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セブン&アイグループ持続可能な調達原則・方針

サプライチェーンがグローバル化する中、原材料調達をめぐり、気候変動、限りある自然資源の枯渇や生物多様性の損失などの環境問題や、児童労働、強制労働をはじめとする人権問題・社会問題が顕在化しています。世界中から多くの原材料などを調達しているセブン&アイグループは、調達をめぐる様々な課題に真摯に向き合います。以下の方針に則り、生産者・お取引先・お客様とともに、人権尊重・環境保全等に配慮した、持続可能な調達を推進してまいります。取り組みの進捗を開示し、透明性の高い取り組みにいたします。

持続可能な調達原則

原則1.コンプライアンス・国際的な規範の尊重

原則2.人権の尊重

原則3.環境・生物多様性保全と課題への対応

原則4.社会課題解決への貢献

原則5.ステークホルダーとの対話と協働

原則6.新しい技術の活用

持続可能な調達方針

1.コンプライアンス・国際的な規範の尊重

  • 1) 国際連合が提唱する世界的なイニシアティブ「国連グローバル・コンパクト」の署名企業として、4分野(人権・労働・環境・腐敗防止)10原則を支持します。
  • 2) 法令の遵守に加え、サステナビリティをめぐる国際的な規範を尊重します。

2.人権の尊重

  • 1) 「セブン&アイグループ人権方針」に基づき、バリューチェーン上のすべての人の人権を尊重した調達活動を推進します。
    • 2) 以下の9つの項目を重点的に取り組みます。

①非人道的な扱いの禁止

②強制労働の禁止

③児童労働の禁止

④差別の禁止

⑤安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供

⑥適切な労働時間の管理

⑦適切な賃金の確保

⑧子どもの権利の尊重

⑨安全な商品・サービスの提供と倫理的なマーケティングや広告活動

3.環境・生物多様性保全と課題への対応

1) セブン&アイグループが調達する商品は、多くの自然の恵みに支えられています。生物多様性の保全に努め、自然資源枯渇防止と、自然の回復力の中で自然資本が有効に活用される、人と自然環境が調和した自然共生社会の実現を目指します。

2) 自然資源の枯渇や、 原材料調達に起因する水・土壌汚染など環境に与えるリスク・影響を把握し、その負の影響の低減に取り組みます。

3) 気候変動・水資源の枯渇・生物多様性の損失などの世界的な環境問題に対して、「緩和と適応」につながる調達活動を推進します。

4) 違法に取引・伐採・漁獲・狩猟された原材料を調達することのなきよう、サプライチェーンの透明化を重視し、トレーサビリティの確保に努めます。

5) 資源の有効活用・資源循環につながる原材料調達を推進します。

6) 環境配慮に関わる第三者認証を受けた原材料、または同等以上の環境配慮が行われている原材料の調達を拡大します。

4.社会課題解決への貢献

1) バリューチェーン上のステークホルダー(利害関係者)の抱える社会課題の解決につなげる調達活動を推進します。また、サプライチェーンの透明化を重視し、生産地までのトレーサビリティの確保に努めます。

2) 生産者の持続的な生産活動を支援するための取り組みを採り入れます。

3) 地域産品の調達など、地域振興に繋がる活動を推進します。

5.ステークホルダーとの対話と協働

1) ステークホルダーとの対話や協働を重視し、より持続可能性の高い取り組みへと進化させます。

2) 生産者・加工者などが、自然環境や人権問題を含む環境・社会課題の解決に向けた、持続可能性に配慮した生産活動を行うための支援をします。

3) お取引先には、「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」の遵守をお願いし、お取引先とともに、サプライチェーンの川上へ働きかけることで、サプライチェーン全体の持続可能性の向上を図ります。

4) 生産者・お取引先のみならず、NGO、専門家や行政機関など、様々な立場の方々・団体との対話を通じて、サプライチェーン上の課題の把握と解決に努めます。

5) 持続可能な商品の調達に関する情報をお客様に伝えます。

6) お客様のニーズを尊重したサステナブル・エシカル消費を推進します。

6.新しい技術の活用

1) 環境・社会課題 の解決につながる新しい技術を採用した商品の開発・販売に取り組みます。

2) 生産者の持続可能な生産性向上のための技術導入を支援します。

3) トレーサビリティの確保やサプライチェーンのモニタリングに資する新しい技術の導入を推進します。

分野別方針

1.農産物

自然と生態系との調和、生産者や地域への配慮を重んじ、持続可能性が担保された農産物の調達を推進します。

1) 生産地までのトレーサビリティの確保に努めます。

2) 重大な人権侵害や環境課題の発生リスクが高い農産物を特定し、優先して課題解決に取り組みます。

3) 取水・節水・排水など水資源を適切に管理し、農薬の使用制限を図るなど、環境負荷低減に取り組む農産物の調達を拡大します。

4) 生産者の安全・安心や生活の維持・向上が確保されている農産物の調達に努めます。

5) 販売する地域の農産物の調達を拡大し、フードマイレージの削減や地域の農業と経済の発展に貢献します。

6) 土壌を健全に保ち、化学肥料や農薬などの使用削減・節減に繋がる有機栽培・特別栽培・顔の見える栽培品の調達を推進します。

7) GAP(Good Agricultural Practice)などを活用し、安全な農場運営や適正管理を推進します。

8) オーガニック、フェアトレードをはじめ、 認証を活用した、持続可能な農産物の調達を推進します。

2.畜産物

自然と生態系との調和、生産者や地域への配慮を重んじ、動物福祉の観点からも、持続可能な畜産物の調達を推進します。

1) 生産地までのトレーサビリティの確保に努めます。

2) 家畜の健康管理に配慮し、抗生物質などの医薬品や飼料への添加物の使用を低減した畜産物の調達に努めます。

3) 医薬品の投与や飼料の記録などが適切に管理された農場の畜産物の調達を拡大します。

4) 家畜の排せつ物による土壌・水質汚染や気候変動への影響、飼料の生産が与える環境負荷まで含め、環境負荷を低減する取り組みを支持します。

5) 動物の5つの自由及び動物福祉の考え方に基づく飼養管理が行われている畜産物の調達に努めます。

  ※ 動物の5つの自由:①飢え、渇き及び栄養不良からの自由、②恐怖及び苦悩からの自由、③物理的、熱の不快さからの自由、④苦痛、傷害及び疾病からの自由、⑤通常の行動様式を発現する自由

6) GAP(Good Agricultural Practice)などを活用し、安全な農場運営や適正管理を推進します。

7) 認証を活用した、持続可能な畜産物の調達を推進します。

3.水産物

豊かな海の恵みを未来世代に引き継ぐために、自然と生態系との調和、生産者や地域への配慮、自然資源の枯渇防止などに努め、持続可能な水産物の調達を推進します。

1) トレーサビリティの確保に努め、違法・無報告・無規制(IUU)漁業に関わる水産物の取り扱いがないことを確認します。

2) 天然水産物の過剰漁獲や混獲を避け、持続可能な漁業に取り組む生産者からの調達を拡大します。

3) 養殖場建設のための自然破壊、飼料や薬物による海洋汚染、さらに飼料としての天然魚の過剰漁獲などの養殖をめぐる問題を認識し、その影響を低減する取り組みを支援します。

4) 絶滅危惧種やワシントン条約(CITES)の付属書に掲載された魚種の取り扱いについて慎重に検討します。

5) 認証を活用した、持続可能な水産物の調達を推進します。

4.パーム油

森林破壊の防止や生態系と生物多様性の保全を重んじ、生産者の人権が守られる持続可能なパーム油の調達を推進します。

1) 生産地までのトレーサビリティの確保に努めます。人権侵害や環境課題など生産者と生産地が抱える課題について、お取引先やNGOなどと連携して、解決に向けて取り組みます。

2) 生態系を保全し、生産地拡大のための森林破壊、泥炭地開発や先住民への人権侵害が行われていないことが確認できるパーム油の調達を拡大します。

3) ステークホルダーと連携して、小規模農家の生活基盤の整備と生産性向上を支援します。

4) 認証を活用した、持続可能なパーム油の調達を推進します。

5.紙・パルプ

森林資源を保全し、生態系と生物多様性の保全に配慮した、適切に管理された持続可能な森林資源の調達を推進します。

1) 伐採の現場までのトレーサビリティが確保された原材料の調達に努めます。

2) 生態系と生物多様性を保全し、生産地拡大のための森林破壊、泥炭地開発や先住民への人権侵害が行われていなことが確認できる森林資源の使用を拡大します。

3) 伐採や加工の過程で、人権侵害が行われず、安全な環境が確保されていることが確認できる森林資源の調達を拡大します。

4) 再生紙や間伐材の活用など、資源の循環・有効活用に努めます。

5) 認証を活用した、持続可能な森林資源の調達を推進します。

6.繊維/コットン(綿花)

自然資源利用の削減や生態系・生物多様性の保全に配慮し、生産者の労働環境にも配慮した持続可能な繊維/コットンの調達を推進します。

1) 生産地までのトレーサビリティの確保に努めます。

2) 栽培過程での生態系の保全や水資源の効率的な利用・管理、農薬・化学肥料の使用量削減に取り組む繊維/コットンの調達を拡大します。

3) 栽培から製品製造過程において、児童労働や強制労働がなく、安全な労働環境が確保されていることが確認できる繊維/コットンの調達を拡大します。

4) 加工過程における染料などに含まれる化学物質や排水による環境負荷の低減に努めます。

5) 生産者の生活向上や生産性の向上、技術開発を支援します。

6) 再生素材など、資源の循環利用のための新しい技術を採り入れた繊維の活用も検討します。

7) 認証を活用した、持続可能な繊維/コットンの調達を推進します。

  • この方針は社会状況の変化や新たな情報に応じて改定します。

以上 

【2022年4月26日 改定】