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重点課題 3地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する

資源の有効活用

 世界人口の急速な増加と都市化の進展、新興国・途上国の急速な経済成長などを受けて、暮らしに不可欠な天然資源の枯渇が問題となっています。セブン&アイグループは、資源を有効に活用する循環経済社会を目指すべき社会の姿と考え、お客様・お取引先様と連携して、廃棄物の削減、資源の店頭回収・リサイクルの推進、再生素材の活用などに取り組んでいます。

 昨今、関心が高まっているプラスチック問題に対しては、セブン&アイグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」において、オリジナル商品の容器・包装を2030年までに50%、2050年に100%を環境配慮型素材に置き換えることを目標として掲げています。また、レジ袋の削減については、プラスチック製レジ袋の使用量を2030年までにゼロにすること、使用するレジ袋の素材は、紙などの持続可能な天然素材にすることを目指しています。

  • SDGs12 つくる責任 つかう責任  
  • sdgs_14.png

店頭での資源回収

 セブン&アイグループでは、販売した商品の空容器などを回収して再資源化を図ることも重要な取り組みだと考えています。グループ各社では、お客様や自治体と協力し、各地域の廃棄物分類ルールに従って、店頭でビン・カン、発砲スチロール、紙パック、ペットボトルなどの資源回収に取り組んでいます。また、近年、「都市鉱山」として注目を集めている小型家電についても、自治体と協力して一部店舗で回収を実施しています。

 イトーヨーカドー曳舟店では、2020年10月から花王・ライオンが協働で実施するリサイクル実証実験の場を提供するなど、サーキュラーエコノミー推進のための新たな取り組みを展開しています。また、2023年9月からはイトーヨーカドー横浜別所店でケミカルリサイクルへの適用を見据えた食品用容器の回収実証を(株)アールプラスジャパンと協働でスタートしました。

  • 使用済みプラスチックの再生を目指し、環境負荷の少ない効率的な再資源化技術の開発と、その実用化に取り組んでいる 40 社による共同出資会社

ペットボトル回収機を設置

 イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークでは、2012年からペットボトル回収機を店頭に設置しています。店頭で回収機に投入されたペットボトルは、自動的に異物の除去・減容(圧縮または破砕)されるため、店舗からリサイクル工場まで一度で大量に輸送することができ、配送回数を削減できます。さらに、セブン&アイグループの物流ルートを活用することで、より効率的な輸送が可能となり、配送に関わるCO2排出量の削減につながります。

 回収されたペットボトルは国内でペットボトルなどに再生されます。こうしたペットボトルからペットボトルへの「循環型リサイクル」システムは、国内の大手小売チェーン全体としては初めての取り組みです。

 セブン‐イレブン・ジャパンでも、2015年12月より、東京都江東区内の5店舗でペットボトル回収機の実証実験を実施し、その後2017年12月から東京都と埼玉県の店舗に順次拡大しています。また、2019年6月から東京都東大和市、東大和市清掃事業協同組合、日本財団と連携し、東大和市内のセブン‐イレブン全店に「ボトル to ボトル」のリサイクル促進を目的としたペットボトル回収機を設置しました。さらに、2019年9月に沖縄県の店舗へ設置を開始、2020年1月には政令指定都市で初めて横浜市へペットボトル回収機の設置を開始しました。

 2023年2月末現在、回収機は4社合計で3,174台設置しており、2022年度は約12,400トンのペットボトルを回収しました。 さらに、店頭で回収したペットボトルをリサイクルした「ボトル to ボトル」のプライベート商品を販売しています。これらの商品を通じて、お客様の循環型リサイクルへの理解促進と啓発に取り組んでいます。

回収機を活用したペットボトルのリサイクルシステム

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2021ペットボトル回収の様子(SEJ).jpg

コンビニ用小型ペットボトル回収機

2018年度 2019年度 2020年度

2021

年度

2022

年度

回収量

(トン)

8,900 9,740 8,700 10,800 12,400

設置数

(台)

759 820 1,001 2,098 3,174


ペットボトル回収機の設置台数と回収量

完全循環型ペットボトルリサイクルの実現

 セブン&アイグループは、2019年6月から店頭のペットボトル回収機で回収したペットボトルを100%使用し、再びペットボトルにリサイクルした「セブンプレミアム一(はじめ)緑茶 一日一本」の発売を開始しました。特定の流通グループの店頭で回収したペットボトルをリサイクルし、同一の流通グループにおいて再び商品として販売する取り組みは世界初となります。

  • 2019年6月5日時点。日本コカ・コーラおよびセブン&アイHLDGS.調べ

再生PET素材の衣料品への活用

 セブン&アイグループでは、ペットボトル回収の促進とあわせて、再生PET素材の活用拡大に取り組んでいます。2020年2月には、グループの店頭に設置したペットボトル回収機で回収されたペットボトルを活用し、そのペットボトルを原料とする再生糸を使用した肌着「セブンプレミアム ライフスタイル ボディクーラー」の販売を全国のイトーヨーカドー、ヨークベニマルの各店舗で開始しました。

 イトーヨーカドーでは、2023年2月末現在、この再生素材を使った衣料品を約220アイテム取扱っており、イトーヨーカドーの肌着分類で約16%の売上構成を占めています。今後も再生ペットボトル素材を使用した商品開発を継続していく計画です。

衣料リサイクルスキーム.png

レジ袋の削減を推進

 セブン&アイグループは、会計時レジでのお客様への声かけのほか、マイバッグ持参をお願いするポスターやPOPの掲出、啓発イベントなどを通じてレジ袋の削減を進めてきました。 2020年7月に「プラスチック製買物袋有料化」が開始し、2023年2月末のグループ全体のレジ袋辞退率は80%弱となっています。

 セブン‐イレブン・ジャパンは、石油由来のプラスチック使用量のさらなる削減に取り組むため、植物由来のバイオマスポリエチレンを30%配合したレジ袋の使用を全国約21,000店に推奨しています。有料化前に約30%だったレジ袋辞退率は約70%に伸長しました(2023年2月末時点)。レジ袋の販売による「本部収益相当額」は、ペットボトル回収機の設置費用などの一部として活用しています。

廃棄物の削減

 イトーヨーカドーは、廃棄物量の削減のために発生抑制や再利用、リサイクルを進めています。例えば、商品納品の際には、繰り返し使うことができる「通い箱」を利用するほか、衣料品のハンガー納品を推奨することで包装材やダンボールの使用を削減しています。また、店舗ではリサイクルへの理解を促進するため、廃棄物の分別を徹底しています。

2021出荷作業(IY).jpg

物流センターでの出荷作業

2021通い箱納品(IY).png

店舗に納品される「通い箱」

閉店店舗の設備を再利用

 セブン-イレブン・ジャパンは、閉店した店舗の冷蔵ケースなどの店内設備を回収し、清掃・整備・点検を終えた後、新たな店舗でのリユース(再使用)を進めています。

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重点課題3の取り組み