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CSuOメッセージ

代表取締役 専務執行役員 最高サステナビリティ責任者(CSuO) 伊藤 順朗の写真

社会課題解決に焦点をあてた事業展開を
グローバル企業としての
“使命”と位置づけ
経営の質を高め続けてまいります

代表取締役 専務執行役員
最高サステナビリティ責任者(CSuO)
伊藤 順朗

グループの持続的な成長を支える 重点課題(マテリアリティ)を再特定

 当社グループは、サステナブル経営の一層の深化に向けて、2022年に「重点課題」を見直しました。
その背景には、事業を取り巻く社会の変化があります。その最も大きなものは、温暖化をはじめとした地球環境や人権の問題に対する関心の高まりです。これら人々の関心は、国連が掲げる持続可能な開発目標(以下、SDGs)の浸透も相まって高まり続けており、今やグローバル企業にとって社会課題解決に焦点をあてた事業展開は一つの“使命”になっていると感じています。
この変化を踏まえ、SDGsなどの世界的な枠組みやESG評価機関の調査項目などを加味して検討すべき社会課題を抽出しました。そして、セブン-イレブン加盟店オーナーを含めた5,000人を超えるステークホルダーへ「当社グループが取り組むべき課題」についてアンケートを実施し、有識者とのダイアログも踏まえ、約1年かけて、「重点課題」を見直しました。

小売業にとって重要な「人」にフォーカス

 重点課題の見直しに際して、私たち経営陣が最も重視したポイントは、「人」です。
 小売業は、品揃えや価格はもちろんですが、お客様にいかに気持ちよくお買物をしていただけるかが極めて重要です。当社グループは国内外に16万人以上、世界のセブン-イレブン加盟店も含めるとさらに多くの従業員に支えられており、お客様に日々新たなお買物体験をしていただくためには、すべての従業員が健康で前向きな気持ちで仕事ができる職場環境の整備や従業員の能力向上の機会の提供が不可欠です。こうした観点から、今回、改めて“あらゆる人々の働きがい・働きやすさを高めていくこと”を経営の約束として明示しました。

「目指す企業像」の実現に向けて、ステークホルダーの皆様とともに経営の質を高めていく

 当社グループは、原材料メーカーや製造メーカーが生み出した価値を、ステークホルダーの皆様に責任を持ってお届けする役割を担っており、日々約6,000万人の世界中のお客様をはじめ、多くのお取引先様・加盟店オーナーの皆様との接点を有しています。また、当社グループは現在、「『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を目指して、国内外コンビニエンスストア事業を成長ドライバーと位置づけ、世界各地でバリューチェーンを拡大しています。
 そのような当社グループにとって、「世界トップクラスを目指す」とは、売上や利益といった量的な面もさることながら、経営の質的な面でもトップクラスであること、すなわち地球環境や地域社会のサステナビリティについて、バリューチェーンを構成する世界各地のお客様、お取引先様・加盟店オーナーの皆様、従業員とともに高めていく企業グループであらねばならないと考えています。そうした想いをもとに、今回新たに重点課題として加えたのが“パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する”という項目です。
 2012年から国内外のお取引先様とともに取り組んでいる「CSR監査」、2019年に改定した「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」、当該指針に基づく人権デュー・ディリジェンス体制の強化などはパートナーシップ強化の一環です。環境面では、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の取り組みを北米の7-Eleven, Inc.とともに取り組んでおり、今後も世界各地に広げていく計画です。また、お客様とともにサステナビリティを高めていくために、各種のサステナビリティ認証を取得した水産物の販売にも注力し、セブンプレミアムを含むオリジナル商品では2050年までに100%持続可能性が担保された食品原材料にすることを目標に掲げています。さらに、地域社会との関係では、国内各自治体と地産地消や高齢者支援、健康増進、環境保全など幅広い分野で連携する「包括連携協定」の締結を推進しており、今後も拡大していく計画です。

成長のなかでも忘れてはならないこと―― 地域のお客様に寄り添う

 小売業は、地域のお客様の生活に密着した業種・業態です。積極的なグローバル化を進めていくなかでも、小売業である我々が決して忘れてはならないのは、その地域で暮らし、働く、一人ひとりのお客様のお困りごとや、ご不安・ご不満に寄り添いながら、その解決策を提案していくことです。これらご不安やご不満は潜在的なニーズであり、それらに一つひとつお応えしていくことこそ、本業を通じて社会課題を解決していく当社グループのサステナビリティ経営の基本であると信じています。
 世界各地で事業を展開する「グローバル企業」は数多く存在しますが、「グローバルコンシューマー」は存在しません。お客様はあくまでそれぞれの地域にお住まいになり、地域ごとの習慣や文化のなかで生活されています。このことを肝に銘じて、Think Global, Act Local.の精神で、これからも環境や人権などの重要な社会の課題解決に1店舗1店舗のお店を通して取り組んでまいります。

セブン&アイグループの重点課題