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最終更新日:2023年4月1日
当社においては、独立性を保持し、法律や財務会計等の専門知識等を有する複数の社外監査役を含む監査役(監査役会)が、会計監査人・内部監査部門との積極的な連携を通じて行う「監査」と、独立性を保持し、高度な経営に関する経験・見識等を有する複数の社外取締役を含む取締役会による「経営戦略の立案」「業務執行の監督」とが協働し、コーポレートガバナンスの有効性を確保しています。
当社の上記体制は、当社のコーポレートガバナンスを実現・確保するために実効性があり、適正で効率的な企業経営を行えるものと判断しているため、当社は当該コーポレートガバナンス体制を採用しています。
当社は、次のような監査役制度の特徴・メリットが、当社グループガバナンスの適正化のために有効と考え、コーポレートガバナンス体制として採用しています。
①監査役は、各自が独立して監査権限を有しており(独任制)、各監査役の多角的な視点による監査ができること
②監査役の独立性は、明確に法定されており、独立した客観的な監査ができること
③監査役には子会社調査権が法定されており、グループ監査の観点からも有効であること
氏名 | 当社における地位 | 取締役会 | 監査役会 | 指名 委員会 |
報酬 委員会 |
経営会議 | CSR統括 委員会 |
リスク マネジメント 委員会 |
情報管理委員会 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
井阪 隆一 | 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) |
◎ | ○ | ◎ | ◎ | ||||
後藤 克弘 | 代表取締役副社長 最高管理責任者(CAO) 当社情報管理統括責任者 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
伊藤 順朗 | 代表取締役専務執行役員 最高サステナビリティ責任者(CSuO) 兼 ESG 推進本部長 兼 スーパーストア事業管掌 |
○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ||
永松 文彦 | 取締役専務執行役員 国内 CVS 事業統括 |
○ | |||||||
ジョセフ・マイケル・デピント | 取締役専務執行役員 海外 CVS 事業(北米)統括 |
○ | |||||||
丸山 好道 | 取締役常務執行役員 最高財務責任者(CFO) 兼 財務経理本部長 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
伊藤 邦雄 | 筆頭独立社外取締役 | ○ | ◎ | ○ | |||||
米村 敏朗 | 独立社外取締役 | ○ | ○ | ◎ | |||||
井澤 𠮷幸 | 独立社外取締役 | ○ | ○ | ||||||
山田 メユミ | 独立社外取締役 | ○ | ○ | ||||||
ジェニファー・シムズ・ロジャーズ | 独立社外取締役 | ○ | ○ | ||||||
ポール 与那嶺 | 独立社外取締役 | ○ | |||||||
スティーブン・ヘイズ・デイカス | 独立社外取締役 | ○ | ○ | ||||||
エリザベス・ミン・マイヤーダーク | 独立社外取締役 | ○ | |||||||
幅野 則幸 | 常勤監査役 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
手島 伸知 | 常勤監査役 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
原 一浩 | 独立社外監査役 | ○ | |||||||
稲益 みつこ | 独立社外監査役 | ○ | |||||||
松橋 香里 | 独立社外監査役 | ○ |
当社は、変化の激しい経営環境の中でも迅速な意思決定と業務執行を実行できるよう、執行役員制度を導入し、取締役会の監督機能と執行役員の業務執行機能を分離し、取締役会は「経営戦略の立案」と「業務執行の監督」、執行役員は「業務執行」にそれぞれ専念できる環境を整備しています。執行役員は2022年5月末現在17名(男性16名、女性1名)で構成されています。
なお、当社は、経営陣の選任につき、株主の意向をより適時に反映させるため、取締役の任期を1年としています。
当社では、取締役会で定めるべき事項を取締役会規則、決裁権限規程等に定めており、会社法および当該社内規則等に定める事項につき、取締役会において決定することとしています。
また、決裁権限規程等において、経営会議および代表取締役社長が決定する範囲等について明確に定めており、経営における意思決定プロセスおよび責任体制の明確化を図るとともに、合理的な権限の委譲による意思決定の迅速化を図っています。
当社は、取締役会の諮問機関として、委員長および過半数の委員を独立社外取締役とする「指名委員会」「報酬委員会」(以下、本項目において「両委員会」といいます。)を設置し、より多様な社外役員の知見および助言を活かすとともに、代表取締役、取締役、監査役および執行役員(本項において「役員等」といいます。)の指名および報酬等の決定に関する手続の一層の客観性および透明性を確保し、もって取締役会の監督機能を向上させ、コーポレートガバナンス機能のさらなる充実を図っています。
(各委員会の主な審議項目と対象者の範囲)
委員会 | 主な審議項目 | 当社 | 主要事業会社 ※1 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国内 | 海外 | ||||||||||
代表 取締役 |
取締役 | 監査役 | 執行 役員 |
代表 取締役 |
取締役 | 監査役 | 執行 役員 |
President, CEO | President, CEOに類する役職 | ||
指名委員会 | 候補者の指名に関する基本方針・基準 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
候補者の選任議案の内容 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
報酬委員会※2 | 報酬等に関する基本方針・基準 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
報酬等の総額枠に係る議案の内容 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
個人別の報酬等の内容 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
両委員会は、当社役員等だけでなく、国内主要事業会社の代表取締役および海外の主要事業会社のPresidentおよびCEO(以下、本項目において「代表取締役等」といいます。)の指名および報酬についても審議対象としています。
主要事業会社の代表取締役等は、当社グループ経営上、重要な地位であり、当社のみならずグループ経営の主要な指名・報酬手続の客観性および透明性を重視する観点から、両委員会の対象としているものです。
なお、当該「主要事業会社」の対象会社については、グループ経営の手続の客観性・透明性を重視し、当社グループの事業ポートフォリオ戦略およびグループガバナンス体制等に応じて、今後も適切に設定していきます。
2022年4月19日取締役会決議により、指名委員会および報酬委員会の審議対象となる事業会社として、新たに株式会社赤ちゃん本舗、株式会社ロフトおよび7-Eleven, Inc.を加えることにし、9社に拡大しました。
両委員会には社内・社外各1名の監査役がオブザーバーとして、関与しています。
これは、両委員会の審議対象に、取締役の職務の執行を監査することを職責とする監査役候補の指名も含まれていること、および、取締役会の諮問機関たる両委員会における適正手続の確保を重視しているためです。
当社の監査役会は、当社およびグループ各社の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立することを監査の基本方針として監査計画を定め、内部統制システムの構築、法令遵守・リスク管理の推進体制を重点監査項目に設定し、監査を行っています。
各監査役は、取締役会その他重要な会議に出席するほか、代表取締役との意見交換、定期的な取締役等からの業務執行状況の聴取、稟議書等の重要な決裁書類の閲覧および本社等における業務・財産の状況調査を実施するとともに、子会社については、子会社の取締役および監査役等と情報共有等を図るとともに、監査計画に基づき子会社の本社、店舗を訪問して事業の実際を調査し、報告を受ける等により監査を実施しています。
当社は、内部監査機能の充実、強化を図るため、独立した内部監査部門として、監査室内に「業務監査担当」と「内部統制評価担当」を設置しています。「業務監査担当」は、コンプライアンス体制の整備・運用状況を含め、主要事業会社の内部監査を確認し指導する、または直接監査する統括機能と、持株会社である当社自体を監査する内部監査機能があり、これらの業務にあたっています。「内部統制評価担当」は、当社グループ全体の財務報告に係る内部統制の評価を実施しています(なお、監査室のスタッフ数は、2022年5月27日現在で24名です)。
また、内部監査の結果や財務報告に係る内部統制の評価結果等は代表取締役社長、各担当役員、取締役会に報告するとともに、監査役会にも報告され、監査役監査との連携を図っています。
(a)監査役と監査室および会計監査人との連携
当社では、全体として監査の質的向上を図るため、監査役、監査室および会計監査人が、定期的に三者ミーティングを開催する等により、相互に情報交換を積極的に行い、緊密な連携を図っています。
連携方法 | 時期 | 備考 |
---|---|---|
三者ミーティング | 4月、10月 | 会計監査人から会計監査の実施状況等、監査室から内部監査の実施状況等、監査役から監査役監査の実施状況等について情報交換が行われ、意見交換を実施 |
(b)監査役と会計監査人との連携
監査役は、会計監査人から期初に年間監査計画、四半期ごとに会計監査および内部統制監査の手続きおよび結果の概要等につき報告を受け、意見交換を行い、連携を図っています。
連携方法 | 時期 | 備考 |
---|---|---|
監査および四半期レビューの計画概要説明 | 6月 | 会計監査人から当事業年度の監査計画および監査報酬案の説明を受ける |
四半期レビュー結果報告 | 7月、10月、1月 | 会計監査人から四半期レビュー結果について報告を受け、意見交換を実施 |
監査役インタビュー | 1月 | 会計監査人から監査役へのインタビューおよび意見交換を実施 |
KAM(監査上の主要な検討事項)に関する意見交換 | 7月、10月、1月 | 会計監査人からKAMとなる可能性のある事項や文案についての説明を受け、意見交換を実施。情報開示の適切性・整合性についても確認 |
会社法監査結果報告 | 4月 | 会計監査人から会社法の監査結果報告を受ける |
金融商品取引法監査結果報告 | 5月 | 会計監査人から金融商品取引法の監査結果報告を受ける |
(c)監査役と監査室との連携
監査役と監査室は、監査の質的向上を図るため、両者間における監査情報の網羅的な共有化に努めています。
連携方法 | 時期 | 備考 |
---|---|---|
常勤監査役と監査室の定例ミーティング | 毎月 | 監査室から監査計画、業務監査に関する監査結果、内部統制評価の経過状況等について報告を受け、意見交換を実施。常勤監査役は重要事項については社外監査役に報告 |
内部監査状況・結果についての情報共有・意見交換 | 8月、1月 | 監査室から業務監査結果や活動状況の報告を受け、意見交換を実施 |
財務報告に係る内部統制の評価状況・結果に関する報告 | 四半期 | 監査室から金融商品取引法で定められたグループの財務報告に係る内部統制の報告を受ける |
(d)監査役、監査室および会計監査人は、各監査において、内部統制部門から報告および資料等の提出を受けるほか、必要に応じて説明を求めており、内部統制部門は、これらの監査が適切に実施されるよう協力しています。
当社は、代表取締役のもとに「CSR統括委員会」「リスクマネジメント委員会」「情報管理委員会」を設置しています。各委員会は事業会社と連携しながらグループの方針を決定し、その浸透と実行を管理・監督することでコーポレートガバナンスの強化を図っています。
当社は、社会課題の解決に貢献し、社会と当社グループの持続的成長を目指すため、事業活動を通じたグループ全体のCSR活動の推進・管理・統括を目的としたCSR統括委員会をCSR基本規程に基づき設置しています。また、ステークホルダーの期待や要請に対応するために特定した重点課題(マテリアリティ)の解決およびコンプライアンスのさらなる徹底に資する事業活動を推進するために、同委員会傘下に具体的な施策の検討・推進を担う下部組織として5つの部会を設け、課題の解決並びに未然防止に取り組んでいます。
2022年3月には、事業活動と関係する社会課題や社会からの要請が時代の変化とともに多様化する中、当社グループの事業活動と関係する社会課題を抽出し、さまざまなステークホルダーとの対話を通じて優先すべき重点課題を改定しました。
CSR統括委員会では、改定した重点課題の解決等を図るため、気候変動や資源の枯渇などの環境負荷低減を「環境部会」、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築と商品・サービスにおける品質向上と安全性の確保を「サプライチェーン部会」、社是・企業行動指針の周知徹底・働きがいのある職場づくり、多様な人財の活躍推進・労働環境の改善を「企業行動部会」、コンプライアンス・内部統制の強化を「コンプライアンス部会」、事業特性・経営資源を活かして本業を通じた社会課題起点の新規事業の企画・立案・実行を「社会価値創造部会」が担い、グループ横断的な具体的課題の改善施策の立案・展開を行っています。
これらの部会の活動を通して、コンプライアンスの更なる徹底およびステークホルダーに係る重点課題(マテリアリティ)の解決に資する事業活動を推進するとともに、ESGの視点から社会と当社グループ双方の持続可能な発展を目指していきます。
なお、当社グループ全体の内部統制の一環として当社グループ役員・従業員およびお取引先が利用可能な内部通報制度を運用しており、CSR統括委員会の事務局の担当役員が、取締役会において内部通報制度の運用状況について、定期的に報告・確認を行っています。
当社および当社グループ各社では、経営環境およびリスク要因の変化を踏まえ、各事業におけるリスクを適正に分析・評価し、的確に対応するため、リスク管理の基本規程に基づき、リスクマネジメント委員会を中核とする統合的なリスク管理体制を構築・整備・運用しています。
リスクマネジメント委員会は、各リスク管理統括部署より自社のリスク管理状況に関する報告を受け、リスクの網羅的な把握、その評価・分析および対策について協議し、今後の方向性を定めています。
近年は、当社リスク管理統括部署が主管するリスクの低減に向けた当社グループ各社への支援・指導の仕組み構築、当社グループ共通のリスク管理指標の導入など、当社グループ全体のリスク管理の実効性の向上、PDCAサイクルの整備に努めてきました。2021年度は、当社と当社グループ各社の連携を強化しつつ、優先度の高いリスクを特定し、発生防止・低減・再発防止に向けた更なる運用改善に取り組んでおり、2022年度も引き続き取り組みを強化していきます。
当社は、当社グループの役職員が知得、作成または保有する業務に関する一切の情報について、2020年度に一新した情報管理基本規程に基づき、情報管理統括責任者を委員長とする情報管理委員会のもと、情報管理に対するリスクの分析、評価および対策を講じています。
2021年度においては、当社関連部署と連携し、発生事実における重要情報の定義の明確化や報告フォームの改訂を行うことで、当社グループ各社からの適時・適切な重要情報の収集と親会社としての組織的な対応を図るとともに、当社経営および関連部署へ遺漏・遅滞がない報告体制の強化に取り組みました。
また、法令遵守の観点からも事業活動を行う中でお預かりする情報を適切に取り扱い、各ステークホルダーからの信頼を得るために、当社グループの情報セキュリティ体制の構築と強化を進めています。その対応として、当社グループの共通指針となる情報セキュリティポリシー、各種ガイドライン等の再整備を行うとともに、セキュリティ環境の構築支援やモニタリングの強化、並びに教育の高度化や統制評価等を当社グループ各社と連携しながら取り組んでいます。
2022年度もこれらの取り組みを通じて、当社グループの情報管理および情報セキュリティ体制の強化に努めていきます。
当社は、経営の健全性と事業の効率性を確保しつつ、当社グループとして永続的に維持・発展し、お客様が必要とする商品・サービスを提供し続けるために、事業継続に関わる各種リスクの適切な管理に取り組んでいます。当社グループのリスク管理を行ううえで、事業のすべての領域のリスクを、できる限り定量的に測定し、自己資本を踏まえて、リスク量が許容範囲内にあるか否かを検証し、リスクの回避・移転・低減・保有という対策を実行する統合的リスク管理の手法を取り入れています。
当社およびグループ各社は、自社のリスク管理全体を統括する部署を事務局とするリスクマネジメント委員会を設置しています。
リスクマネジメント委員会は、原則半期に1回開催され、各種リスク管理統括部署より自社のリスク管理状況に関する報告を受け、リスクの網羅的な把握、その評価・分析および対策について協議し、今後の方向性を定めています。
一方、各種リスクについては、当社リスク管理統括部署を主体とするグループ横断の会議体等を通じて、該当するリスクに関わるグループ方針、各社リスク低減の取り組み、さらにリスクが顕在化する兆候を示す社内外の各種事例等の共有を図っています。
当社は、当社グループ全体に共通するリスク管理の基本方針を策定しています。
当社は管理すべきリスクをガバナンスリスク、業務リスク、B/Sリスクおよび事業リスクの4つの分類に分けて管理しています。
それぞれのリスクについて、グループ全体の状況を評価し効果的に改善すべく、当社における各種リスク管理統括部署を明確化するとともに、すべてのリスク領域を一元的・網羅的に管理するガバナンス統括部を設置しています。
大分類 | 中分類 |
---|---|
ガバナンスリスク | ― |
業務リスク | 情報管理リスク、システムリスク、商品の品質管理・表示リスク、IRリスク、PRリスク、風評リスク、法務リスク、知的財産権(商標権等)に係るリスク、事業継続リスク、事件・事故リスク、反社会的勢力リスク、会計リスク、税務リスク、人事・労務関連リスク、環境リスク |
B/Sリスク(資産・負債から発生および派生するリスク) | 資産リスク、事業信用リスク、金融信用リスク、市場リスク、流動性リスク |
事業リスク | 既存事業リスク、投資回収リスク |
当社グループのリスク管理は、グループ共通のリスク調査票をもとに、網羅的なリスクの洗い出しと定量化を行い、「リスクの評価と改善策の立案」「優先順位付け」「改善活動とモニタリング」を実施しています。
また各社内部監査部門は、自社のリスク管理全体を担当する部署および各種リスク管理統括部署に対する定期的な内部監査を通じ、独立した立場で、リスク管理が効果的に実施されていることを検証し、必要に応じて各部署に対し、リスク管理向上のために必要な助言を行っています。
2020年度より当社グループのリスク管理の実効性向上にむけて、グループ共通のリスク管理指標(Key Risk Indicator、以下「KRI」といいます)を導入しています。
KRIとは、リスクの顕在化、あるいは顕在化の可能性がある状況をいち早く察知し、被害の発生や影響をできる限り抑え、最小化することを目的とした定量的なモニタリング指標であり、業務リスクを対象に約110のKRIを設定しています。
運用においては、当社グループおよび各事業会社それぞれの視点から優先すべきリスクとそのKRIを特定します。そして事業会社個社の自己評価に加え、各社を横断的にとらえるグループ視点で評価を行うことで重大なインシデントになる前に当社と事業会社とが連携して対策を図っています。
これらのKRIをリスク管理のPDCAツールの一つとして活用し、より実効性の高いグループリスク管理を進めています。
昨今、技術革新や、社会の価値観等々、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しており、リスク管理の在り方についても、随時、見直しを図っています。
特に情報セキュリティ関連のリスクについては、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、サイバー攻撃による被害も深刻化しています。
当社グループとしては、情報セキュリティに関するポリシー、規程、ガイドライン等の再整備、セキュリティについて専門性を有する人財の拡充を進めるとともに、情報セキュリティ意識をグループ内に浸透させるための社内教育等に取り組んでいます。
その他、事業環境が大きく変化する中では、インシデントの発生の未然防止・早期発見が重要と考え、第1のディフェンスラインである業務執行部門、第2のディフェンスラインである管理部門、第3のディフェンスラインである内部監査部門の各々が適正に機能するよう、全社的な取り組みを進めています。
第1のディフェンスラインにおいては、通常の業務ラインにおけるコミュニケーションを強化し、現場におけるリスクの早期発見・報告・対応を図っています。2020年3月には、グループ各社のコンプライアンスの徹底を図るため、当社CSR統括委員会傘下に、新たにコンプライアンス部会を設置するなど、グループ各社のコンプライアンス体制強化および監督の実効性の確保にむけた取り組みを推進しています。
第2のディフェンスラインにおいては、管理部門・モニタリング部門など通常の業務ラインから独立した内部統制推進部門が、日常的に収集している情報について、適宜、連携しながら第1のディフェンスラインである業務執行部門にフィードバックし、助言・支援する体制を整備しています。
第3のディフェンスラインにおいては、当社およびグループ各社の内部監査部門が、各社の第1、第2のディフェンスラインが適正に機能しているかを分析、評価するリスクマネジメント監査を実施しています。
上記に加え、事業環境の変化のスピードが速い今日における、リスクの予兆の早期把握強化の一環として、SNS情報や、お客様等からいただいたご意見の内容の分析についても強化を図っています。
当社は、グループ全体の内部統制の一環として、法令・社会規範・社内規程に違反する行為の防止と早期発見、早期是正、再発防止を目的に、当社グループ従業員を対象とした通報窓口「グループ共通従業員ヘルプライン」と、お取引先を対象にした通報窓口「お取引先専用ヘルプライン」、経営幹部に関する通報窓口「監査役ホットライン」を運用しています。
当社グループ全体では、2022年2月末現在の政策保有上場株式は54銘柄、時価で746億円と連結純資産の2.4%です。
保有については、事業競争力の維持と強化のため、業務提携、取引関係の維持・強化等の合理性があると認める場合を除き、原則として政策保有株式を保有しません。
保有株については毎年見直しを行い、保有する意義・効果の薄れた株式について、投資先企業の状況等を勘案したうえで売却を進めるものとします。
政策保有上場株式の議決権行使にあたっては、下記の議決権行使基準細則を踏まえ、当社および投資先企業の中長期的な企業価値向上の観点から賛否を判断し、必要に応じて、議案の内容等について投資先企業と対話をしたうえで、行使します。
a.各総会議案の内容は総会開催企業の中長期的な企業価値向上に適しているか
b.各総会議案の内容は総会開催企業の株主の利益を最大化するような内容か
c.株主総会招集通知その他議案の説明資料等は、情報開示として適時適切であるか
当社取締役会では、政策保有上場株式の保有意義・効果について以下の項目を検証し、保有の適否を総合的に判断しています。なお、検証項目については、今後も継続して検討いたします。
①取得経緯
②取引関係の有無
③保有する時点での戦略的意義
④将来的なビジネスの可能性
⑤保有しない場合の取引の存続・安定性等に係るリスク
⑥保有継続した場合のメリットの継続性・今後の取引の見通し・リスク
①事業提携等による取引がある場合の直近の取引額・利益額
②年間受取配当金額・株式評価損益
③保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか
2021年度における、当社取締役会における当社の全政策保有上場株式の検証結果は、以下のとおりです(2022年1月13日取締役会にて実施)。
銘柄 | 保有目的 | 定性的・定量的 保有意義・効果 |
当社株式の保有 の有無 |
---|---|---|---|
(株)アインホールディングス | 共同商品開発の推進等のビジネス連携を強化していくため | 有※ | 無 |
(株)クレディセゾン | 当社グループ金融事業会社等を通じ、ビジネス連携を強化していくため | 有※ | 有 |
三井不動産(株) | 当社グループ事業会社における店舗、物流施設その他不動産に関する取引等のビジネス連携を強化していくため | 有※ | 有 |
(株)西武ホールディングス | 当社グループ事業会社の店舗およびエリア協働開発等のビジネス連携を強化していくため | 有※ | 有 |
(株)TBSホールディングス | メディアコンテンツを活用した販売促進等のビジネス連携を強化していくため | 有※ | 有 |
第一生命ホールディングス(株) | 当社グループ会社との生命保険その他の金融取引等のビジネス連携を強化していくため | 有※ | 有 |
なお、上場子会社を除くグループ事業会社においても、当社と同様の保有方針のもと、政策保有上場株式の検証を実施していることを、当社取締役会は確認しています。
当社および主要事業会社における、顧問等の設置状況は次のとおりです。
氏名 | 鈴木 敏文 |
---|---|
役職・地位 | 名誉顧問 |
業務内容 | 当社経営陣が必要なときに助言する業務 |
勤務形態・条件 | 常勤・報酬有 |
当社社長等退任日 | 2016年5月26日 |
任期 | 1年 |
氏名 | 萬歳 教公 |
---|---|
役職・地位 | 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 顧問 |
業務内容 | 同社経営陣が必要なときに助言する業務 |
勤務形態・条件 | 常勤・報酬有 |
任期 | 1年 |
当社は、関連当事者間の取引について、関連当事者を調査・特定し、当該関連当事者との取引の有無や当該取引内容を確認し、会社法および金融商品取引法その他の適用ある法令ならびに東京証券取引所が定める規則に従って開示しています。
また、当社と取締役との間の競業取引および利益相反取引について、法令および取締役会規則に基づき、取締役会の承認を得ることとしており、当該取引を実施した場合には、重要な事実を取締役会に報告することとしています。
当社は、上場子会社として株式会社セブン銀行を有していますが、当該上場子会社の独立性を尊重する観点から、同社の経営判断を重視し、事業戦略・人事政策・資本政策等を独立して主体的に検討・決定の上、事業活動を展開することを尊重しております。
同社が健全で持続的な成長を達成していくには、企業としての信頼性・経営の透明性を基盤とし成り立つ様々な提携先との協業を高度に融合させ、事業発展(イノベーション)させていく事が不可欠であると考えております。そして、同社の信頼性・経営の透明性を担保するために、市場への上場は最も有効な手段の一つであり、同社が独自の成長戦略等により企業価値を向上させていくことがグループ経営の観点からも望ましいと考えています。
同社では、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会を設置し、取締役候補者および執行役員候補者の推薦に関する事項を審議しており、これにより経営陣の選任について当社からの独立性を担保しています。さらに、同社では、独立性を有する社外取締役および社外監査役を配置しており、これらの者が当社と当社以外の株主の利益相反が生じないよう監督しています。
なお、当社は同社との間でグループ経営に関連した契約は締結しておりません。
また、当社は、開示義務等に対応するため、同社との間で「重要事実報告ガイドライン」を定め、当社の適時開示に影響を与えるもの、当社連結財務諸表に重要な影響を与えるもの、当社グループの信用を毀損する可能性があるものに限定して、同社に報告を求めています。