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重点課題 5 グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する

従業員の能力向上支援

 セブン&アイグループは、企業価値向上における源は「人財」にあり、さらなる成長のためには「自ら考えて、自ら行動する人財」が不可欠であると考えています。グループの創業理念であり社是である「信頼と誠実」を礎に従業員の育成・教育に取り組むなど、常に人財に注力し、グループ各社においても、それぞれの事業に適した人財の育成を行っています。

 また、セブン&アイHLDGS.は、2020年に人事企画部から教育機能を組織として独立させ、グループ従業員の能力開発と育成を推進する「人財共育部」を設置しました。グループ各社の従業員の成長支援施策を後押しし、価値創造の担い手である従業員一人ひとりの能力開発と自律的な学びを支援しています。

  • SDGs4 質の高い教育をみんなに
  • SDGs8 働きがいも経済成長も
  • SDGs10 人や国の不平等をなくそう

自律的な学びの支援と能力開発

 セブン&アイグループは、中期経営計画に基づき、会社と従業員がともに成長できる組織づくり、誰もが働きやすい職場づくりを目指しています。多様な従業員が能力を発揮し、働きがいを感じながら働いていただくため、一人ひとりの従業員の能力開発と、自律的な学びの支援を推進しています。

 創業理念である「信頼と誠実」の精神の理解を深め、次世代を担う人財を育成するグループの教育施設として活用しているのが2012年に開設した「伊藤研修センター」です。同研修センターには史料室を併設しており、グループの理念や挑戦・革新の歴史を学ぶ場として活用しています。また、グループ各社の事業特性に合わせ、販売や調理などの専門技術を習得するための研修室も設置しています。形式にとらわれず、自由で動きのある研修にも対応できる可動デスクや階段型スツール、快適なオンライン研修をサポートするリモートカメラ、タブレットなどの導入を進めるなど、従業員が積極的に学べる環境づくりに取り組んでおり、これまでに延べ約44万人の従業員が利用しています。

伊藤研修センター

 セブン&アイグループ各社においては、管理職層へのリーダーシップ・マネジメント力の向上を図る各種階層別の研修のほか、職務に応じたスキル・技能研修や自己啓発など、事業特性に応じて研修体系を整備し、パートタイマーを含めた一人ひとりの能力開発とキャリア形成に努めています。2022年度におけるグループ社員1人当たりの教育費は、約12万円、1人当たりの教育時間は41時間でした。

  •  グループ3社(セブン&アイHLDGS.、セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー)の月給制社員対象

さまざまな成長機会の提供

 セブン&アイグループは、グループ横断での研修のほか、グループ各社が事業特性に応じて整備した多様な研修を実施しています。

リーダーシップの開発

 セブン&アイHLDGS.では、グループ各社から選抜した幹部社員を対象に次期経営リーダー育成プログラムを実施しています。この研修は、講師陣から経営の理論と実践を学び、ディスカッションなどを行うもので、2012年の開始以来、2023年2月末までに約270名が参加しました。

 また、グループ各社ではマネジメント職に対して360度フィードバックの導入を進めています。自身の行動について上長、同僚、メンバーから多面的なフィードバックを得て、強みや課題を把握することは、行動変容や風通しの良いコミュニケーションにつながることから、定期的に実施しています。

加盟店従業員向け接客研修の開催

 セブン‐イレブン・ジャパンでは、店舗の新人従業員向けの「新人研修」、加盟店従業員の模範となるシフトリーダーの育成を目的とした「シフトリーダー研修」を開催しています。シフトリーダー研修の受講者には、修了証書と名札用ホルダーを進呈しています。

 2022年度は、各研修合計で10,459回開催し、38,716人が受講しました。研修を通して、加盟店オーナー様の従業員教育をバックアップするとともに、多くの従業員の働きがいと店舗における接客レベルの向上を図っています。

加盟店従業員向け研修の内容seminar_leaders.png

シフトリーダー研修風景.jpg

シフトリーダー研修

職務に応じた研修の実施

 イトーヨーカドーは、パートタイマーを含む全従業員に対し、会社の方針や商売の基本、仕事に必要な知識・技術を学ぶ「入社時研修」を開催しています。さらに所属部門の商品知識や、接客応対・生鮮技術のレベルアップを目的に、店舗でのOJTにつなげるための研修を継続的に実施し、従業員のスキルアップをサポートしています。そのほか、新入社員から売場担当者、売場マネジャー、統括マネジャー、店長に至るまで、その職務に応じた「売場管理」や「マネジメントスキル」を段階的に身に付ける研修や、本人の学ぶ意欲を引き出しながら次の役職に向けた事前のスキルアップ研修も実施しています。

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研修の様子

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「目標設定カルテ」の運用

 ヨークベニマルは、従業員一人ひとりの現在の技術・能力や今後習得すべき教育上の課題と目標を従業員個人とその上長で明確にするため、「目標設定カルテ」を運用しています。「目標設定カルテ」は、接客や売場管理、発注、調理技術など、業務遂行に必要な項目が細かく設定されており、0~5までの6段階で個人の技術・能力を診断。担当社員・パートタイマー向けの「技術編」については、担当している業務の特性・取扱商品に応じて部門ごとに診断項目を設定しています。また、店長、副店長、CS(カスタマーサービス)統括マネジャー・部門マネジャーなど店舗責任者の管理能力の向上と標準化を目指した「マネジメント編」も設定しています。 従業員は、このカルテをもとに、自分のレベルを上長と確認し、年2回、上長と進捗状況を共有して次の目標を設定することで、自分の成長を確認するとともに、モチベーションの向上を図っています。

新規入社者へのオンライン研修

 赤ちゃん本舗は、新規入社パートタイマーに向けた「オンライン店舗入社時研修」を本社研修部門が開催。これは座学の研修で、すべての入社者を対象に会社の方針や業務の基本について学ぶ機会としています。その後、店舗では研修計画に基づいてOJTを実施し、3カ月かけて基礎知識の定着を図っています。また、「3カ月フォロー共有会」も行い、入社後に抱える悩みの解消に努めるなど、入社後長く働き続けられるサポート体制を整えています。

自己啓発研修

 セブン&アイグループは、従業員が自ら学べる機会を提供するため、ビジネススキルや知識に関する通信教育やeラーニングを受講する従業員に対して費用の補助などを行っています。

通信教育の受講支援

 イトーヨーカドーは、パートタイマーを含む全従業員に対して306種類の通信教育の講座を提案し、修了者には一部費用を補助しています。2022年度は306人が受講しました。

自己啓発講座の開催

 セブン銀行は、従業員が業務遂行に必要な知識・スキルを習得できるよう、通信教育(英語、金融知識など)、オンライン講座(ビジネス知識、IT/DX領域)、通学講座(MBAなど)などの環境を整備し、「社員の自律的な学び」を支援しています。講座数は約240種類に及び、多くの従業員が受講しています。

人材公募制度の運用

 セブン&アイHLDGS.は、グループ従業員一人ひとりの多様なキャリア形成の支援を目的に、グループ事業会社の垣根を越えて公募されている職種に応募できる「グループ人材公募制度」を年1回実施しています。毎年多くの従業員が制度に応募し、これまで培った経験を活かしながら、新たなフィールドで活躍しています。

 また、グループ各社でも社内公募制度を導入しており、例えば、イトーヨーカドーでは、入社満1年以上の従業員であれば業務経験や年功を問わず、すべての管理職ポストと職種に立候補できます。直近3年間で218人が応募し、うち51人が希望の役職や職種に就きました。

重点課題5の取り組み