 2022」を参考に2030年時点の炭素税額を135ドル/トン-CO2と設定し、最大金額でインパクトを試算。環境宣言『GREEN

CHALLENGE 2050』に掲げる目標に基づいた取り組みを進めることで2030年の炭素税額を大幅に削減でき、さらに、2050年目標であるCO2排出量実質ゼロを実現することで、最終的に炭素税の影響はなくなると見込んでいます。

【脱炭素シナリオにおける主な対応策】

当社グループのCO2排出量の約9割は店舗運営における電気使用に由来しているため、省エネ・創エネ・再エネ調達の3つの柱でCO2排出量削減を進めていると共に、スコープ3を含めたサプライチェーン全体の削減を目指しています。


 (1) 省エネ

  従業員による節電、省エネ設備の導入で電気使用量の削減

 (2) 創エネ

  敷地内の太陽光パネルによる再エネ発電、利用。太陽光パネルはグループ8,000店舗以上に設置しており、2030年までにグループ11,000店舗へ設置予定。

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省エネ・創エネ・蓄エネに係る実証実験店舗(セブン‐イレブン三郷彦成2丁目店)

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屋根上太陽光パネル(Ario 市原店)

「省エネ」・「創エネ」によって店舗でのCO2排出量を最大限削減した後、「再エネ調達」による敷地外からの再エネ電力活用で、更なるCO2排出量削減を進めてきます。

 

 (3) 再エネ調達

 北陸電力グループとのオフサイトPPAの取り組みなど、様々な電力会社と協力の幅を広げています。


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北陸電力グループとのオフサイトPPA


また、CO2排出量削減の取り組みとして、食品メーカー様および物流業者様等と連携した事業スキーム「再生可能エネルギーの利活用における小売業サプライチェーン脱炭素化循環モデル事業(※)」を構築し、実証実験を開始しています。

 ※東京都および(公財)東京都環境公社が実施する「新エネルギーの推進に係る技術開発支援事業」に採択、都内のセブン&アイグループ店舗およびお取引先様である食品工場、物流センターを拠点としたEVトラック、太陽光発電、

バイオガス発電等の「再生可能エネルギー」の利活用によるエネルギーマネジメントの実証


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【対応策に関連したニュースリリースなど】

私たちの取り組みについて、詳しくはセブン&アイWebサイトをご覧ください。

<重要な物理的リスクと対応策 温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)>

【重要な物理的リスク:自然災害による被害】

 物理的リスクでは、異常気象による自然災害の発生が最も大きなリスクとなります。自然災害は、いつ・どこで発生するか予測が難しく、一度発生すれば、甚大な被害をもたらします。各事業でそれぞれ大雨や洪水などの災害が強靭化および頻度が増加することを仮定し、店舗被害・商品損害・休業による売上の損失・復旧費用などについてインパクトを試算し、対応策を検討しています。


セブン-イレブン・ジャパン(国内コンビニエンスストア事業)における影響

<前提>首都圏店舗の洪水被害(荒川の氾濫を想定)による2030年時点の被害金額を試算

 ※ 過去の洪水被害の実績から試算

 ※ 被害の程度を把握するため、保険適用を考慮せず試算を実施


項目 事業インパクト
店舗被害、商品損害、休業による売上の損失、復旧費用など 112億円

イトーヨーカドー、ヨークベニマル(スーパーストア事業)における影響

<前提>2019年(台風19号到来)と同規模災害が発生したと仮定し、2030年時点の被害金額を試算

 ※ 2019年災害時の被害実績と災害や洪水の発生頻度増加予測から試算

 ※ 被害の程度を把握するため、保険適用を考慮せず試算を実施


項目 事業インパクト
店舗被害、商品損害、休業による売上の損失、復旧費用など 55億円


【「自然災害による被害」への主な対応策】

 災害対応の充実を図ることで災害時に店舗の営業を早期に再開し、また、インフラや避難場所などの地域災害拠点として機能することで、地域のお客様への貢献を続けていきます。自然災害が増大するリスクへの対応として、以下の対応を進めています。

 

・早期復旧の体制構築(「7VIEW」など)

・蓄電池の性能向上などフェースフリー設備による災害時の営業継続、緊急物資配送用の燃料備蓄

・水害を想定した出店戦略、店づくり(止水板やガードパイプの設置拡大による浸水被害の防止)

・災害に強い物流拠点・供給網の構築

・災害協定など店舗インフラを活用した災害拠点化


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7VIEW(災害時の情報共有システム)

自治体との包括連携協定数(事業会社別)

2021年2月末 2022年2月末 2023年2月末
セブン-イレブン・ジャパン 194 223 230
イトーヨーカドー 56 79 78
ヨークベニマル 10 11 14
ヨーク 4 4 4
セブン&アイ・フードシステムズ 3 3 3
合計 267 320 329


【対応策に関連したニュースリリースなど】

【重要な物理的リスク:気象パターンの変化による原材料原価上昇】

 

 気候変動の影響で原材料の収穫量が低下、その分、仕入金額が増加すると仮定し、それぞれの事業体で大きな財務影響をもたらすものと考えています。国内コンビニエンスストア事業・スーパーストア事業ともに、分析対象の原材料については仕入金額の構成や将来情報の有無をもとに選定しました。(分析対象は今後拡大予定)


項目 事業インパクト
国内コンビニエンスストア事業
米・海苔・畜産物の原材料原価上昇額
57億円

<前提>気候変動により収量が低下したことのみによる2030年度時点の原材料原価上昇を試算

※収量の変化は、文部科学省、環境省、気象庁、国立環境研究所、農業・食品産業技術総合研究機構などのデータから試算


【「気象パターンの変化による原材料原価上昇」への主な対応策】

 環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』では、オリジナル商品で使用する食品原材料を持続可能性が担保された原材料を使用する「持続可能な調達」の目標を掲げ、自然共生社会の実現に向けて、以下の取り組みをお取引先様と推進しています。

 

・水産物(MSC認証・ASC認証・MEL認証など)や農産物(GAP認証など)の認証取得商品の品揃え拡大

・原材料生産地の分散と集約

・デジタル技術やAIの活用

・野菜工場や陸上養殖などの気候耐性のある原材料調達拡大による安定的な仕入の確保


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セブン-イレブン向け商品専用の野菜工場 (株)プライムデリカ「相模原工場ベジタブルプラント」

【対応策に関連したニュースリリースなど】

<両シナリオでの事業機会と対応策>

【脱炭素シナリオにおける事業機会について】

 本シナリオでは、お客様の意識の変化を大きな事業機会として捉えています。国の政策など世の中の脱炭素化の動きに合わせ、お客様がサステナブルな商品やサービスに大きく関心を持つようになっていくことで、現在の私たちの取り組みが機会に結び付き、更に取り組みが加速すると考えています。例えば、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」で推進している下記のような取り組みとなります。

 

「セブンプレミアム」での環境配慮の取り組み

 当社グループ共通のプライベートブランド「セブンプレミアム」について、品質と環境配慮の両立を目指した商品開発に取り組んでいます。グループ各店の店頭にて環境配慮商品を積極的に訴求しており、お客様に環境配慮商品をより認知していただき、環境について一緒に考え、アクションにつながる機会の創出を目指しています。

「CO2排出量削減」の取り組み

  脱炭素シナリオにおいてEV車両が普及していくことから、セブン-イレブンやスーパーストアの駐車場でEV充電サービスを拡充させることが、来客増加の機会になると考えています。セブン&アイグループでは、合計約2,800基(2022年2月末)の電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド自動車(PHV)用充電器を設置し、有料充電サービスを提供、更なる拡大を計画しています。


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イトーヨーカドー駐車場

「プラスチック対策」の取り組み

 オリジナル商品の容器包装を環境配慮型素材にしていくことや、ペットボトル回収&リサイクル推進をすることで、お客様に関心を持っていただき、来客増加の機会になると考えています。

 当社グループでは、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の目標のひとつ「プラスチック対策」において、2030年までにオリジナル商品(セブンプレミアムを含む)で使用する容器包装を50%、2050年までに100%環境配慮型素材にすることを目標として掲げ、容器・包装に係る環境負荷の低減を推進しています。


 

ペットボトル回収については、セブン-イレブンとスーパーストアにて2023年2月末時点で回収機を3,174台設置しており、2022年度は約4億7,000万本相当のペットボトルを回収しました。回収したペットボトルは、国内でペットボトルなどに再生される「循環型リサイクル」システムを実施しています。


2019年度 2020年度

2021年度

2022年度

回収量
(トン)
9,740 8,700 10,800 12,400
設置数
(台)
820 1,001 2,098

3,174


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「持続可能な調達」の取り組み

 水産物(MSC認証・ASC認証・MEL認証など)や農産物(GAP認証など)の認証取得商品など、サステナブル商品の品揃え拡大をすることで、お客様に関心を持っていただき、来客増加の機会になると考えています。

 当社グループでは自然共生社会の実現に向けて、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の目標のひとつ、「持続可能な調達」の取り組み目標として、2030年までにオリジナル商品(セブンプレミアムを含む)で使用する食品原材料の50%を、2050年に100%を持続可能性が担保された原材料にすることを定めています。


 例えば、イトーヨーカドーやヨークベニマルでは、生産者と連携してGAP認証(※)の取得を推進していることに加えて、安全・安心、おいしさにこだわって作られた国産野菜を厳選してお届けする「顔が見える野菜。(イトーヨーカドー)」や「三ツ星農産物(ヨークベニマル)」などのプライベートブランドの野菜を販売しています。環境にも、人にもやさしい商品であるために、「誰が、どこで、どのような思いで 」生産したのか情報開示しています。

※GAP認証とは、農業の持続性に向けた取り組みを推進する生産者に対し、第三者機関の審査により与えられる認証です。

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       セブン&アイグループのJGAP指導員資格取得者数(人)

2021年度 2022年度
指導員資格取得者数 62 139

※JGAP青果と畜産の総計

※セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、セブン&アイ・フードシステムズ、アイワイフーズ、セブン&アイ・ホールディングスの従業員


イトーヨーカドー「顔が見える食品。」売上金額

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
売上金額(億円) 228 246 243 248

※概数

【温暖化進行シナリオにおける事業機会について】

 本シナリオでは、気温上昇に伴ったお客様の嗜好変化、行動変化として、下記の内容を主な事業機会として捉えています。

 

・お客様の防災意識が高まることで、災害対策商品の需要増加

・暑熱時に好まれる商品(冷感商品)の販売伸長

・暑熱で外出頻度が低下することで、お届け事業やネットスーパーなどECサービスの利用増加

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イトーヨーカドー ネットスーパー 新横浜センター(2023年8月開設)

気候変動に関わるガバナンス

 セブン&アイグループでは、気候変動問題はグループ会社横断で取り組むべき重要課題の1つと考え、取締役会による監督とCSR統括委員会を中心とするガバナンス体制を構築しています。

 取締役会は、気候変動問題を含むサステナビリティに関わる取り組みに関し、年1回以上、CSR統括委員会の事務局であるサステナビリティ推進部より報告を受け、進捗や目標の達成状況を監督し、適宜、方針・取り組みの見直しが行われます。2020年12月、2021年5月には、取締役会において、昨今の1.5℃目標を目指す国際的な潮流、日本政府の2050年のネットゼロ目標決定にあわせ、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』のCO2排出量削減目標を、2030年までに50%、2050年までに排出ゼロに改定する決議を行いました。また、2020年度より役員報酬において、2019年5月に策定した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』におけるCO2排出量の削減目標を非財務指標として、株式報酬の業績評価指標(KPI)に追加しています。

※株式報酬のKPI としての各年度のCO2排出量の目標値は、2018年度実績値から、毎年度均等に排出量を削減して2030年度目標値(グループの店舗運営に伴う排出量を2013年度比50%削減)を達成すると仮定して算出した各年度目標値とします。

 CSR統括委員会は、セブン&アイHLDGS. 代表取締役社長を委員長として、グループ会社のCSR推進責任者(代表取締役社長等)とセブン&アイHLDGS.のCSR関連部署の責任者が委員として出席し、年2回開催されています。CSR統括委員会のもとには、気候変動問題に対応するための下部組織として、環境部会を設置しています。環境部会は、事業会社の環境部門の責任者によって構成されています。また、CO2排出量削減に向けたグループ横断のイノベーションを生み出していくために、2019年5月の環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の策定とあわせて、主要事業会社の主管部門の執行役員以上をリーダーとするCO2排出量削減チームを発足しました。

 CSR統括委員会は、CO2排出量をはじめとする気候変動問題に関わる指標の推移や緩和策を中心とした取り組みについて報告を受け、部会やグループ各社で実施される対策の承認と必要な助言を行っています。また、こうした気候変動問題を含むサステナビリティに関わる取り組みの進捗は、年1回以上、取締役会に報告しています。

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●気候変動に関わる体制と役割

体制 役割 メンバー
取締役会
  • 気候変動問題に関する進捗・目標達成状況に関して年1回以上報告を受け、取り組みを監督
  • 方針・重要事項の見直し・決定
  • 取締役 
  • 監査役 

サステナビリティについて幅広い知見と経験を有する社内取締役および社外取締役をメンバーとして構成

CSR統括
委員会
  • 年2回開催・気候変動問題にかかわる指標(CO2排出量など)の推移や緩和・適応策の共有 
  • 環境部会やグループ会社で実施される取り組みの承認と助言 
  • 委員長:セブン&アイHLDGS.取締役社長
  • 委員:グループ会社のCSR推進責任者(代表取締役社長等)
    セブン&アイHLDGS.のCSR関連部署の責任者
環境部会
  • CSR統括委員会下部組織 
  • 年2回開催
  • 気候変動問題への対応推進
  • TCFD提言への対応推進
  • 部会長:セブン&アイHLDGS.サステナビリティ推進部執行役員
  • メンバー:グループ会社のCSR部門責任者
    気候変動対応実務部門責任者

リスク管理

 当社グループでは、リスク管理の基本規程に基づき、リスクマネジメント委員会を中核とするリスク管理体制を構築しています(※1)。グループ各社は、グループ共通のリスク分類やリスク調査票を通じてリスクを洗い出し、リスクの影響度・発生可能性を考慮して定量・定性の両面でリスクを評価、対応策とともにリスクマネジメント委員会に報告します。なお、このリスク調査票にはCO2排出規制など気候変動に関わるリスクも含まれます。

 年2回開催されるリスクマネジメント委員会では、グループ各社から提出されたリスク評価と対策をもとに、グループのリスク状況を網羅的に把握し、リスク管理体制や対応策のモニタリングを継続的に実施しています(※2)。また、こうしたリスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、原則年1回、セブン&アイHLDGS. 取締役会に報告が行われています。

※1:グループリスク管理体制(当社ホームページ「事業等のリスク」より抜粋)

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※2:グループリスク管理のPDCA(当社ホームページ「事業等のリスク」より抜粋)

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今後の対応

 今後は、世の中の状況に合わせてシナリオ分析を更新すると共に、国内外でさらに分析対象事業の範囲を拡大していきます。また、サプライチェーン全体を視野にいれて、リスク・機会の定量的な把握と実質的な対応策の立案・実行を進めてまいります。

 2100年の気温上昇を1.5℃未満に抑えるための活動を行い、未来世代に豊かな地球環境を繋いでまいります。

スーパーストア事業(イトーヨーカドー、ヨークベニマル)

  ※ 2023年9月にスーパーストア事業再編、イトーヨーカ堂にヨークが吸収合併

金融関連事業(セブン銀行)    ※ セブン銀行Webサイトにて公開