セブン&アイの挑戦

主体性を持った地域ニーズへの対応に向けて

天満屋は岡山の老舗百貨店として地域の信頼を得ています。

 今年、天満屋は創業185年を迎え、百貨店「天満屋」、スーパー「天満屋ストア」を中心に、中国地方のお客様ニーズにより添いながら、着実に事業を育成してきました。しかし、昨今のお客様ニーズは、変化のスピードが速まり、迅速に対応を進めるには、外部からノウハウを導入することも必要です。また、商品政策の面でも、単独で進めていくことが困難になっています。さらに、消費税率アップの後は、価格競争の激化も予想されます。こうした中で競争に打ち勝っていくには、外部の流通グループとの連携を図ることが不可欠でした。

 ただし、提携するうえで私たちが重視したのは、地域のお客様ニーズに的確に応えていくには、私たちが主体性を持って対応を図る必要があるという点でした。セブン&アイHLDGS. と合意に至った背景には、その考え方にご理解をいただけたことが大きかったと思います。

信頼と実績を重ね段階的に連携を強化

天満屋ストアはイトーヨーカ堂と提携し、地域に根ざした店舗づくりを推進します。

 私たちは、すでに広島県福山市の福山ポートプラザでイトーヨーカドーとご一緒させていただき、成果を上げています。提携を機に、今後はさらに一体となった取り組みを進めていこうという機運が生まれています。また、セブン&アイHLDGS. とは、価値訴求を重視する商品政策で共通するものがあります。さらに、何よりも、お客様、お取引先、地域社会を大切にするといった企業風土は、きわめて近しいものがあります。こうした点からも、今回の提携は社内でも期待が高まっています。

 今回の提携をよりいっそう実りあるものにしていくため、この2月には、商品、物流、業務運営など項目ごとにプロジェクトを立ち上げ、具体的な計画を立案していきます。今後、私どもも地域情報の共有などを通じて、セブン&アイHLDGS. に寄与できる点があると思います。そのような実績を築きながら、連携を強化していければと願っています。

オペレーション、販売力の強化に資する

 インテリア、家具のものづくりの現場とお客様をもっと近づけ、お客様の日常生活にデザインの力によって付加価値を提供したいと考え、「Francfranc」をはじめとした事業に取り組んできました。そして、これまで以上に迅速に成長していくために、オペレーションの強化等を図ってきました。今回の提携を通じて、セブン&アイHLDGS. のすぐれたオペレーション力、販売力などに学びながら、いっそうスピーディーに成長していきたいと考えています。同時に、ものづくり、ブランディングの両面で、シナジーを生み出していけるものと期待しています。

新たな挑戦を積極的に進める

「LOUNGE by Francfranc」(南青山)。何げない毎日を「楽しい生活」にする、上質な生活空間を提案しています。

 消費市場が成熟化する中で、私たちは価格競争ではなく、日常のライフスタイルを少しでも豊かにできる商品・サービスの提供に力を注いできました。この点で、セブン&アイHLDGS. の「上質」を追求するという考え方に共感を持っています。また、私たちはお客様を相対峙する「ターゲット」ととらえるのではなく、「親しい友人」と考えて商品づくりや接客サービスなどを構築しています。この点でも、既存の商習慣などにとらわれず、お客様の立場に立ってイノベーションを進めてきたセブン&アイの経営姿勢に親しみを感じてきました。

 この提携によって、事業成長の機会をよりいっそう拡大できるものと確信しています。たとえば、かつて身近な商店街にあった小規模な文具店などは減少し続けています。私たちが30坪クラスの小規模な雑貨店を展開していくことも考えられます。明確なライフスタイル提案を行う雑貨ストアなども拡大できるでしょう。また世界規模の事業展開では、これまで香港、シンガポールなどアジア地域に出店を行ってきましたが、今後、私たちの事業コンセプトに合った成熟市場が広がっている欧米への進出も図っていきたいと考えています。

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