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セブン&アイの挑戦

「うれしい驚き」のゴルチエ・コレクション

「多くの女性を美しくしたい」というゴルチエ氏の想いのもと、高感度で上質なファッションを提案しています。

総勢13名のモデルが登場するメッセージ性あふれるテレビCM。

 10月1日、まったく新しいジャンポール・ゴルチエのファッションが、日本に上陸しました。そごう・西武全22店舗(内、西武渋谷店は10月12日までの期間限定)、イトーヨーカドー45店舗で販売をスタートした新プライベートブランド(PB)「ジャンポール・ゴルチエ フォー セットプルミエ」(以下「ゴルチエ」)コレクションがそれ。発売前日の9月30日にはフランス大使館でゴルチエ氏による記者発表も開催され、会見の席上、ゴルチエ氏はこう語っています。
 「セブン&アイという日本の有力な流通業との、ネットも含めたコラボレーションは、私にとって大変有意義な挑戦です。私は、日本の優れた商品づくりについてもよく知っており、信頼もしています。日本のお客様に喜んでもらえるコレクションになったと確信しています」
 このことは、メディアにも多数取りあげられ、注目の高さがうかがわれました。
 この「ゴルチエ」コレクションは、アウター、トップス、ボトムス、ワンピース、雑貨、合わせて約50型(500品目)
 ゴルチエ氏は、1976年のプレタポルテ・コレクションに「ジャンポール・ゴルチエ」ブランドでデビュー。日本でも78年から本格的なブランド展開を進め、人気を集めてきました。しかし、自身は「自分の創るべきファッションに専念する」として、2015年の春夏コレクションを最後にプレタポルテ・コレクションから撤退して、オートクチュールと香水部門に集中することを宣言。そのような状況の中で、セブン&アイHLDGS.との取り組みは、ファッション業界に驚きを持って迎えられ、お客様からも大きな歓迎を受けました。
 10月1日の売場オープン以降、そごう・西武、イトーヨーカドーどちらにおいても当初目標を大きく上回る実績を残しています。

オムニチャネルで新たな買物スタイルを創造

世界的に活躍するデザイナー、佐藤オオキ氏がショップ全体のデザインを手がけました。

 今回のコレクションが本格的に動き出したのは、今年の1月。共同開発に取り組む、そごう・西武とイトーヨーカドーの担当者がゴルチエ氏のアトリエをたずね、オムニチャネルでの展開をはじめとしたセブン&アイHLDGS.としてのコンセプトの説明などを行い、商品開発に向けた情報の共有と意志統一を進めてきました。さらに、「ゴルチエ」コレクションの什器をはじめショップ全体のデザインを手がけた佐藤オオキ氏ともパリで打ち合わせを行い、コレクションとして売場環境を含めたトータルなデザインコンセプトの共有化に意を注いできました。
 こうして誕生した秋物のコレクション。そのモチーフの一つは、ゴルチエ氏自身のアトリエ。デザイナーの仕事道具であるメジャーやまち針(クチュールピン)のモチーフがデザイン要素として、トップスやボトムス、あるいは靴や傘などの随所に採り入れられています。そして、もう一つのモチーフは、フランスと日本のミックススタイル。それぞれのシンボル的な風景も、印象的に展開されています。
 好調な販売実績の背景に、セブン&アイグループが11 月から本格スタートさせたオムニチャネル戦略「オムニ7」(P8参照)があります。ネットとリアルを融合させることでネットを24時間機能する宣伝媒体として活用し、リアルの店舗へ送客する相乗効果が生まれています。「WEBルーミング」というこの買物スタイルは、全国に約1万9000店舗を持つセブン&アイグループならではの強みです。ネットを見て興味を持たれたお客様が、実際の質感やサイズ、フィット感を確かめるために来店され、購入されるケースが多く見受けられます。

イトーヨーカドーでは、そごう・西武で2カ月間研修を受けたショップマスターを中心に、新しい接客スタイルに挑戦しています。

 また、今回の「ゴルチエ」コレクションを展開するにあたり、「接客販売の充実」を大きなテーマとして、準備を進めてきました。イトーヨーカドー45店舗のショップマスターは、意欲のあるメンバーを公募で集め、2カ月間、そごう・西武の売場で接客研修を受けました。ショップマスターとともに3名の専任販売員が接客にあたる販売体制を確立。売場が立ちあがってからも、そごう・西武の接客指導員(インストラクター)のもとで、百貨店と同レベルの接客の実現に取り組んでいます。そうしたグループ一体となった接客レベル向上の取り組みにより、お客様には「今までの総合スーパーにはない接客を受けられて満足」など、好評を得ています。
 商品、接客が一体となって「上質」を追求してきた結果、「ゴルチエ」を展開しているイトーヨーカドー45店舗では、衣料部門全体の売上げを押し上げる勢いを見せています。「従来、イトーヨーカドーをご利用いただいていなかったお客様も、数多くご来店いただき、『セットプルミエ』だけでなく、『ギャローリア』など周囲の売場にも目を留めていただくことで、売場に新たなチャンスが生まれています」と担当者は言います。イトーヨーカドーでは、これらの経験をマーチャンダイジング(以下、MD)にフィードバックしていくことで、さらなるMD改革を進めていきます。

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