「野越え山越え」の精神を体現した店舗
一方、石巻駅から北上川を渡り1キロほど東に位置する湊鹿妻(みなとかづま)店の被災状況は壊滅的でした。地震発生直後、津波の危険を感じた店長と従業員は、店内のお客様を屋上駐車場へと誘導避難。間一髪で津波の犠牲から逃れました。それから数日はこの屋上が100台の車、500人の被災者の避難所として機能。店内に残った食品をわけ合って、協力しながらしのぎました。
津波の被害が直接及ばなかった石巻蛇田店でも、家族の安否が不明のまま家に帰れなかった大勢の従業員が残っていました。しかし、夜明け前から並び始めたお客様を見て、6時半に店を再開。停電でレジが使えないことから均一価格で販売し、多くの人に行き渡るよう数量制限しながら、この日一日で4000人にのぼるお客様に対応しました。
その後、福島第1原発問題で20~30キロ圏内に屋内避難勧告が出たことから、当初は圏外の内郷店も安全策として休業。しかし、町には開いている店がほとんどなく、買物に困っている住民からの「営業してほしい」という声に応え、5日後には営業を再開。余震が頻発に起こる中、安全確保を第一に、喜んでくださるお客様や、家族、仲間を支えにがんばっています。
ヨークベニマルには、「野越え山越えはるばるお店においで下さるお客様に誠実の限りを尽くす」という創業精神が生きています。被災地の店舗で、一人ひとりの従業員がこの言葉を胸に奮闘を続けています。