中国コンビニエンスストア事業

安全・安心な商品づくり

「食」の安全・安心に対する関心が高まる中国で、セブン‐イレブン北京有限公司、セブン‐イレブン天津有限公司、セブン‐イレブン成都有限公司では、日本で培った品質管理・商品開発力を活かして、安全・安心な商品の提供に努めています。

SDGs3 すべての人に健康と福祉を

商品の品質管理

 中国におけるプライベートブランド商品には、原材料の選定に厳しい基準を適用しており、製造工場は日本への輸出経験があるなどの項目を審査して、品質レベルの高い工場を選定しています。
 プライベートブランド商品のみを製造する専用工場では、食品安全管理の国際システムや日本の工場での対策を取り入れて品質管理を強化しています。セブン‐イレブン北京と天津の専用工場である北京旺洋食品と香奈維斯工場では、同業他社よりも早い2017年1月にチルド食品の「SC(食品生産許可)」を取得しました。SCとは、それまでの「QS(食品品質安全)」から2018年10月までに切り替えて取得する必要がある食品製造に関する中国の法令です。また、キューズカフェ工場は2017年3月に、北京旺洋食品は2018年3月にHACCP※1を取得しています。セブン‐イレブン成都も、お取引先に国内法令よりも厳しい独自基準への適合を依頼するととともに、店舗従業員にも定期的に品質管理に関する勉強会を開催し、安全・安心の確保に努めています。
 3社では、商品の味・品質をより安定させるために、製造工程の自動化を進めています。セブン‐イレブン成都に商品を供給する成都永利達食品有限公司は、2018年7月におにぎりの成型包装機械の導入を拡大し、2019年からは、製麺機械を採り入れました。2020年には調理設備の増強を行い、品質の向上に加え今までになかった新たな商品の提供を継続実施しています。北京旺洋食品は2019年3月から本格稼働を始めた調理パン専用工場で、製パン工程や商品の包装を中心に機械化を図りました。セブン-イレブン成都にパン・サンドイッチを供給する成都元気食品は、2020年にパン・サンドイッチ製パン工程や商品の包装を機械化し品質を継続して高めています。
 そのほか、セブン‐イレブン成都は、2019年2月から専用の産地で栽培管理を行い、低温で輸送・加工(「コールドチェーン(低温物流網)」)することで高い鮮度を保った野菜を使用したサラダの販売を始めました。同様にセブン‐イレブン天津も、2019年7月からコールドチェーンを利用したサラダの販売を開始しています。

  1. ※1食品の衛生管理手法HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理)

健康への配慮

 セブン‐イレブン北京と天津、成都のオリジナル商品の常温パンについては、心臓疾患のリスクを高めるといわれているトランス脂肪酸の"0(ゼロ)"を実現しています。また、2019年1月より、おにぎり・お寿司のアレルゲン表示を開始し、順次、お弁当・サンドイッチなどのデイリー商品に拡大しています。セブン‐イレブン北京では2021年度下半期から、サンドイッチとサラダでカロリーの表面表示を開始する予定です。また植物肉を使用したサラダを発売予定です。
 また、セブン‐イレブン天津は、2020年度下半期から健康をテーマにして、雑穀ご飯などのお弁当や野菜を豊富に使ったサラダなどを発売しています。

お客様満足の向上

 セブン‐イレブン北京と天津、成都では、お客様の立場で商品・サービスを改善するために、お客様の声の収集に努めています。お客様からいただいたご意見は、日々各部署や店舗と共有しています。お客様ニーズの変化を把握し商品に反映させるために、セブン‐イレブン北京と成都では定期的にお客様アンケート調査を実施しています。また、セブン‐イレブン天津は、2019年9月に商品展示会を開催しました。そこで新商品の試食や、今後のニーズなどのアンケート調査を行い、商品開発に活かしています。
 3社では、従業員の接客サービスを向上させることを目的とした研修を実施しています。セブン‐イレブン北京は、2019年度に全店舗の夜間帯の責任者を対象として、地域の責任者が講師となり接客教育を実施しました。セブン‐イレブン天津は、2019年度に10回の研修に41店舗、72人が参加、接客の重要性やレジでの接客方法などを実際の事例をもとに習得しました。さらに、テストに合格した従業員には「接客スター」のバッジを配布しました。 セブン‐イレブン成都は、2020年度から、接客レベル向上のための研修プログラムを採り入れました。トレーナーが店舗を訪問し、従業員のレジ接客レベルとFF商品販売対応レベルなどを評価(0~100点)し、課題がある店舗については集中研修を行い、加えて“TTT会議”(Training The Trainer)を実施、評価のフィードバックや情報を共有する一連のサイクルを通じて、レベルアップを図っています。特に個店毎にトレーニング責任者を設定し、月単位で行った“TTT会議”の中に、優秀店舗の事例、店内教育の方法などを共有することを通じて、2020年度は、全店舗でお会計時の接客レベルが向上し、ファーストフードの販売額が増加しました。2020年末に、接客優秀個人5名、優秀店舗3店舗に対し表彰を行いました。
 また、セブン‐イレブン北京は、接客サービスに優れた従業員を表彰する「親和賞」を設けて、3カ月に1度表彰を行っています。受賞者を会議などの場で表彰することでモチベーションの向上を図るとともに、その受賞理由となった事例を広く紹介することで模範事例の拡大を図っています。

セブン‐イレブン成都“TTT会議”の様子

地域社会との共生

地域社会の一員として、セブン‐イレブン北京と天津、成都では、それぞれの会社が社会貢献活動を実施しています。

SDGs10 人や国の不平等をなくそう

店頭募金による環境保全活動

 セブン‐イレブン北京では、2006年11月から店舗に募金箱を設置してお客様からの寄付を募り、政府公認の環境保護団体「北京緑化基金会」に寄付しています。同基金会は砂塵被害や砂漠化対策として、市民の寄付をもとに木を植え、北京および周辺地域に砂防林をつくる活動をしています。2018年度からはお客様に気軽にご参加いただける活動として、コーヒーをお買上げいただくと売上の一部を北京緑化基金に寄付する取り組みも開始しました。2019年度は、従業員50名が北京郊外で植樹活動を行うとともに、2019年度は100,996元を、2020年度は49,409.66元を寄付しました。

北京緑化基金への募金額の推移
2018年度 2019年度 2020年度
108,974元 100,996元 49,410元

子どもへの支援

 セブン‐イレブン成都は、2013年から脳に障がいがある児童の暮らす「善工家園」へ継続的に支援を行っています。2019年度は、12月に総経理と有志従業員が善工家園を訪問し、アトラクションをしたり、ゲームをしたりして子どもたちと一緒に遊びました。また、会社からは生活用品などを寄付しました。2020年度は、コロナウイルスの影響があった為、会社は2名の有志従業員を指定し、代表として善工家園を訪問し、生活用品などを寄付しました。

セブン‐イレブン成都による「善工家園」への物品寄贈金額
2018年度 2019年度 2020年度
1,992元 2,000元 1,990元
「善工家園」訪問の様子

働きがいのある職場づくり

 中国での店舗展開を進めるにあたっては、現地従業員の育成・登用が不可欠です。セブン‐イレブン北京と天津、成都では、従業員のコミュニケーション能力を高め、自ら考えて行動できる従業員の育成を目的に、各種研修の開催と能力を最大限に発揮できる職場づくりに努めています。

SDGs5 ジェンダー平等を実現しよう
SDGs8 働きがいも経済成長も
SDGs10 人や国の不平等をなくそう
従業員関連データ(2020年度)
セブン‐イレブン北京 セブン‐イレブン天津 セブン‐イレブン成都
正社員(男性・女性) 336人(169人・167人) 158人(51人・107人) 168人(57人・111人)
パートタイマー 163人 151人 111人
障がい者雇用率 3.02% 4.40% 1.43%
従業員関連データ(2019年度)
セブン‐イレブン北京 セブン‐イレブン天津 セブン‐イレブン成都
正社員(男性・女性) 491人(246人・245人) 208人(76人・132人) 232人(85人・147人)
パートタイマー 774人 97人 296人
障がい者雇用率 2.40% 2.30% 1.32%

能力向上支援

 本部と加盟店オーナーを結ぶ重要な役割を果たすOFC(発注や品揃え、従業員の教育面など経営全般をさまざまな角度から加盟店にアドバイスをする店舗経営相談員)候補者は、まずトレーニングストアで店舗勤務の経験を積み、「基本4原則」「単品管理」「従業員の採用・教育・作業割り当て・評価」「経営数値」などの基本的なことを学びます。セブン‐イレブン北京と天津では、AFC(OFCのアシスタント)候補者とAFCへの教育に力を入れています。
 セブン‐イレブン北京では、AFCがOFCに同行して店舗を回り、OFC業務への理解を深めるOJTを充実しているほか、商品部・建築・人事などの関連部門の業務を学ぶ研修も採り入れています。セブン-イレブン北京は、OFCの育成期間を短縮するために、トレーニングストアの店長の段階でOFCの関連知識について研修し、テストを実施しています。従来の知識習得のほか、ロールプレイングも取り入れ、店長がOFCになりきって、加盟店オーナー役が提出した経営問題に対し、現場指導を実施します。同時に経験豊富なトレーナーと一緒に店舗を回り、既存のOFC業務を経験します。
 セブン‐イレブン天津では、2019年度にAFCの評価項目の見直しと、定量評価の仕組みを導入しました。従来の定性的な評価を改め、コミュニケーション能力など評価項目ごとに基準を明確化し、点数化して評価を行います。また、2021年3月から本部各部署からの集中トレーニングを毎週実施してます。OFCの業務知識を豊かにするために、店舗指導に関わる建築知識、財務知識、商品知識・運営知識などを習得します。特に特殊な状況に置かれた加盟店オーナー様への返答方法や問題解決方法などを教育しています。さらに、2020年の下半期より、店長会議において課題発表を実施しています。単品管理を主題とした発表を通じて問題点の分析力、解決力、検証力を向上します。信頼のおけるOFCとして加盟店オーナー様へ円滑な説明を行うための、事前教育を進めています。
 セブン‐イレブン成都では、2018年度から新たに店長を対象とした研修を開始し、経営数値の分析や業務に必要なパソコン操作などの教育を実施しています。2019年度は、50名の店長向けに数値分析や従業員の育成、店舗管理の知識などの研修を12回実施しました。 2020年度は、直営店舗数の減少に伴って教育の中心を実習生と人材の選抜にシフトし、「人材プール」という概念を導入して、潜在力のある優秀な従業員の育成に注力し、レベルの高いOFCの育成を目指しています。
 OFCには、毎週開催する全OFCが集まる会議の中で、会社の方針を共有するとともに、加盟店との円滑なコミュニケーションの図り方などの職務能力向上に必要な教育を実施しています。また、セブン‐イレブン成都では、本部社員向けに会社の体制や業務に関する法律・考え方のほか、ビジネスマナーやパソコン操作などを学ぶトレーニングを実施しています。

研修の様子

意欲を高めるための仕組み

 従業員の悩みを解決し、意欲を高めるためのさまざまな施策を実施しています。例えば、セブン‐イレブン天津、セブン‐イレブン成都では、従業員が希望する職種に応募できる「社内立候補制度」を導入しており、希望者と本部各部門や人事部などとの面接を通じて選抜しています。セブン‐イレブン北京は、従業員の生の声を収集し、改善に活かしていくために、契約更新面談と退職面談を仕組み化しています。そのほか、定年退職の会を催し、長年間会社に勤めたことに対する感謝を表し、「従業員を大切に」する精神を表しています。

社員の意欲を高めるための仕組みの例

  • 従業員が会社に相談できる連絡窓口を運用
  • 社員に対する人事部門による面談
  • 新入社員に対する上司による面談
  • 従業員間の交流を深める社員懇談会
  • 意識アンケート調査
  • 優秀社員を表彰することで、ロールモデルを社員間に共有

公平な評価・処遇

 セブン‐イレブン北京と天津、成都では、毎月の面談評価と年間評価を組み合わせた評価制度を採用しています。毎月一次上長と業績達成度合いについて面談するのに加え、年1回、各自が自己評価を行った上で、一次上長、二次上長が評価と面談を行います。なお、毎月の評価は会社業績・部門業績と個人の仕事ぶりで評価しています。評価をする管理職に対しては、正しく部下の評価を行い、人材育成を図れるように教育を実施しています。
 評価方法は常に改善を図っており、セブン‐イレブン北京では、社外の専門業者にご協力いただき、各職務に必要な能力の項目の見直しを行いました。さらに、面談を年1回から四半期ごとに変更し、年度の業績目標を達成できるよう、定期的に進捗を確認するようにしました。2020年度はコロナの影響で年間評価と面談だけを実施。重要な職位に対し集中して面談を実施することで従業員が抱えている問題を把握し、アフターコロナの需要に合わせた業務調整を行っています。
 セブン‐イレブン天津では、20年下半期から直営店の昇進基準を改善し、筆記試験+実技+総合評価+面接を実施し、点数評価による公平平等な昇格の制度を実現しました。
 セブン‐イレブン成都では、2019年度に組織変更と評価制度の変更を実施しました。2020年度からは、管理職には四半期ごとに評価・面談を実施、管理職以外は毎月評価を実施しています。

女性の活躍推進

 中国では、出産や育児に関する休暇を男女に手厚く与えるよう労働契約法で定められています。また、男女平等であり、女性は結婚後も働き続けることが一般的です。こうした法制度と実力本位の管理職登用が相まって、各社では女性の役職への登用が進んでいます。2012年には、初となる中国人女性董事がセブン-イレブン天津で誕生しました。2018年12月末現在、セブン‐イレブン北京と天津、成都では、役員を除く管理職の約半数が女性となっています。また、2018年3月には、セブン‐イレブン北京で新たに董事副総経理・董事へ、セブン‐イレブン天津で董事に女性が登用されました。

インターンシップの実施

 セブン‐イレブン天津と成都は、優秀な人材確保のほか、地域の人材の雇用、青少年の育成などを目的として、インターンシップを実施しており、高校卒業生の就職を促進する政府の「青年就職インターン基地」として認められています。セブン‐イレブン天津では、2019年度は63人を受け入れ、そのうち22人がセブン‐イレブン天津に就職しました。セブン‐イレブン成都では、138人を受け入れ、そのうち18人が2019年7月に本採用になりました。

環境負荷の低減

 中国政府は気候変動問題を重要視しています。北京市では年間のCO2排出量が5,000トンを超える企業は、重点的排出企業として業態ごとにCO2排出量の上限が定められ、超過する分については排出権の購入が必要になります。この制度の対象となるセブン-イレブン北京では、2019年度は、店舗数の増加やチルドケースの増加によって全体のCO2排出量が増加したことで、上限排出量を超過したため、約14,000トンの排出権を購入しました。また、セブン‐イレブン天津と成都も、店舗数の増加や冷凍・冷蔵設備の新規導入などにより、いずれも電気使用量は増加しています。

SDGs12 つくる責任 つかう責任
SDGs13 気候変動に具体的な対策を
環境関連データ
セブン‐イレブン北京
  2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
店舗数 219 247 266 275 283
電気使用量(MWh) 24,856 25,702 26,537 29,773 24,251
水使用量(千m3 96 83 85 94 78
セブン‐イレブン天津
  2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
店舗数 82 118 155 178 179
電気使用量(MWh) 7,027 10,077 14,814 20,051 17,552
水使用量(千m3 24 34 42 57 49
セブン‐イレブン成都
  2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
店舗数 67 87 77 75 73
電気使用量(MWh) 6,031 7,892 11,137 9,720 7,631
水使用量(千m3 18 24 25 24 24

店舗における省エネ対策

 セブン‐イレブン北京と天津、成都では、3社とも全店でLED照明を店内照明として導入しているほか、冷気の流出を防止するためにウォークイン冷蔵庫へカーテンを設置するなどの省エネ設備の導入や、従業員の意識啓発などを通じて電気使用量の削減に取り組んでいます。セブン‐イレブン成都は、2019年度に35店舗で中華まんの什器にLED照明を導入しました。また、不要な時間の電気の消灯やエアコンの電源オフを徹底しています。セブン‐イレブン北京は、OFC(店舗経営相談員)向けの会議や商品展示会の場を通じて、OFCや加盟店オーナー様に省エネの徹底について情報共有を図っています。

ウォークイン冷蔵庫へカーテンを設置

専用工場の環境対策

 セブン‐イレブン北京と天津の専用工場である旺洋工場では、工場から出る不要な食材を養豚場の飼料に利用しています。同様に香奈維斯工場では、パン生地の残さを養殖場と契約して回収していただいています。また、両工場では汚水を排出しないように、行政の基準以上に清浄する排水設備の設置や廃油の回収を実施しています。そのほかにも大気汚染防止の観点から排煙の定期検査を実施しています。
 さらに、香奈維斯工場では、省エネのためにボイラーからの放熱ロスの削減を進め、ガスの使用量削減を図っています。

中国での取り組み