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セブン&アイの挑戦

商品カテゴリー全体の成長に結びつく

 最高の品質にこだわり、代表的なNBメーカーさんと共同開発しているセブンゴールド。当初、世間ではNBとセブンゴールドが市場を取り合うことにならないのかと疑問視していました。しかし、冒頭に触れた「ザ・ゴールドクラス」を発売して以降も、セブン&アイ傘下各店のNB商品の売れ行きは落ちていません。「ザ・ゴールドクラス」の販売量が上乗せされる形で推移し、結果的にビール全体の販売量が拡大しています。それを可能にしているのは、商品のポジショニングやコンセプトを明確にして、潜在ニーズを掘り起こす商品開発に取り組んでいるためです。NBとは競合しない新しい商品なのです。具体的にはどういうことでしょうか。


 「メーカーさんには、商品づくりに関する技術やノウハウ、原料などの『引き出し』がたくさんあります。ですから、NB商品ではまだ使われたことのない『引き出し』を活かした商品開発を行うことで、従来のNB商品にはない商品を生み出すことが可能です」(鎌田サブリーダー)
 また「ザ・ゴールドクラス」の開発に取り組んでいただいたサントリー酒類の松岡一衛執行役員はこう語っています。
 「セブンゴールドの場合、売場での販売ペースを確実につかむことができ、ビールを最も鮮度のいい状態で提供するための細やかな対応をすることが可能です」
 この5月に販売を開始した袋入り即席麺「金の麺」を共同開発していただいた東洋水産の中山清志執行役員も「最高の品質という商品コンセプトが明確だったので、私どもが30年来培ってきたノンフライ麺の製造技術の中でも、従来のNBとは違う製造方法などを活かした商品づくりが可能になりました」と言います。

グループ相乗効果でお客様との接点を拡大

 セブンゴールドは、セブンプレミアムと同様に、セブン‐イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、そごう・西武など、グループの各業態で共通して販売しています。
 あらゆる業態で展開することで、お客様は商品を目にする機会が増え、商品の認知度も上がります。そこにCMなどが入れば、「ああこの商品か、1度試してみよう」というお客様も増え、1度食べておいしければ、また買おうとなります。そうした時に、近くにあるグループの店舗でどこでも手に入るということが、まさにグループの相乗効果を発揮できる強みです。実際、イトーヨーカドーやヨークベニマルのある首都圏や東北地方の方がセブン‐イレブンでも売上げが高いことが、その効果を物語っています。

お客様の声を反映させて「売れ続ける」商品を育成

 セブンゴールドは、お客様の期待に応える「最高の品質」の実現とともに、期待に応え続けることも重視しています。そのために、つねにお客様の購買動向や商品に対する声を参考にしながら、その時のニーズに合った味や品質にリニューアルを重ねています。

 お客様の声を収集するための組織「プレミアムライフ向上委員会」は、現在約1万7000人の会員を擁しています。インターネットにもサイトを開設し、会員に意見交換の場を提供。また、商品開発の過程でも随時、試作品に関する意見を聞くなど、お客様の立場に立った商品開発を追求しています。発売後も、変化し続けるお客様のニーズに応えるため、売場や「向上委員会」を通じてお客様の声に耳を傾け続けています。


 その結果、セブンゴールドはどの商品も一過性のブームに終わることなく、力強い売れ行きの伸びを示しています。たとえば、セブンゴールドのトップバッターとして2010年に登場した「金のハンバーグステーキ」は、初年度に212万個を売上げ、12年に味やパッケージをリニューアルして571万個。今年に入ってからの販売実績も昨年を上回る勢いで伸び続けています。
ものが売れない時代といわれる昨今。しかし、お客様にご満足いただけるほんとうにおいしいもの、上質のものは、しっかりと売れ続けることをセブンゴールドは示しています。

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