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- 品質管理体制の構築
セブン&アイHLDGS. は、安全・安心な商品をお客様に提供するために、国際的な品質・衛生に関する管理マネジメントシステム規格や管理手法の導入に取り組んでいます。
セブン&アイグループ各社では、商品を仕入れる際に、品質管理部署が確認し、安全性が確保された商品を取扱っています。セブン&アイHLDGS. は、グループの一つの会社で起きた商品事故が、グループ全体に影響を及ぼすことを認識し、品質管理の体制整備。グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の開発部門をはじめ、食品を扱うグループ会社12社、衣料品・住まいの品を扱うグループ会社10社の品質管理責任者が定期的に集まり、方針や情報を共有することで、事故の未然防止と事故発生時の迅速な対応を強化しています。具体的には、グループ各社において以下のような品質管理の基盤を整備しています。
品質管理の基盤整備
セブン&アイグループでは、商品事故を未然に防ぐために、商品の開発・仕入れを担当するマーチャンダイザーや売場の担当者に対して、品質管理に関する従業員教育を実施しています。2020年度は、セブン&アイHLDGS.および食品を取り扱うグループ各社の食品の仕入担当者497名が、栄養表示研修や原産地・添加物表示研修を受講。さらに、セブン&アイグループは研修内容について見直しを行い、将来の品質管理をけん引する人材の育成を目標に、教育カリキュラムの構築を進めています。
2020年6月にHACCP※1の制度化が施行(食品衛生法改正)されたことを受け、同月にHACCPの重要性、食品の製造・加工における注意点などに関する食品HACCP研修※2を1,210人へ実施しました。また、衣料品や住まいの品の担当者に対して、グループ全体で外部の検査機関による「繊維研修」、「薬機法研修」を実施しています。
「繊維研修」は、繊維製品(衣料品・寝具など)の担当者を対象に、新任の担当者には「繊維基礎研修」を、既存の担当者には「繊維素材研修」「繊維縫製研修」を実施しています。家庭用品品質表示法などの法令をはじめ、糸 → 織物・編み物 → 染色 → 縫製 → 検品という衣料品ができるまでの流れや、製造工場の工程管理、不良品事故のケーススタディなどの知識の習得を図ることにより、安全で上質な商品をお客様に提供することを目指しています。
2020年度 セブン&アイHLDGS.で実施した研修受講実績
研修内容 | 受講人数 | 受講率 | 受講対象者 |
---|---|---|---|
栄養表示研修※1 | 498人 |
100% |
食品の仕入担当者 |
原産地・添加物表示研修※1 | 497人 |
99% |
食品の仕入担当者 |
繊維の基礎知識研修※2 | 231人 |
94% |
衣料・寝具など繊維製品仕入担当者 |
染色・プリントの知識研修※2 | 228人 |
93% |
衣料・寝具など繊維製品仕入担当者 |
工程・検品の知識研修※2 | 79人 |
88% |
衣料・寝具など繊維製品仕入担当者 |
クレーム品研修(ディスカッション)※2 | 60人 | 98% | 衣料・寝具など繊維製品仕入担当者 |
清潔機能の知識研修※2 | 160人 | 84% | 衣料・住まいの品仕入担当者 |
抗ウィルス・表示の知識研修※2 | 154人 | 81% | 衣料・住まいの品仕入担当者 |
薬機法研修※2 | 105人 | 73% | 衣料・住まいの品仕入担当者 |
セブン&アイグループでは、食品・衣料品・住まいの品などについて品質管理を強化するために、各種品質マネジメントを取得しています。
セブン&アイHLDGS.は、日本国内での輸入食品の取扱いの増大(グローバル化)への対応と、国内の食品安全管理の向上を目的として、食品関係企業と農林水産省、大学の研究者の連携により、日本発の食品安全マネジメント規格の運営主体として2016年に設立された一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)※1の設立にあたり、国内外の食品メーカーとともに設立者の1社となりました。同協会が開発したJFS規格※2を活用することにより、サプライチェーンを構築する小売りグループとして食品の品質向上を目指しています。
現在、食品を取扱うグループ8社※3がJFSM会員になり、グループ内の食品安全管理レベルの向上を推進しています。また、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」やセブン-イレブンのお弁当、おにぎり、サンドイッチ、惣菜、麺類、パン・ペストリーなどのフレッシュフードを製造している工場に対して、JFS規格の認証・適合証明の取得を進めています。
セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデン、そごう・西武、ごっつお便、セブン&アイ・フードシステムズ
セブン-イレブン・ジャパンでは、商品製造時の品質管理レベル向上を目的に食品の衛生管理手法であるHACCPを1997年から採用しています。日本デリカフーズ協同組合(NDF)※1では、多品種少量生産、労働集約型産業に即した独自の「NDF‐HACCP認証制度」を構築し、すべての製造工場にて認定を取得しています。さらに、2018年10月には、国際基準HACCPの制度化に対応すべく、認証制度を「NDF-FSMS認証制度※2」に改正し、2020年3月には、お弁当やおにぎり、サンドイッチ、惣菜、麺類、パン・ペストリーなどのオリジナル商品を製造するすべての工場が認証・適合証明を取得しました。(2021年3月末の工場数:176工場)
同様に、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」を製造するすべての工場において、ISO22000、FSSC22000、JFS規格など、コーデックスHACCPを含む国際標準に整合した食品安全マネジメント規格の認証・適合証明の取得を進めています。(2021年3月末現在、92%の製造工場が取得完了)
FSMS:食品安全マネジメントシステム(Food Safety Management System)。安全・安心な食品を消費者に届けるために、食品安全を脅かすハザード(危害)を適切に管理する仕組み
イトーヨーカドーは、プライベートブランド「顔が見える野菜。」「顔が見える果物。」のさらなる品質管理レベル向上を目的に、農業生産工程管理手法の一つであるGAP認証(Good Agricultural Practice)の取得を推奨しています。GAP認証とは、安全性向上や環境保全を図るために日々の農場管理の中で実践すべき基準を定めたもので、2021年2月末現在、224名の生産者が認証を取得しており、今後も継続して進めていきます
ヨークベニマルは、2018年3月にヨークベニマル大槻店(福島県郡山市)において、国際的な食品安全マネジメントシステムである「ISO22000」の認証を取得。その後、認証範囲をヨークベニマル本部まで拡大しました。今後は、認証取得の経験を活かし、各店舗の従業員教育を実施するとともに、HACCPシステムを全店に導入し、商品の仕入れから販売までの品質改善を一層進めながら、地域のお客様の食卓のさらなる安全・安心を実現します。
また、ヨークでは、2020年4月にヨークマート練馬平和台店がISO取得の足掛かりとして位置づけられている東京都の食品衛生マイスター制度の1年更新審査に合格しました。
なお、グループの食品製造メーカーであるアイワイフーズは、2016年8月にISO22000の認証を取得しました。
セブン&アイ・フードシステムズは、衛生管理部署のQC室が品質マネジメントに関わる国際標準規格「ISO9001」の認証を取得しており、このシステムを活用して、店舗での衛生管理と従業員教育に努めています(適用範囲は「店舗における食品衛生管理システムの規格と提供」)。
衛生管理については、誰もが実行できるわかりやすい鮮度管理に重点を置くとともに、QC室などによる店舗チェックと合わせ、第三者の衛生検査機関による抜き打ちの店舗衛生検査(ふき取り検査)を実施しています。また、店舗従業員への衛生管理研修を定期的に実施することにより、衛生管理のレベルアップを図っています。
セブン&アイグループが販売している衣料品・住まいの品については、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」をはじめ、グループ各社のプライベートブランド商品などがあります。こうした商品の安全性を確保するため、国内外の製造工場に対して工程監査を実施しています。(2020年度はCOVID-19の影響で実施なし。)
衣料品・住まいの品の製造工場に対しては、品質管理レベルを担保する公的認証が存在しないため、セブン&アイHLDGS.は独自の基準を策定し、グループ各社はその基準に基づいて外部の専門機関による監査を実施しています。セブン&アイHLDGS.では、監査の結果が一定の基準をクリアした工場に対して、工程監査「適合認証書」を発行しています。
適合認証書
セブン&アイHLDGS.では商品事故や商品不良がグループ内で発生したケースを想定し、定期的な演習を実施することで、事故発生から調査、報告、是正までの流れをセブン&アイHLDGS.と各グループ会社で相互に確認、事故対応体制の有効性を確認しています。万が一、商品事故が発生した場合には、速やかに社長に報告した上で是正対応を検討・決定し、品質管理の専門部署が是正措置実施と是正措置完了の確認を行っています。
イトーヨーカドーは経済産業省が主催する製品安全対策優良企業表彰※1において、 経済産業大臣賞を受賞。3度の大臣賞受賞により、2015年度に総合スーパーとして初の製品安全対策ゴールド企業※2に認定されました。2021年3月にフォローアップ審査を受審し、ゴールド認定の更新が承認され、ロゴマークに星印が付与されました。
製品安全対策ゴールド企業(星印付き)