重点課題 2 商品や店舗を通じた安全・安心の提供

品質管理体制の構築

 セブン&アイHLDGS. は、安全・安心な商品をお客様に提供するために、国際的な品質・衛生に関する管理マネジメントシステム規格や管理手法の導入に取り組んでいます。

  • SDGs2 飢餓をゼロに

グループ各社の品質管理の基盤整備

 セブン&アイHLDGS. では、グループの一つの会社で起きた商品事故が、グループ全体に影響を及ぼすことを認識し、品質管理の体制整備を進めています。グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の開発部門をはじめ、食品を扱うグループ会社12社、衣料品・住まいの品を扱うグループ会社10社の品質管理責任者が定期的に集まり、方針や情報を共有することで、事故の未然防止と事故発生時の迅速な対応を強化しています。具体的には、グループ各社において以下のような品質管理の基盤を整備しています。

品質管理の基盤整備

  • 専門部署として客観的に事故への対応を判断できる体制
  • 重大事故発生時の経営トップへの迅速な報告体制
  • 重大事故発生時の商品回収・販売継続判断のガイドライン策定

品質管理に関する従業員教育

 セブン&アイグループでは、商品事故を未然に防ぐために、商品の開発・仕入れを担当するマーチャンダイザーや売場の担当者に対して、品質管理に関する従業員教育を実施しています。セブン&アイHLDGS.および食品を取扱うグループ各社では、グループ各社の食品の店内調理担当者全員に対して、毎年、食物アレルギーの表示方法、アレルギー事故を防ぐためのルールなどについて継続的に「食物アレルギー研修」を実施しています。

 セブン&アイHLDGS.では、2019年度に食物アレルギー研修を対象者1,651人へ実施しました。2020年には、HACCP※1が制度化されるため(食品衛生法改正)、2020年6月にHACCPの重要性、食品の製造・加工における注意点などに関する食品HACCP研修※2を1,210人へ実施しました。また、衣料品や住まいの品の担当者に対して、グループ全体で外部の検査機関による「繊維研修」、「薬機法研修」を実施しています。

 「繊維研修」は、繊維製品(衣料品・寝具など)の担当者を対象に、新任の担当者には「繊維基礎研修」を、既存の担当者には「繊維素材研修」「繊維縫製研修」を実施しています。家庭用品品質表示法などの法令をはじめ、糸 → 織物・編み物 → 染色 → 縫製 → 検品という衣料品ができるまでの流れや、製造工場の工程管理、不良品事故のケーススタディなどの知識の習得を図ることにより、安全で上質な商品をお客様に提供することを目指しています。

  • HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point):原材料の受け入れから最終製品までの各工程の危害要因を分析した上で、危害の防止につながる、特に重要な工程を継続的に監視・記録する工程管理システム
  • 食品HACCP(eラーニング)研修の対象事業会社 :ヨークマート、シェルガーデン、そごう・西武、ごっつお便(※そのほかの食品を取扱う事業会社は各社ごとのメニューでHACCP研修を実施)

2019年度 セブン&アイHLDGS.で実施した研修受講実績

研修内容 受講人数 受講率 受講対象者
食物アレルギー研修※1 1,651人

100%

食品の店内調理等担当者
繊維基礎研修※2 58人 64% 衣料・寝具など繊維製品仕入担当者
繊維素材研修※2 55人 44% 衣料・寝具など繊維製品仕入担当者
繊維縫製研修※2 62人 39% 衣料・寝具など繊維製品仕入担当者
薬機法研修 205人 64% 衣料・住まいの品仕入担当者
  • 食物アレルギー(eラーニング)研修の対象事業会社:ヨークマート、シェルガーデン、アイワイフーズ、そごう・西武、ごっつお便(※そのほかの食品を取扱う事業会社は各社ごとのメニューでアレルギー研修を実施)
  • 繊維(基礎・素材・縫製)研修・薬機法研修の対象事業会社:セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、そごう・西武、赤ちゃん本舗、ロフト、 ニッセン、バーニーズジャパン、オッシュマンズ・ジャパン

食品の安全や品質管理に関する業界団体への参画

 セブン&アイHLDGS.は、日本国内での輸入食品の取扱いの増大(グローバル化)への対応と、国内の食品安全管理の向上を目的として、食品関係企業と農林水産省、大学の研究者の連携により、日本発の食品安全マネジメント規格の運営主体として2016年に設立された一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)※1の設立にあたり、国内外の食品メーカーとともに設立者の1社となりました。同協会が開発したJFS規格※2を活用することにより、サプライチェーンを構築する小売りグループとして食品の品質向上を目指しています。

 現在、食品を取扱うグループ8社※3がJFSM会員になり、グループ内の食品安全管理レベルの向上を推進しています。また、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」やセブン-イレブンのお弁当、おにぎり、サンドイッチ、惣菜、麺類、パン・ペストリーなどのオリジナルデイリー商品を製造している工場に対して、JFS規格の認証・適合証明の取得を進めています。

  • 日本発の食品安全マネジメント規格(JFS規格)とその認証・適合証明の仕組みの構築・運営を行う機関
  • JFSMが開発したコーデックスHACCPを含む国際標準に整合した日本発の食品安全マネジメント規格
  • セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデン、そごう・西武、ごっつお便、セブン&アイ・フードシステムズ

国際標準に整合した食品安全マネジメント規格の認証取得

 セブン-イレブン・ジャパンでは、商品製造時の品質管理レベル向上を目的に食品の衛生管理手法であるHACCPを1997年から採用しています。日本デリカフーズ協同組合(NDF)※1では、多品種少量生産、労働集約型産業に即した独自の「NDF-HACCP認証制度」を構築し、すべての製造工場にて認定を取得しています。さらに、2018年10月には、HACCPの制度化に対応すべく、国際標準に整合したJFS規格※2の認証・適合証明を取得する目標を掲げました。そして、2020年3月には、お弁当やおにぎり、サンドイッチ、惣菜、麺類、パン・ペストリーなどのオリジナル商品を製造するすべての専用工場(165工場)が認証・適合証明を取得しました。同様に、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」を製造するすべての製造工場において、ISO22000、FSSC22000、JFS規格など、コーデックスHACCPを含む国際標準に整合した食品安全マネジメント規格の認証・適合証明の取得を進めています。(2020年3月末現在、68%の製造工場が取得完了)

  1. 日本デリカフーズ協同組合(NDF):デイリー商品の製造工場における衛生管理レベルの向上や、地区による商品品質の差をなくすために1979年に結成
  2. JFS規格: 一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が開発した、コーデックスHACCPを含む国際標準に整合した日本発の食品安全マネジメント規格

製造工場の工程監査「適合認証書」の発行

 セブン&アイグループでは、衣料品・住まいの品について、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」をはじめ、グループ各社においてもプライベートブランド商品を販売しており、安全・安心な商品を提供するため、国内外の製造工場に対して工程監査を実施しています。(2019年度は、22工場で監査を実施)

 衣料品・住まいの品の製造工場に対しては、品質管理レベルを担保する公的認証が存在しないため、セブン&アイHLDGS.は独自の基準を策定し、グループ各社はその基準に基づいて外部の専門機関による監査を実施しています。セブン&アイHLDGS.では、監査の結果が一定の基準をクリアした工場に対して、工程監査「適合認証書」を発行しています。

衣住適合認証.jpg

適合認証書

GAP認証取得

 イトーヨーカドーでは、プライベートブランド「顔が見える野菜。」「顔が見える果物。」のさらなる品質管理レベル向上を目的に、農業生産工程管理手法の一つであるGAP認証(Good Agricultural Practice)の取得を推奨しています。GAP認証とは、安全性向上や環境保全を図るために日々の農場管理の中で実践すべき基準を定めたもので、2020年2月末現在、200名の生産者が認証を取得しており、今後も継続して進めていきます。

ISO22000の認証取得

 ヨークベニマルでは、ヨークベニマル大槻店(福島県郡山市)において、国際的な食品安全マネジメントシステムである「ISO22000」の認証を取得しました。今後は、ISO22000の認証取得の経験を活かし、各店舗の従業員教育を実施しながらHACCPシステムを全店に導入し、地域のお客様の食卓のさらなる安全・安心を実現するとともに、商品の仕入れから販売までの品質改善により一層努めます。

 また、グループの食品製造メーカーであるアイワイフーズは、2016年8月にISO22000の認証を取得しました。

ISO9001をふまえた衛生管理

 セブン&アイ・フードシステムズでは、衛生管理部署のQC室が品質マネジメントに関わる国際標準規格「ISO9001」の認証を取得しており、このシステムを活用して、店舗での衛生管理と従業員教育に努めています(適用範囲は「店舗における食品衛生管理システムの規格と提供」)。  衛生管理については、誰もが実行できるわかりやすい鮮度管理に重点を置くとともに、QC室などによる店舗チェックと合わせ、第三者の衛生検査機関による抜き打ちの店舗衛生検査(ふき取り検査)を実施しています。また、店舗従業員への衛生管理研修を定期的に実施することにより、衛生管理のレベルアップを図っています。

画像①QC室差し替え写真.jpg

品質管理の取り組みに対する表彰

 イトーヨーカドーは経済産業省が主催する製品安全対策優良企業表彰※1において、 経済産業大臣賞を受賞。3度の大臣賞受賞により、2015年度に総合スーパーとして初の製品安全対策ゴールド企業※2に認定されました。2020年度、フォローアップ審査を受審しゴールド認定の更新が承認され、ロゴマークに星印が付与されました。  

  • 経済産業省が、企業の製品安全に対する意識の向上や企業の枠を越えて、製品安全という重要な価値を共有する「製品安全文化」の定着を図り、社会全体で製品の安全が守られる社会の実現を目的として、2007年度より実施している表彰
  • 認定から5年経過ごとに認定時の取り組みが引き続き維持されているか、審査委員会によるフォローアップを実施
  • 2011年 2013年 2015年 イトーヨーカドー:「製品安全対策優良企業表彰・経済産業大臣賞」受賞
  • 2015年 イトーヨーカドー:「製品安全対策ゴールド企業」認定
  • 2020年 イトーヨーカドー:「製品安全対策ゴールド企業」フォローアップ認定

☆あり PSアワードロゴマーク2020_ゴールド.jpg

製品安全対策ゴールド企業

コールドチェーン(低温物流網)の導入

 セブン-イレブンのオリジナルのデイリー商品(米飯、サンドイッチ、調理パン、サラダ、惣菜、麺類など)には、さまざまな葉物野菜が使われており、野菜の鮮度を高く保つための仕組みとして、畑で収穫された野菜を商品にして店舗に届けるまで、低温で輸送・加工する「コールドチェーン(低温物流網)」を2005年より導入しています。収穫した野菜は配送車、仕分けセンター、生産工場から店舗の売場の棚まで一貫した温度管理をしています。また、消費地の近くで収穫した国産野菜を積極的に使用することで、輸送のためのエネルギー使用量を削減しています。

「コールドチェーン(低温物流網)」

放射性物質の検査

 セブン&アイグループでは、東日本大震災以後、お問い合わせが増加したことを受け、行政による放射性物質のモニタリング調査を補完するために自主検査を実施してホームページで公開しています。
 例えば、ヨークベニマルでは、お客様が安心してお買物ができるよう、行政による放射性物質のモニタリング調査を補完することを目的に、社内に「放射能プロジェクト」を設置しています。出店エリア内の主要拠点に放射性物質測定器を備え置き、定期的に社内組織による自主検査を行い、その検査結果をホームページで公開しています。プライベートブランド「三ツ星野菜・果実」の場合、バイヤーが産地に出向き、土壌の検査やサンプルの自主検査を実施し、基準を満たした商品のみを販売しています。
 また、イトーヨーカドーの「顔が見える食品。」でも放射性物質検査を実施し、結果をホームページで公開しています。

重点課題2の取り組み