社外取締役メッセージ

取締役会議長メッセージ
筆頭独立社外取締役 取締役会 議長 八馬 史尚の写真

対話による変革を通じて、
グローバル企業としての価値創造を加速してまいります。

筆頭独立社外取締役
取締役会 議長
八馬 史尚

取締役会議長就任にあたって

 2023年5月から社外取締役に、2025年5月から取締役会議長に就任いたしました。一昨年は社外取締役で構成する「戦略委員会」に参加し、グループの成長戦略や資本効率の向上に関する提言をしてきました。加えて、この一年は財務や国際法務の外部専門家も参加する「特別委員会」の場で、外資系企業からの買収提案や7-Elevenの中長期的かつ本質的な企業価値について、40回を超える議論を重ねてまいりました。
 2025年5月には、戦略委員会委員長と取締役会議長を務めてきたスティーブン・ヘイズ・デイカス氏をCEOとする新たなマネジメントチームのもと、CVS事業に特化した事業体としての新たなスタートを切りました。私はこれまでの議論を通じて、7-Elevenの強みやグローバルなポテンシャルを改めて強く実感してきました。一方で業績については厳しい状況が継続しており、危機感を持って臨む必要性を感じています。社外取締役、そして取締役会議長として、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の声に真摯に耳を傾けつつ、 2030年およびその先に向けたロードマップに沿って、当社を着実に成長軌道へ導き、企業価値を高めることを監督する ――これが私の最大の使命と強く認識し、その責任を果たしてまいります。

現状認識

 外部環境に目を向けると、国際的なインフレの長期化やサプライチェーンの不確実性に加え、国内では人手不足といった構造的な逆風が続いています。内部的にも、ブランドイメージの低下、提案力の不足などに危機感を持っており、市場からの評価も非常に厳しい状況です。グループ構造が大きく変化した今こそ、企業風土やカルチャーのあるべき姿への変革に改めて取り組む必要があると考えます。
 他方で、当社は日米を中心に、1日約6,000万人のお客様が訪れるという比類のないグローバル・リテールプラットフォームを擁しています。現場起点の価値創造を再加速し、デジタル技術とデータの活用を一段と推し進めることができれば、再成長の余地は大きいと考えています。こうした現状認識を踏まえ、取締役会として議論すべき重点議題を4つに絞り込みました。

2025年度取締役会における重点課題

 まずは、これまでの国内を中心とした多様な業態を擁するグループから、グローバルなCVS事業に特化した新たな事業形態へと変化した現状を踏まえ、持株会社、および各事業会社の役割を再定義し、必要な機能とそれを担う人財を強化していくことが最優先課題であると考えています。
 2点目は、事業をグローバルに拡大していくなかでガバナンス体制をどのように構築していくかという点です。事業会社への権限移譲による意思決定、行動の迅速化、一方ではサイバーセキュリティ、BCPなど、リスク管理を含む内部統制の仕組みの再設計も重要になってきます。そのためには、事業管理や運営のフレームワークを一新することでグローバルの規模と知見(ベストプラクティス)を活用するセンター・オブ・エクセレンスとしての役割を当社が発揮できるよう監督していく必要があります。
 3点目は、新体制のもとで2025年8月に発 表した「7-Elevenの変革」に記された成長、構造改革のための取り組みを執行において着実に遂行できているか、環境変化に応じて迅速に軌道修正が行われているか、その遂行状況をモニタリングしていくことです。その際には、状況を的確に把握しつつ、マイクロマネジメントに陥ることなく、執行と監督の適切な距離感を保ち、建設的な対話を通じて取締役会の監督機能を発揮していく所存です。
 して最後に、より一層重要性が高まっている人的資本、その基盤となる企業風土・意識改革について議論を深めていく必要性を強く感じています。これまで掲げてきた「信頼と誠実」や「変化への対応と基本の徹底」「お客様の立場に立って考える」という考え方が今現在の日々の活動に浸透しているかを今一度振り返るとともに、大きく変わる事業環境において、グローバルなリテールグループとして共有すべき新たな価値観を定めていく必要があります。

取締役会運営

筆頭独立社外取締役 取締役会 議長 八馬 史尚の写真

 私の考える取締役会議長としての重要な役割は、取締役会の実効性を高めることであり、そのためには株主の視点を含めて議題を俯瞰し、その論点を明確化し、建設的な議論を通じて結論形成に導くことが肝要です。今期から経営体制が大きく変わり、新たな取締役も加わったことで、取締役会は一層多様性に富んだ場となりました。意見が異なることもありますが、それも健全な議論の証だと考えています。
 こうした環境では、緊張感と協調性を両立させた、密度の高いコミュニケーションが不可欠です。そのため、私は議場内外での対話を重視しています。執行側の会議の傍聴や取締役会の前後におけるCEOや執行部門、監査役とのミーティングを積極的に設け、丁寧な情報交換を心がけています。特に新任の社外取締役に対しては、情報量の差を埋めるための擦り合わせの機会を意識的に設け、議論の円滑化とより一層の活性化を図っています。

企業価値向上に向けて

 取締役会は、戦略議論と施策のモニタリング、そのためのKPIの進捗管理を通じて株主・投資家の皆様にお示しした2030年への成長戦略、構造改革の歩みを確かなものとすることと、資本効率や株主還元の状況を可視化し、ステークホルダーの皆様と共有していくことが重要な役割です。
 戦略策定や施策の進捗を監督することは我々社外取締役の根幹を成す仕事ですが、今後はそのスピードをより重視していきます。小売りの現場の活性化は、日々のお客様の動きに合わせてPDCAを高速で回しつつ的確な軌道修正を行うことが要諦であり、その迅速化は施策の精度を高めていくうえで極めて重要です。2030年という目標は、会社経営の観点からはそう長い時間ではなく、当社グループは経営のスピードをより一層上げていくことが求められていることを強く意識しています。
 「7-Elevenの変革」については、ステークホルダーの皆様からさまざまな声を頂戴しました。それらのなかには成長への期待だけでなく、さらなる改善の余地に関するご指摘や疑問も含まれています。今後も株主・投資家の皆様をはじめステークホルダーの皆様の声に真摯に耳を傾け、建設的な対話を通じて、経営の透明性・効率性を高め、企業価値の向上に努めてまいります。

指名委員会委員長メッセージ
独立社外取締役 指名委員会 委員長 山田 メユミの写真

世界トップクラスの
CVS企業グループを支える
次世代経営陣の育成を注視してまいります。

独立社外取締役
指名委員会 委員長
山田 メユミ

あるべきリーダー像を議論

 私は、当社の社外取締役が初めて過半となった2022年5月に取締役に就任しました。当時より、当グループの大胆な構造改革の行方には社内外から大きな関心が寄せられ、新任取締役や次期CEOを選任する指名委員会の議論にも注目が集まるようになっていました。委員会における社外取締役の役割は、企業の持続的成長と健全なガバナンスの確保に向けて、客観的な視点から建設的な提言を行うことです。こうした役割への期待は年々高まっており、就任以降、その重要性が増していることをつねに実感してきました。特に2023年、指名委員会の委員長に就任してからの2年間は、新たなグループ構造や事業変革に向けた施策の議論が一層活発化したこともあり、次期取締役の候補者選定を急いで進めることがミッションとなりました。そのなかで当委員会は、新たな成長戦略を率いるCEOにはどんな資質と能力が求められるのか、取締役にはどんな知見やスキルが必要か、日本発のグローバルCVS企業としてのあるべきリーダー像やガバナンス体制について積極的に意見を交わすよう努めてきました。

「対話力」と「実行力」を兼備するトップへの期待

 私たちが次期CEO像の中核に据えたのは、グローバル市場での流通・小売業のマネジメント経験と、多様なステークホルダーに真摯に向き合う姿勢、そして戦略を実行し成果に変えるパワーです。いくら魅力的なビジョンや戦略を描いても多くの関係者に伝わらなければ評価は得られず、その実効性にも限界があります。私は、これからのグローバル企業のトップには、組織に強く影響を与え経営を推進する「カリスマ性」よりも、ステークホルダーとの対話を起点に戦略を着実に実践していく「対話力」と「実行力」が不可欠だと考えています。
 そのような力を併せ持っているのがスティーブン・ヘイズ・デイカス氏であり、CEOとしての任命に至りました。彼は、日米の小売業のほか食品・外食企業でもリーダーシップを発揮してきた実務家であり、バイリンガルとしてグローバルの橋渡し役も担える人財です。とりわけ「改革を実践するスピードを重視する」「上意下達型ではなく、部下や組織の成長を最優先するサーバントリーダーでありたい」という姿勢は、グループの成長を実現するうえで大きな推進力になると期待しています。

CxOのサクセッションプランを議論

 2025年の定時株主総会では、かねてより作成を進めていた候補者リストに基づいて、CEO交代と同時に4名の新任社外取締役が就任しました。いずれの方も当社のグローバル成長に不可欠な知見や経験をお持ちであり、取締役会の多様性は一層高まっています。そのうえで、真のグローバルCVSグループを見据える私たちの次の課題は、マネジメント層(CxO)の厚みの拡大と、機能の強化であると考えています。現在、取締役会では「持株会社としてのあるべき姿」の再定義を進めているところであり、並行して今後求められるCxOのサクセッションプランについても議論していきます。
 また、現在、女性活躍やDXを含めた幹部候補者の育成にもオブザーバーとして関わっていますが、次世代人財の育成に関しても、国境を越えて人財を戦略的に活用する「グローバルタレントマネジメント」の具現化を促すよう積極的に意見していきたいと考えています。
 指名委員会では、引き続き取締役会とともに指名プロセスの質を高め、採用・育成・登用の好循環をつくり出す役割を果たしてまいります。

報酬委員会委員長メッセージ
独立社外取締役 報酬委員会 委員長 ポール 与那嶺の写真

グローバルな価値創造の起点となる
報酬制度を確立してまいります。

独立社外取締役
報酬委員会 委員長
ポール 与那嶺

グローバル成長と株主価値向上の原動力として

 2022年に社外取締役として取締役会に加わって以来、私たちは構造改革や買収提案への対応に多くの時間を費やしてきました。これらの戦略的議論は将来のビジョンにとって極めて重要でしたが、積極的な成長戦略の策定に集中する時間が一時的に削がれることもありました。
 現在は、新たに就任したスティーブン・デイカスCEOのリーダーシップのもと、私たちはCVSグループのグローバルな成長戦略を明確化し、持株会社の理想的な構造と役割を定義するために多くの時間を割いています。この重要な局面において、私の使命は明確です。新たな構造に完全に整合し、株主価値の向上に確実に貢献する報酬制度を確立することです。

価値創造と人的資本戦略を融合

 私は、魅力的で持続可能な報酬制度こそが価値創造プロセスの出発点であると考えています。それは、グローバルな経営スキルを持つ幹部から、次世代のリーダー候補、そして世界中の店舗オペレーションを支える従業員まで、組織全体の優秀な人財を惹きつけ、動機づける制度でなければなりません。すべての人が報酬に魅力を感じ、仕事に誇りを持ち、挑戦を続け、その成果が持続的な利益に直結することを実感できる仕組みが必要です。

米国のベストプラクティスを正しく理解する

 この目標を達成するためには、まず米国における報酬制度と運用のベストプラクティスを正しく理解する必要があります。北米事業は高成長を遂げており、当社の将来を牽引する極めて重要なエンジンだからです。
 私はこの課題に対して、日米両国の視点を持つユニークな立場にあります。米国の金融機関や大手コンサルティング会社でCEOを務め、また日本では外資系IT企業の社長としての経験を通じて、両国の報酬委員会のアプローチや評価プロセスを深く理解しています。現在は、米国のSEIにて社外取締役および報酬委員会委員長としても活動しており、双方向の戦略的な連携のための枠組みを構築しています。

グローバルCVS企業にふさわしい制度を

 米国モデルをそのまま導入することは現実的ではありません。生活コストや生産性、産業構造の違いなど、各国の事情を踏まえる必要があります。とりわけ日本においては、年功序列による昇進や職務定義の曖昧さといった慣習が成果主義的な報酬制度への移行を困難にしています。
 それでもなお、グローバル競争に挑む企業の報酬委員会委員長として、私はこの変革を粘り強く推進する責任があります。グローバル人財を惹きつけられず、流動性を阻害する硬直的な制度は、間違いなく成長の足かせとなります。この危機感と使命感を持って、報酬委員会および取締役会は、真にグローバルなCVS企業にふさわしい報酬制度の定義に取り組んでいます。

日米の架け橋として

 私は日本で生まれ育ち、米国の大学を卒業後、異なる言語・文化・価値観の中で、コミュニケーション、交渉、傾聴、共感といった本質的なスキルを磨いてきました。米国で生まれ、日本で成長した「7-Eleven」をグローバルに展開するなかで、日米をつなぐ架け橋となることが私のライフワークです。
 人を育て、挑戦に報い、持続的な株主価値の向上を実現する報酬制度を確立することで、7-Elevenが世界中のビジネスパーソンから尊敬される企業ブランドであり続けるよう、私はその役割を全うしてまいります。