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2021年1月4日

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

2021年 年頭ご挨拶
セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪 隆一
明けましておめでとうございます。
 この年末年始は、新型コロナウイルス感染症の拡大によりお客様の購買行動も従来と異なるものとなりました。
お客様を安全にお迎えするためにグループ従業員の皆さんにも、今までとは違う緊張感と負担をもって臨んでいただき改めて感謝いたします。
 2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大(パンデミック)の中で、国内ではお客様の価値観や行動が大きく変容しました。これは一過性のものではなく、社会のパラダイムシフトをもたらす、大きな潮目であるととらえています。
グループ各社では、大きく変容する社会やお客様の生活の中で、従来の事業の在り方や形態に拘泥せずに、社会における存在意義を見直しました。今年は、これを実践していく1年になります。コロナ禍の先行きも不透明な中で、2021年はお客様の生活防衛の意識もより高まっていくでしょう。その中で価格競争に巻き込まれることなく、グループの強みを活かした対応を図っていくことが必要です。
  また、コロナ禍で「食」は一家団らんの重要な要素として、また健康生活の基本として、その役割と価値をいっそう高めています。セブン&アイグループの国内売上のうち、6割にあたる約5兆円が食品の売上であり、「食」の分野での価値提供を拡充していくことは、私たちの使命でもあります。昨年6月には、首都圏食品戦略の軸となる新会社として株式会社ヨークを発足しました。新たな店舗フォーマットの開発や物流機能等のグループ共通インフラの整備を図り、より高品質な商品提供と柔軟な出店戦略を通じて「食」への取り組みを成長の柱として強化していきます。
 DX(デジタルトランスフォーメーション)も、私たちの成長戦略です。DXは、従業員の皆さんには店舗作業等の圧倒的な効率化等を通じて仕事に創造性をもたらす新たな価値体験を提供し、お客様には今までにない利便性など新たな顧客体験価値をお届けする取り組みです。お客様のニーズがより高まっているラストワンマイルへの対応では、各社で新たな取り組みも進んでおり、2万2千店を有するセブン&アイグループならではの顧客接点や配送機能を活かすことで、
ネットで注文して身近な店舗で商品を受け取れるBOPIS (Buy Online Pick-up in Store / 店頭受取サービス)も、圧倒的な利便性を実現できます。すでに東京の品川地区ではセブン‐イレブンの配送機能を活かしたデニーズのデリバリーのテストも始まっています。さらに、今春にはグループ共通プラットフォームを活用し、西武池袋本店で人気のデパ地下商品をお届けする実験もスタートする予定です。
 また、パンデミックや度重なる自然災害の発生で、世界的にも持続可能な社会への希求がよりいっそう高まっています。私たちは、一昨年『GREEN CHALLENGE 2050』を発表し、事業に密接に関係する4つの分野で具体的な目標を掲げて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを始めています。今年は、地域社会やお客様と連携を深め、よりいっそう着実に推進していく年としていきましょう。
 いま、社会の価値観の変化やお客様の行動変容は、大変なスピードで進んでいます。これに対応していくためには、専門の知見や技術を有する人財が欠かせません。グループでは、外部から必要な人財を招くだけでなく、グループ内でも人財を育てていく方針です。自ら学び続ける意欲ある従業員の皆さんととともに、グループも成長していきます。
 いま、私たちの社会は多くの課題に直面しています。しかし、その課題の一つひとつは、社会と私たちグループの持続可能な成長を生み出す貴重な視点をもたらしてくれます。2021年を、グループの皆さん一人ひとりが新たな成長に向かって、健康で活気あふれる年にしていきましょう。   
    
          
(2021年1月4日 新年初朝礼 挨拶要旨)



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