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CSuOメッセージ

代表取締役副社長 スーパーストア事業管掌 兼 最高サステナビリティ責任者(CSuO)兼 最高管理責任者(CAO) 伊藤 順朗の写真

アクションプランの実行を通じて
グローバルなサステナビリティ戦略を
推進してまいります

代表取締役副社長
スーパーストア事業管掌 兼 最高サステナビリティ責任者(CSuO)
兼 最高管理責任者(CAO)
伊藤 順朗

「理念」「社会性」「革新性」を大切にしながら
グループ事業のサステナビリティを高めていく

 当社グループは、4月に発表したアクションプランの「最適グループ構造への移行」が示すように、事業構造を大きく変えようとしています。こうした変化のなかで我々が考えなければならないことは、セブン&アイグループがこれからの社会にどのようなスタンスで向き合い、お客様にどのような価値を提供し、環境や社会にどのような好ましい変化を起こしていくのか――サステナビリティ戦略の根幹となるグループのコアバリューを改めて定義することです。
 そのために、私は3つのことを突き詰めていくことが重要と考えています。
 一つ目は、物事を進めるうえでの拠り所となる「理念」です。「あらゆるステークホルダーに信頼される誠実な企業」という社是は揺らぐことのないグループの大切な価値観ですが、その実践にあたってはさまざまなステークホルダーとの「対話」を重ね、試行錯誤していく必要があります。
 二つ目は、「社会性」です。現在進めている構造改革は、まさにSST事業の社会性が問われているためであり、成長戦略へ移行するためには、SST事業が創出する価値とは何かを十分に議論していく必要があります。
 そして、三つ目として、事業の存在感を高めていくための「革新性」です。1974年に営業を開始したセブン-イレブンは、「24時間営業」「共同配送システム」「単品管理」「公共料金収納代行」「銀行業」、さらにはプライベートブランド「セブンプレミアム」などの革新的な取り組みを通じて変化対応力を磨き、日常生活になくてはならないライフラインとしての地位を築きました。
 このように、私は「理念」「社会性」「革新性」を備えた事業こそが健全な収益を生み、成長投資を通じてステークホルダーの皆様と豊かさを分かち合うことができると信じています。このことを改めて肝に銘じながらグループの構造改革を推進してまいります。

「食のバリューチェーン」を世界に拡げながらグローバルな人権・環境問題に臨む

代表取締役副社長 スーパーストア事業管掌 兼 最高サステナビリティ責任者(CSuO)兼 最高管理責任者(CAO) 伊藤 順朗の写真

 グループの持続性を追求するとともに、小売業としてのサステナビリティ戦略をグローバルに高めていくことも私の重要な役割です。これに関しては、「世界トップクラスのリテールグループ」を実現していくプロセスのなかで生まれる多様なステークホルダーとの対話を機会ととらえ、施策に活かしていきたいと思っています。
 そのなかでも重要なテーマは「人権」と「環境」です。我々小売業は、消費者に最も近い業態であり、セブン-イレブンは食材調達や生産、物流など、世界各地にバリューチェーンを拡大しており、その影響はプラスにもマイナスにも作用します。そこで当社は、お取引先様に人権の尊重や地球環境保全などをお願いする「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」を策定し、ご理解と遵守、実行をお願いしています。さらに、当社のオリジナル商品の製造委託先に対しては、「CSR監査」を継続的に実施しているほか、人権デュー・ディリジェンス体制の強化などを図っています。
 「環境」面では、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』のもと、TCFD提言に基づく情報開示を行い、TNFD提言への対応も進めています。脱炭素に関しては、国際的なエネルギー供給のひっ迫などにより、資本市場での要求はやや緩和されていますが、冷蔵設備を多用し、24時間営業を行うCVS業態の持続性を高めるためにも手綱を緩めず、しっかり対応していきたいと考えています。また、環境問題や食糧問題に対応していくために、持続可能性が担保された食品原材料の活用や認証を取得した水産物の販売を進めていますが、まだまだ品数が少ないことから、粘り強くお取引先様に働きかけていくことが重要です。

課題解決に向けて想像力を働かせる従業員とともに未来をつくっていく

 事業のグローバル化を進めるなかで、地域で暮らすお客様の負の解消に心血を注ぐ従業員は、その原動力と言えます。お客様に心豊かなお買い物体験をしていただくためには、従業員が健康で前向きな気持ちで仕事ができる職場環境の整備や能力向上の機会を提供することが必要であり、我々経営陣の重要な役割の一つです。
 とはいえ、当社グループの国内外約16万人、世界のセブン-イレブン加盟店を含めてさらに多くの従業員全員のエンゲージメントを高めていくことは大変難しいことです。そこで、まずは我々経営陣が従業員と対話をしながら、課題を一つひとつ解決していくために、「エンゲージメント向上委員会」を通じてさまざまな対話の機会を設けています。
 また、グループ従業員やパートナー社員も参加する社会課題解決型ビジネスプランコンテスト「SMiLE」も3年目を迎え、参加者が累計で約1,500人となりました。これは、お客様の困りごとに寄り添いながら、当社の「理念」、7つの重点課題を踏まえた「社会性」と「革新性」を併せ持つ事業を創出していくための取り組みで、有望な事業シーズを見出すと同時に、グループの成長に不可欠な起業マインドが醸成されることを期待しています。
 グループの構造改革の完遂から、グループ最適構造の実現へ、我々経営陣の胆力と実行力が試されていることを十分に自覚しながら、変革のダイナミズムをサステナビリティ経営の一層の深化につなげてまいります。