TCFD提言への対応

 気候変動問題が年々深刻さを増す中、気候変動の影響を受けても、お客様の暮らしを支える商品・サービスを提供し続けることが、 セブン&アイグループの責任です。セブン&アイグループの国内店舗は、毎日2,240万人のお客様にご利用いただいています。多くのお客様をはじめとしたステークホルダーの皆様への責任を果たすために、TCFD提言に対応して気候変動による「リスク」と「機会」を分析し、持続可能な経営に活かしてまいります。 

TCFD

気候変動に関わる指標・目標

 セブン&アイグループは、2019年5月に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定。「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」を目指すべき社会の姿として掲げ、CO2 排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達を具体的なテーマとしました。

 CO2排出量削減では、数値目標として、グループの店舗運営に伴うCO2排出量を、2013年度と比較して、2030年には50%、2050年には実質ゼロにすることを定めています。その他のテーマに関しても、具体的な数値目標を掲げ、目標達成に向けた取り組みを推進し、その達成状況をモニタリングしています。

 2021年12月に開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)の成果文書に、産業革命前からの気温上昇を「1.5℃」に抑える努力を追求することが明記され、「1.5℃目標」を目指すことが、世界的潮流となっています。 今回実施したシナリオ分析では、自然災害による被害の大きさが明確になりました。気候変動による自然災害のリスク拡大を防ぐために、ステークホルダーの皆様と連携して、『GREEN CHALLENGE 2050』の目標を達成し、気温上昇を1.5℃に抑える努力をするべきであると改めて決意しております。


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    • 棒グラフ上部の数値は、セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨーク、シェルガーデン、ライフフーズ、アイワイフーズ、そごう・西武、赤ちゃん本舗、ロフト、セブン&アイ・フードシステムズ、バーニーズ ジャパンの12社の合計値
    • グループ各社の数値算出条件はWEBサイトに掲載しているデータ集をご覧ください
    • 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」/「地球温暖化対策推進法」に則って定めた「セブン&アイHLDGS.環境関連データ算定報告マニュアル」に基づいて算定

戦略 シナリオ分析の実施

シナリオ分析の前提条件

 セブン&アイグループでは、気候変動がもたらす「リスク」と「機会」を明確にし、「リスク」を低減し、「機会」を拡大するための事業戦略立案にむけて、シナリオ分析に着手しています。 セブン&アイHLDGS.は、2019年10月に環境省の「TCFDに沿った気候リスク・機会のシナリオ分析支援事業」に参加。グループの営業利益の約6割を占めるセブン‐イレブン・ジャパンの国内の店舗運営を対象に分析を実施し、2020年6月に結果を初めてウェブサイトで開示しました。2021年度は、これまでの分析に加え、実質的な対応策の立案やリスク・機会の定量化で、さらに分析を深化しました。

 今回は、1.5℃目標が世界的に主流になっていることを踏まえ、1.5℃目標に対応した分析を実施することにいたしました。 具体的には、IEA「World Energy Outlook」で示されているSTEPS ※1、SDS※2、NZE2050※3などのシナリオをはじめとして、政府や国際機関が発行した将来予測に関するレポートなどを参考に、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」と、「温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)」の2つのシナリオを設定。2030年時点の影響を分析しております。 

  • ※1   STEPS:公表政策シナリオ(Stated Policies Scenario)。国際エネルギー機関(IEA)による「World Energy Outlook 2019」にて示されたシナリオの1つ。これまでに公表された脱炭素政策や目標が反映されている。
  • ※2   SDS:持続可能開発シナリオ(Sustainable Development Scenario)。IEAによる「World Energy Outlook 2010」以降で使用されているシナリオの1つ。パリ協定で目標とされている2℃シナリオの達成に向けてクリーン・エネルギー政策や投資が増え、エネルギー供給システムは持続可能な開発目標の達成に向けて、順調に進展することを想定するシナリオ。
  • ※3   NZE2050:50年実質排出量ゼロシナリオ(Net Zero Emissions by 2050 case)。IEAによる「World Energy Outlook 2020」にて示されたシナリオの1つ。パリ協定の目標を上回る1.5℃シナリオにあたり、2050年以前に排出量ゼロをめざすシナリオ。
  • シナリオ分析の前提(2021年度)
    シナリオ 脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)・ 温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)
    対象事業 セブン‐イレブン・ジャパンの日本国内店舗運営
    分析手法 店舗が直接受ける物理的な影響に加え、店舗運営に伴って発生するコスト、店舗運営に大きな影響を与える商品のサプライチェーン(原材料・商品を製造する工場・商品の配送)やお客様の行動について分析
    対象年 2030年時点の影響

シナリオ分析体制

 今回の分析では、実質的な対応策の立案や正確な事業インパクトの定量化を目指して、セブン‐イレブン・ジャパン社内に取締役を責任者とするプロジェクトを発足しました。気候変動に関わる10部門が参加。各部門単位でリスク・機会や対応策を議論したことで、実態に即した分析ができ、気候変動への対応力向上につながりました。

  • 分析のプロセス
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  • 体制図

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重要なリスクと機会

 TCFD提言で示された各リスク・機会の項目、SASBなどの国際的な基準を参考に、セブン‐イレブン・ジャパンの事業に影響を与えるリスク・機会を各部門で具体的に議論し、合計約160のリスク・機会があがりました。これらリスク・機会が、売上・利益などの財務面、店舗運営・商品調達などの戦略面に与える影響の大きさを検討。重要なリスク・機会の項目として、「炭素価格」「各国の炭素排出目標/政策」「消費者の嗜好変化」「異常気象の激甚化」「降水・気象パターンの変化」を抽出しました。


重要なリスク・機会の事業インパクト評価と対応策

 抽出された5つのリスク・機会の項目が事業に与えるインパクトを、定性・定量で評価し、対応策を立案しました。


■ 気候変動による重要なリスク・機会の事業インパクトと対応策

重要なリスク・機会の項目 具体的な事例 影響 シナリオ

事業

リスク

事業

機会

主な対応策

移行

リスク

・機会


(脱炭素

シナリオ1.5℃~2℃)

政策・規制 炭素価格 炭素税の導入 運営コスト ・高額な炭素税が導入され、CO2排出量に対して炭素税の負担が発生
・サプライチェーンを通じてコスト増が見込まれる

•『GREEN CHALLENGE 2050』に基づいたCO2排出量の削減推進

• お取引先の省エネ・再生可能エネルギー利用拡大への支援

電力小売価格の変動 運営コスト ・再生可能エネルギー導入などに伴う電力小売価格上昇で電力料金の支払い増加

• 店舗の省エネ設備の開発・導入

• オンサイトの再生可能エネルギー導入の強化

各国の炭素排出目標/政策 配送用燃料費の変動 運営コスト ・配送車両のEV化が進み、配送に伴う燃料費は減少

• EV車両など環境配慮車両の拡大

• 車載端末より取得したデータに基づいたエコドライブ講習の実施で燃費向上

• 配送効率の向上による配送車両の削減

配送車両のEV化対応 運営コスト ・規制強化や社会的な変化に対応して、配送車両のEV車両への入れ替えが進み、コストが発生 •配送効率の向上による配送車両の削減
評判 消費者の嗜好の変化 サステナブル商品販売による売上の変化 売上 ・消費者のサステナブル商品への関心が高まり、それに応える商品を販売することで売上が増加

• 『GREEN CHALLENGE 2050』に基づいた環境配慮型容器包装の導入や ペットボトル回収・リサイクルの推進

• 『GREEN CHALLENGE 2050』に基づいた認証原材料の導入などのサステナブルな商品の販売拡大


物理的

リスク

・機会


(温暖化進行

シナリオ2.7℃~4℃)

急性 異常気象の激甚化 自然災害による被害 売上 ・自然災害の発生頻度や強度が強まり、自然災害による店舗被害や商品損害、休業による売上損失、復旧費の発生等で損害額が増加

• 「 7view」の活用による災害時の情報収集と早期復旧に向けた体制構築

• 止水板やガードパイプの設置拡大による浸水被害の防止

• 蓄電池の性能向上などフェーズフリー設備による営業の継続

• 緊急物資配送用の燃料備蓄

自然災害に関する保険料の支払い 運営コスト ・自然災害の発生頻度や強度が強まることで、自然災害に関する保険料の支払い額が増加 •各種被害防止策により損失を抑制
慢性 降水気象パターンの変化 農畜水産物の原材料価格の変動 運営コスト ・農畜水産物の収量・品質が低下することで、原材料価格が上がり仕入れコストが増加

• 原材料生産地の分散

• 野菜工場や陸上養殖などからの調達拡大による安定的な仕入の確保

• デジタル技術やAIの活用

夏季空調における電気代 運営コスト ・平均気温の上昇により、空調にかかる電力使用量が増加し、電気料金の支払いが増加 • 店舗の省エネ設備の開発・導入

※事業インパクト評価にあたっては、それぞれ影響が大きいほうのシナリオを参照しました。

 移行リスク・機会:「脱炭素シナリオ」、 物理的リスク・機会:「温暖化進行シナリオ」

(1)移行リスク・機会  脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)

 移行リスク・機会については、1.5℃目標達成に向けて、様々な規制などが導入される脱炭素シナリオに基づいて検討しました。中でも、最も大きな影響があると予測される炭素税について、以下の通り試算しました。

 今回は、IEA「World Energy Outlook 2020」を参考に2030年時点の炭素税額を130ドル/トン-CO2と設定し、最大金額でインパクトを試算。炭素税は、事業活動の成長に伴いCO2排出量が増加した場合の単純計算では221.2億円になります。しかし、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』に掲げる通り、CO2排出量を、2030年に2013年度比50%削減することで、炭素税額は119.7億円削減でき、101.5億円になると見込んでいます。さらに、2050年目標であるCO2排出量実質ゼロにむけて取り組みを推進することで、最終的に炭素税の負担はなくなると見込んでいます。

  • 炭素税(2030年の影響) 前提:130ドル/トン-CO2(IEA「World Energy Outlook 2020」の最大金額)
    項目 事業インパクト
    炭素税額 101.5億円

※炭素税の金額は、IEA「World Energy Outlook2020」をもとに最大金額を試算しています。

(2)物理的リスク・機会  温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)

 物理的リスク・機会では、異常気象による自然災害の発生が最も大きなリスクとなります。自然災害は、いつ・どこで発生するか予測が難しく、一度発生すれば、甚大な被害をもたらします。現在、温暖化の進行により、災害をもたらす大雨などの極端な気象現象の発生が増加しています。温暖化進行シナリオでは、この傾向はさらに強まります。そこで、過去の災害発生時の被害金額を踏まえ、最も大きな被害が予想される、首都圏店舗の洪水被害について試算しました。国土交通省のハザードマップから、荒川の氾濫により5ⅿ以上の浸水が発生した場合を想定して、店舗被害や商品損害、休業による売上損失、復旧費用などの被害金額は、111.9億円になると試算しました。

  • 自然災害による被害 前提:首都圏店舗の洪水被害(荒川の氾濫を想定)
    項目 事業インパクト
    店舗被害、商品損害、休業による売上の損失、復旧費用など 111.9億円

※過去の洪水被害の実績から試算。

 次に大きなインパクトをもたらすと考えられる気象パターンの変化による原材料原価の上昇のインパクトは、以下の通り試算しました。仕入金額の構成をもとに、米・海苔・畜産物(牛肉・豚肉・ 鶏肉・卵)を対象に選定。気候変動の影響で収穫量が低下し、その分仕入金額が増加すると仮定して、その増加額を合計57億円と試算。ただし、この試算には、輸入などに関わる影響を含んでいないことから、実際の金額は、この数倍にもなると想定し、 対応策を検討しています。

  • 原材料原価の上昇(2030年の影響)  前提:気候変動により収量が低下したことのみによる原価上昇を試算
    項目 事業インパクト
    米の原材料原価上昇額 22.3億円
    海苔の原材料原価上昇額 19.3億円
    畜産物(牛肉・豚肉・鶏肉・卵)の原材料原価上昇額 15.4億円

※収量の変化は、文部科学省、環境省、気象庁、国立環境研究所、農業・食品産業技術総合研究機構などのデータから試算

(3)リスク・機会への対応策

 リスクを低減し、機会を拡大するために、各部門で議論を重ね、約50の対応策に整理しました。この議論を通じて、脱炭素シナリオ、温暖化進行シナリオともに、『GREEN CHALLENGE 2050』に基づいて進めている環境負荷低減活動が、有効な対策であることが確認できました。

 移行リスクに対しては、『GREEN CHALLENGE 2050』のCO2排出量削減目標の達成により、炭素税の負担を大幅に軽減していきます。また、店舗での省エネや、太陽光発電パネルの設置などのCO2排出量削減活動を積極的に推進することで、電力料金の支払い増加などの移行リスクの軽減も図ります。さらに、サステナブルな商品やサービスへの消費者の行動の変化についても、 『GREEN CHALLENGE 2050』のプラスチック対策や持続可能な調達の取り組みを推進することで、お客様から共感をいただき、機会の拡大につなげます。

 物理的リスクに対しても、自然災害によるリスクを低減するために、『GREEN CHALLENGE 2050』の達成に向けてCO2排出量の削減に積極的に取り組むべきことを確認しました。自然災害が増大するリスクへの対応として、情報共有の仕組みである「7VIEW」で店舗の状況をリアルタイムに把握し、早期復旧を実現する体制を構築します。また、浸水を防ぐ止水板の設置など、対策を着実に進めます。こうした災害対応の充実を図ることで、店舗の営業を早期に再開し、地域のお客様への貢献を続けてまいります。原材料原価の上昇については、安定的な原材料確保のために、産地の分散や国内外のサプライヤーとの連携強化を進めます。例えば、天候に左右されず安定した収穫を見込むことができる屋内型野菜工場からの調達を拡大しています。今後も、生産者・生産地情報の収集に努め、デジタル技術やAIなど先進技術も活用し、原材料原価の上昇リスクの低減に取り組みます。

気候変動に関わるガバナンス

 セブン&アイグループでは、気候変動問題はグループ会社横断で取り組むべき重要課題の1つと考え、取締役会による監督とCSR統括委員会を中心とするガバナンス体制を構築しています。

 取締役会は、気候変動問題を含むサステナビリティに関わる取り組みに関し、年1回以上、CSR統括委員会の事務局であるサステナビリティ推進部より報告を受け、進捗や目標の達成状況を監督し、適宜、方針・取り組みの見直しが行われます。2020年12月、2021年5月には、取締役会において、昨今の1.5℃目標を目指す国際的な潮流、日本政府の2050年のネットゼロ目標決定にあわせ、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』のCO2排出量削減目標を、2030年までに50%、2050年までに排出ゼロに改定する決議を行いました。また、2020年度より役員報酬において、2019年5月に策定した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』におけるCO2排出量の削減目標を非財務指標として、株式報酬の業績評価指標(KPI)に追加しています。

※株式報酬のKPI としての各年度のCO2排出量の目標値は、2018年度実績値から、毎年度均等に排出量を削減して2030年度目標値(グループの店舗運営に伴う排出量を2013年度比50%削減)を達成すると仮定して算出した各年度目標値とします。

 CSR統括委員会は、セブン&アイHLDGS.代表取締役社長を委員長として、グループ会社のCSR推進責任者とセブン&アイHLDGS.のCSR関連部署の責任者が委員として出席し、年2回開催されています。CSR統括委員会のもとには、気候変動問題に対処するための下部組織として、環境部会を設置しています。環境部会は、事業会社の環境部門の責任者によって構成されています。また、CO2排出量削減に向けたグループ横断のイノベーションを生み出していくために、2019年5月の環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の策定とあわせて、主要事業会社の主管部門の執行役員以上をリーダーとするCO2排出量削減チームを発足しました。

 CSR統括委員会は、CO2排出量をはじめとする気候変動問題に関わる指標の推移や緩和策を中心とした取り組みについて報告を受け、部会やグループ各社で実施される対策の承認と必要な助言を行っています。また、こうした気候変動問題を含むサステナビリティに関わる取り組みの進捗は、年1回以上、取締役会に報告しています。

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  • 気候変動に関わる体制と役割
体制 役割 メンバー 2020年度~2021年度の主な活動
取締役会

• 気候変動問題に関する進捗・目標達成 状況に関して年1回以上報告を受け、取り組みを監督

• 方針・重要事項の見直し・決定

取締役

監査役

サステナビリティについて幅広い知見と経験を有する 社内取締役および社外取締役をメンバーとして構成

環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』 CO2排出量削減目標を2050年ネットゼ ロへ見直すことを決議(2021年5月)

CSR統括

委員会

• 年2回開催 • 気候変動問題に関わる指標(CO2排出量など)の推移や緩和・適応策の共有

• 環境部会やグループ会社で実施される取り組みの承認と助言

委員長: セブン&アイHLDGS.代表取締役社長

委員: グループ会社のCSR部門責任者とセブン&アイHLDGS.のCSR関連部署の責任者

• TCFD提言対応状況の確認

• グループ各社の気候変動の緩和・適応 策の共有

環境部会

• CSR統括委員会下部組織

• 年2回開催

• 気候変動問題への対応推進

• TCFD提言への対応推進

部会長: セブン&アイHLDGS.サステナビリティ推進部執行役員

メンバー: グループ会社のCSR部門責任者・気候変動対応実務部門責任者

省エネ・創エネ・再エネ調達の3つの柱に 基づいた活動の推進と情報共有

CO2排出量

削減チーム

• 適宜開催

• CO2排出量削減に向けたグループ会社 間の情報共有

• グループ横断施策の実施

リーダー: グループ会社建築部門執行役員

メンバー: グループ会社CSR部門担当者・気候変動対応実務部門担当者

太陽光発電設備の対応やLED照明の共同購入などグループ横断施策の実施

リスク管理

 セブン&アイHLDGS.では、リスク管理の基本規程に基づき、リスクマネジメント委員会を中核とする統合的なリスク管理体制を構築。気候変動に関わるリスクについても、このリスク管理体制のもとで管理しています。グループ各社は、年2回、グループ共通のリスク分類に基づき、自社のリスクを洗い出し、リスクの影響度・発生可能性を考慮してリスクを定量化。対応策とともにリスク調査票にまとめて、セブン&アイHLDGS.ガバナンス統括部(リスクマネジメント委員会事務局)に提出します。この リスク調査票には、CO2排出規制など気候変動に関わるリスクも含まれます。年2回開催されるリスクマネジメント委員会は、グループ各社から提出されたリスク評価と対策をもとに、グループのリスク状況を網羅的に把握し、リスク管理体制や対応策のモニタリングを継続的に実施しています。

 グループの重大なリスクについては、「リスクが顕在化した際の損害」「リスクの発現の時期」「グループ成長戦略への影響度」「現状のリスクへの対応状況」などを総合的に評価して判断しています。

 こうしたリスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、原則年1回、セブン&アイHLDGS.取締役会に報告が行われています。

TCFD提言への今後の対応

 今回は、グループの営業利益の約6割を占めるセブン‐イレブン・ジャパンのシナリオ分析を深めました。分析により、事業のレジリエンスについて確認できたと考えています。今後は、対応策を着実に実行してまいります。さらに、対象事業会社を拡大し、サプライチェーン全体を視野にいれて、リスク・機会の定量的な把握と実質的な対応策の立案・実行を進めてまいります。

 2100年の気温上昇を1.5℃未満に抑えるための活動を行い、未来世代に豊かな地球環境を繋いでまいります。