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セブン&アイの挑戦

2017年11月

コトを軸として「新しい魅力」を創出

「ヘンケル」の売場では実演を通じて、調理器具の特徴をアピール。その様子は料理教室のようです(双楠店)。

 経済成長とともに、急速にニーズが変化している成都市の消費市場。中でも、さらに豊かなライフスタイルを求めて、モノからコト消費へのシフトも顕著に見られます。今、成都イトーヨーカドーでは、この新たなニーズへの対応として、コトを切り口とした売場づくりも進んでいます。食品売場では、テーマで括ったメニュー提案コーナーを多カ所で展開し、ライブ感たっぷりに実演しながら試食をすすめています。各コーナーでは食卓を想定した多彩な関連商品を展開することで、お客様の潜在ニーズを引き出しています。
 また、安全・安心への関心の高まりに対応して、惣菜売場ではバックルームの調理の様子をリアルタイムでモニターに映し出しています。さらに、家電売場を回ると調理実演とともに、おすすめの調理器具で調理した試食品が提供されていて、食品売場と見まがうばかりです。
 店舗全体でもつねにイベントを開催し、お客様の来店動機を高める工夫に力を注いでいます。今後、さらに健康、教育、アミューズメント、飲食など、コトを提供する設備を拡充させることで、お客様がより楽しいひと時を過ごしていただける生活拠点としての機能を充実させ、ほかの大型店にはない新たな魅力づくりを強化していく方針です。

成都市周辺と都心部双方で出店を強化

開店前に並んでいるお客様には、商品の試食やお茶のサービスも。地域コミュニティー拠点としての役割も果たしています。

 成都市は周辺地域も人口の増加とともに都市化が進展しています。大規模な高層住宅の建設も相次ぎ、それにともないショッピングセンターも増加しています。しかし、どのショッピングセンターでも、同じような店中店の構成となり、同質化が進行。このため、独自の大型店運営で実績を上げてきた成都イトーヨーカドーへの期待が高まっています。これに応えるため、前述のコトを軸とした機能や設備を充実した「地域コミュニティー拠点」という観点から、新たなショッピングセンターづくりに挑戦しています。
 一方、大型店の飽和状態が進んでいる都心部でも、「住まいの近くで毎日のちょっとしたお買物に対応するお店」へのニーズに着目。これに応える食品を中心とした小規模店舗の展開を計画しています。地域の住民が集まって井戸端会議ができて、そのついでにお買物もできる、といった小規模店でもコミュニティー拠点としての機能を、店舗づくりの一つの軸としていく方針です。商品面では既存店で好評を博している「日常性の中の上質」を基本として、コンビニエンスストアでは展開できない「日常の中のご馳走」も充実した食品館にしていく考えです。このように、郊外の大型店舗と都心部の小規模な食品館を両輪とした出店戦略の強化を通じて、拡大し続ける成都市場でお客様ニーズに対応していきます。

ネットとリアルを融合して新たな事業機会の獲得へ

 Eコマースへのニーズにも積極的な対応を図っていきます。今、世界でもっともEC化が進んでいると言われる中国。スマホ決済もすでに「生活インフラ」として定着しています。
 「いまや、町でリヤカーをひいて売っている焼き芋屋さんでさえ、スマホ決済しか受け付けないという時代。その便利さは誰もが経験ずみです。私たちは、そういう便利さと、店舗網や信用を活かして、先行するネット通販にはない独自の魅力を持ったEコマースを創出することで、新しい事業機会を生み出していきたい」と樋口総経理は言います。
 リアル店舗網の拡大とともにネット通販への対応など、新しい事業機会への積極的なチャレンジを通じて、成都イトーヨーカドーはさらに成長力に磨きをかけていきます。

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