環境に配慮した容器・包装の導入

 商品の容器・包装は、商品を保護したり、原材料などの情報を表示したりする重要な役割がありますが、商品使用後には廃棄物となってしまいます。株式会社セブン&アイ・ホールディングスおよびその連結子会社(以下、「当社グループ」)では、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」において、2030年までにオリジナル商品(セブンプレミアムを含む)で使用する容器包装を50%、2050年までに100%環境配慮型素材にすることを目標として掲げ、容器・包装に係る環境負荷の低減を推進しています。

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プラスチック使用量削減の取り組み

 ヨークベニマルでは、生鮮食品の量り売りなど販売方法を工夫し、容器包装の使用量削減を図っています。また、惣菜売場ではコロッケ・天ぷらなどの販売方法について、プラスチック容器を使わない紙袋による販売も拡大しています。そのほか一部店舗では、精肉売場や鮮魚売場で販売している商品の一部で、トレーを使用せずポリ袋包装で販売する方法を採用しています。

  セブン‐イレブン・ジャパンでは、サラダシリーズ「カップデリ」の容器のフタを「トップシール」に変更し、従来の容器に比べ、1個当たり約30%のプラスチック使用量を削減しました。 

「カップデリ」のプラスチック削減量:セブン-イレブン・ジャパン

2021年度 2022年度 2023年度  2024年度

483トン

529トン

667トン

 766トン

  • 従来のカップデリ本体蓋容器との比較

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トレイを使わない包装をした商品の例(鶏肉)

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トップシールを使用した「カップデリ」

 デニーズジャパンは、プラスチック使用量の削減を目的としてホテル事業4社と連携し、自動おしぼり供給機「SAWANNA(サワンナ)」をデニーズの一部店舗(42店)で導入しています。

 現在、デニーズの店舗では紙おしぼりを主にドリンクバーに設置し、お客様に自由にお取りいただく運用となっています。しかし、プラスチック使用量の削減のほか、人数以上にテーブルにお持ちになられた紙おしぼりが未使用のまま廃棄されている状況が課題でした。

 自動おしぼり供給機「SAWANNA」は、手をかざすだけでウエットの紙おしぼりが出てくる仕組みとなっており、従来の紙おしぼりのようにプラスチックの包材を必要としません。この取り組みにより、導入1店舗当たり年間60キロのプラスチック使用量削減につながっています。

リサイクル可能な包材への変更

 2015年7月からは、「セブンプレミアム」の紙パックの酒類各種を従来のアルミパック素材からノンアルミパック素材に変更しました。この変更により、容器は紙パックとしてのリサイクルが可能となります。また、原材料調達や製造工程における1本当たりのCO2排出量が、従来のアルミパックと比較して約12%少なくなります。なお、この取り組みにより、年間で約250トンのCO2排出量削減効果があり、これは杉の木約18,000本分のCO2吸収量に相当します。

識別マークも「紙マーク」から「紙パックマーク」へ変更

バイオマス原料の活用

 セブン‐イレブン・ジャパンでは、2015年度から、店舗のチルドケースで販売しているオリジナルの「サラダカップ容器」を、石油由来のPET容器から「環境配慮型PET(リサイクルPET、バイオマスPET)」を配合した容器へ切り替えています。同様に、イトーヨーカ堂でも、カットフルーツ用の容器や弁当容器には、原料の一部に植物性由来の原料が使用されているバイオプラスチック容器を使用しています。

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環境配慮型PETを使った「サラダカップ容器」の一例

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バイオプラスチック容器に入ったカットフルーツ

パッケージ印刷に「ライスインキ」を採用

 セブン-イレブン・ジャパンは、2016年4月から、店舗で販売している「おにぎり」のパッケージの印刷に、米ぬかから抽出する米ぬか油の非食用部分を原料とする「ライスインキ」を使用しています。「ライスインキ」は、従来の石油を原料としたインキと比較し、CO2排出量を削減するなど環境負荷の低減となります(一部、紙製包材ではボタニカルインキを使用)。また、原料となる米ぬか油には国産の米ぬかを使用しており、パッケージにおける地産地消の取り組みにもつながっています。

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植物由来原材料を使用したパッケージと「ライスインキ」印刷

紙製容器を導入

 セブン- イレブン・ジャパンでは、2020年6月から、「チルド弁当」の容器を従来のプラスチック製から紙製に切り替えています。また、サンドイッチのパッケージのフィルム素材を使用していた部分に、紙素材を組み合わせることにより、プラスチック使用量を約40%削減しました。

チルド弁当のプラスチック削減量

2021年度 2022年度 2023年度  2024年度

826トン

848トン

886トン

761トン 

  • 従来のプラスチックを使用した容器との比較

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チルド弁当用の紙容器

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赤枠部分に紙素材を組み合わせたパッケージ

容器・包装に間伐材を利用

 「セブンプレミアム」のヨーグルト飲料の一部の容器・包装に「セブンの森」の間伐材を利用しています。日本では整備されずに放置された人工林が多く、CO2排出量の吸収など森林が持っている機能が十分に果たされていない現状があり、間伐材の利用は、健全な森づくりと地球温暖化防止に貢献できます。

リサイクル素材を導入

 イトーヨーカ堂では、エコマーク認証を受けたお取引先様が製造する再生トレイの導入を進めています。また、グループのプライベート商品「セブンプレミアム」では、一部商品のパッケージのフィルムにリサイクルペットを一部使用しています。

再生トレイ導入によるCO2排出量の抑制

2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 

約2,500トン

約2,500トン

約2,700トン

 約3,000トン

再生トレイ

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ペットボトルのリサイクル素材を採用したパッケージ

「セブンカフェ」の環境配慮

 多くのお客様からご支持いただいているセブンカフェでは、さまざまな方法で環境配慮を進めています。例えば、ホットカップの外側のスリーブ部には間伐材を使用。アイスカップにはリサイクルPETを配合した素材を採用しています。そのほか、軽量化・薄肉化などで限りある資源の使用を削減しています。セブンカフェの環境対応を推進しています。

 また、2017年度に一部の店舗から回収したコーヒーかすをリサイクルした「消臭除菌剤」を開発し、セブン-イレブン店舗での清掃用として導入しています。

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「セブンカフェ」の環境配慮

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コーヒーかすをリサイクルした「消臭除菌剤」

環境配慮型カトラリーを全国の店舗に導入

 セブン-イレブン・ジャパンは、石油由来プラスチックの使用量削減を目指し、不要なフォークやスプーン(カトラリー)の配布を低減するために、以前からお客様へお声がけしてきました。また、2022年4月から施行された「プラスチック資源循環促進法」に合わせ、カトラリーの原料を植物由来(バイオマス)素材を30%配合したものを開発。環境配慮型カトラリーとして全国に展開しています。

 イトーヨーカ堂でも、レジで配布している先割れスプーン、フォークなどは、バイオマス25%配合したプラスチック製カトラリーを採用しており、石油由来のプラスチック削減に取り組んでいます。

グリーンナノ入り肌着パッケージの導入

 当社グループは、グループのプライベートブランド「セブンプレミアム」の肌着に関して、商品のパッケージをグリーンナノ素材に変更し、焼却時のCO2排出削減に取り組んでいます。

※ グリーンナノとは、プラスチックの原材料にわずかな量を加えるだけで、燃焼時に発生するCO₂排出量を大幅に削減する日本発の技術

グリーンナノ入りパッケージの使用数量

2021年度 2022年度 2023年度  2024年度

約500万点

約480万点

約450万点

 約420万点


オリジナル商品に使用する環境に配慮した容器・包装材の使用量

【紙・ガラス】

素材 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
20,257t

19,982t

22,550t 21,166t
うち、認証紙の割合 46.5%

52.5%

39.6% 40.3%
ガラス 6,441t

6,108t

5,178t 4,442t
うち、リサイクル素材の割合

69.0%

73.4% 75.4% 78.5%


  1. 公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会年次報告書から算出
  2. ガラスのリサイクル素材割合は、ガラスびん3R推進協議会年次報告から算出
  3. セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、ピースデリ、赤ちゃん本舗、デニーズジャパンの6社合計

【環境に配慮したプラスチックの使用量】(単位:t)

種類 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度

バイオマス

901

1,016

1,172 11,531
生分解性 1

9

5 594
リサイクル 11,110

17,363

25,429 26,932
合計

12,012

18,389 26,607  28,681


  1. セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、ピースデリ、赤ちゃん本舗、デニーズジャパンの6社合計
  2. 数値は四捨五入されているため、合計が一致しない場合があります

重点課題3の取り組み