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2022年1月4日

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

2022年 年頭ご挨拶
セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪 隆一


明けましておめでとうございます。


 2年間にわたるコロナ禍により、世界規模で発生している原材料や商品などの供給不足にともなうインフレが多くの商品分野を包み込んでいく可能性が高まっています。こうした点から、今年はお客様の生活防衛意識が高まることが予想される中、商品についてはお買い求めやすさを意識しながら、グループによる共同開発や共同調達などをさらに進めて、しっかりと利益成長を図ることが必要です。


 それと同時に、多くのお客様はコロナを前提とした生活に慣れ、ご家庭内でより豊かな生活を楽しむ工夫にも精通されてきました。私たちは、こうした「豊かさ」へのニーズにも的確にお応えすることが求められています。この年末年始の商戦においても、「ハレの日」需要へのご要望やご期待を満たすことができた事業会社が好成績を収めています。そこには、コロナによりさまざまな制約がある中でも「豊かさ」を実感したいというお客様の根強いご要望を感じました。

 

 当社グループは、昨年7月に新たな中期経営計画を公表し、これから5カ年の成長戦略をお示ししました。中でも大きな柱の一つとなるのはグローバルな成長力の創出です。米国のセブン-イレブン・インクが昨年5月にSpeedway社の買収を完了、さらに、7-Eleven International LLCを設立し「セブン‐イレブン」を世界中のお客様から信頼していただけるブランドとすべく取り組みを進めています。


 もう一つの重要な課題は、変化のスピードに追い付くための各事業会社同士の連携と強力なグループシナジーの活用です。現在のようにグループを取り巻く社会や経済のスピーディーな変化に迅速に対応するには、個社ごとの取り組みだけでなく、グループ各社の連携やグループシナジーの活用を強力に推し進める必要があります。そのため、中期経営計画では事業会社ごとの縦の戦略だけではなく、グループとしての横通しの戦略を5カ年の計画として落とし込みました。


 すでに、セブン‐イレブンでは、イトーヨーカドーのオリジナルブランド「顔が見える食品。」やロフトの日用雑貨などグループの商品を取り扱う試みが始まっています。今後、グループ各社ともグループ連携により、品揃えの拡充などに新たな視点で積極的に取り組み、お客様ニーズの変化に迅速かつ的確に対応していくことが重要です。


 また、DX戦略では従業員の皆さんの体験価値の向上や生産性の向上が、今年の重要なテーマです。例えば、スマホレジなどを導入することは、従業員の皆さんの作業負担軽減だけでなく、お客様のストレス軽減にもなります。このようにお客様と従業員双方の体験価値を高める新たな仕組みを、グループ各社とも積極的に構築していくことが大切です。

 

 さらに、私たちは「正しい成長」に取り組んでいきます。いまや地球規模でSDGsやESGへの意識が浸透し、課題解決に寄与するために企業も個人も行動変容が強く求められています。グループでは、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』、企業行動指針、人権方針などを通じて、社会課題としっかりと向き合いながら事業活動を推進するために目標や 指針を明示しています。私たち自身が常に現状を正しくとらえ、発信し、モチベーションを持続させていくことが必要です。

 このような経済的な成長と社会課題の解決を両立していく原動力は、グループ従業員の皆さんの行動力と「想い」です。「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」グループの基本姿勢のもと、新たなチャレンジに取り組んでまいりましょう。

(2022年1月4日 「新年初朝礼」要旨)


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