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[対談] イノベーションの視点

「メリハリ消費」時代の消費者心理をつかむ

「おひとりさまマーケット」「草食系男子」など
印象的なキーワードを駆使した世代別マーケット分析に
定評のある牛窪恵さんをお迎えして
お客様の購買行動の変化やプライベートブランドへの期待など
「消費の今」に鋭く切り込んだお話をうかがいました。

HOST

セブン&アイHLDGS.
CEO兼会長
鈴木 敏文

GUEST

マーケティングライター/世代・トレンド評論家

牛窪 恵

(うしくぼ めぐみ)

1968年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業。大手出版社を経て、フリーライターとして独立。2001年4 月、有限会社インフィニティを設立。2005年1月より財務省財政制度等審議会専門委員。2011年より経済産業省「おもてなし大賞」選考委員。2012年より農林水産省 食料・農業・農村政策審議会専門委員。『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』『男女1100人の「キズナ系親孝行、始めました。」』など著書多数。

四季報 2013年SPRING掲載

生活シーンや心理に合わせた「メリハリ消費」の時代

鈴木 現在のようなデフレ状況では価格が低いものしか売れないと考えられがちですが、それはもの不足の時代に、安くすれば売れたという過去の成功体験に縛られているのだと私は考えています。現在は、ものが行き渡って、日本の生活レベルは世界でも非常に高い水準にあり、お客様は安いものよりも新しく上質なものを求めていることが、さまざまなデータにも表れているように見えます。マーケティングを専門にされている牛窪さんはどのようにお考えですか。

牛窪 おっしゃる通りです。1億総中流と言われた頃と比べると階層分化が進んでいますが、どの階層の人も、自分が大切にしていることにはお金をかけ、それ以外の出費はできるだけ抑えるというお金の使い方をするようになっています。これを私は「メリハリ消費」と呼んでいますが、このメリハリ消費が現在の大きな特徴だと思います。たとえば、セブン&アイグループのプライベートブランド(PB)を利用する場合も、平日はセブンプレミアムのお惣菜などを買い、週末はセブンゴールドのようなより高品質の商品を買うというように、使い分けをはっきりとしています。

鈴木 同じお客様でも、その時の心理によって消費行動が変わります。過去の延長でデフレを考えると間違えてしまいますね。

牛窪 これからは安さだけでは生き残れません。お皿を買う場合でも、ライフスタイルやこだわり、その日の気分に応じて、100円ショップで買ったり、高級な専門店で買ったりという使い分けがどんどん進んでいます。セブンゴールドを買う際も、ナショナルブランド(NB)と比べて値段がどうかより、「今日はがんばったから、自分へのご褒美にゴールドを」という心理的メリハリで消費するケースが目立ちます。

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