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[対談] イノベーションの視点

ネットとリアルの融合は
セブン&アイグループの強み

鈴木 いま、私どもセブン&アイグループでは、新たなお客様のニーズに応えるために、ネットとリアル(店舗)の融合に取り組んでいます。そのためにネット事業領域の基盤整備を進めています。小川さんはネット事業をどうご覧になっていますか。

小川 イトーヨーカドーのネットスーパーでは、各店舗の売場担当の人が商品のピッキングに当たっているそうですが、これは画期的なことだと思います。いままでのリアル店舗での買物では、商品選びはお客様側の役割でした。しかし、お客様は本当はどの商品が良い商品かわからないままに選んでいた方もいるわけです。ネットスーパーでは、それを商品のことをよく知っている売場の専門家が肩代わりしてくれる。いわばお客様と店舗の新しい分業です。私は、この点でネットスーパーはリアル店舗とネットの見事な融合の事例になっていると思います。

鈴木 実際にお客様からも、自分で買いに行くより新鮮で、おいしい商品が届くと好評です。

小川 お届けを1日2便から5便に増やしたら利用者が一気に拡大したと聞きました。

鈴木 やはり、お客様の都合に合わせて考えることが、より多くのお客様の支持を得られるのだと思います。

小川 リアル店舗にネット販売がとって代わるのではなく、むしろリアル店舗の持つ本当の強みが、より鮮明になったと言えます。イノベーションを進めることで、そういう予想していなかった視界が開けてくるわけです。
先ほど、川上から川下にモノや情報が流れていたものが、ある時点から逆になったと言いましたが、インターネットは、川上 - 川下という関係に横の関係が加わります。クチコミなどが、新しい販促ツールになってきました。たとえば今後、セブン‐イレブンで新しいおにぎりが出て、バーコードを読み取るとすでに食べた人の感想がわかる、というようなものが出てくるでしょう。

鈴木 セブン‐イレブンでもツイッターを使った販促手法を試験的に始めました。また、OFCがツイッターを仕事でつねに活用できる環境づくりも検討しています。ネットとリアルの融合は、さまざまな業態を持つセブン&アイグループならではの強みが出せると思っています。
本日は、有益なご意見をうかがうことができました。ありがとうございました。

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