[イトーヨーカドー]
会員100万人突破!
ネットスーパーは現代版「ご用聞き」
2001年に葛西店からスタートしたイトーヨーカドーのネットスーパーが予測を上回る利用者の増加で2009年には黒字化を達成。現在、24都道府県135店舗で展開しています。(2011年9月現在)
注文をインターネットで受け付け、お客様の自宅に配達するネットスーパー。ネット人口の増加をベースに、高齢者や共稼ぎ世帯、小さな子どもがいる家庭での利用が進んでいることから、今後の成長に期待のかかる分野です。
イトーヨーカドーでは、ネットスーパーを現代版「ご用聞き」と位置づけ、他社に先駆けて積極的に取り組んできました。扱い商品は食品、日用品・衣料品など約3万品目と圧倒的な品揃え。個店単位でチラシと連動して特売に対応し、1日3~11便体制、最短3時間で配送する仕組みや常時700件のレシピ提案、魚の調理加工など、イトーヨーカドーにしかない魅力的なサービスで支持を集めています。
会員数は年々増加し、現在約100万人。売上高も10年度は300億円を達成しました。
ネットスーパー実施店も年々増加し、今年度中にはイトーヨーカドー全店の8割にあたる140店舗での実施を予定。ディスカウント業態であるザ・プライスの一部店舗でも稼働しています。
「ネットスーパーの良さは、いつも利用している店の商品が買えること。ネットインフラが整うに従い、『出前』に近い感覚で利用されています。顧客の約6割が子育てに忙しい専業主婦で、30~40代の利用者が多いのが特徴。しかし、近年は有職女性の増加が著しく、さらに60代の構成比率や男性の増加傾向も見られます」と、ネット推進室マネジャー。
半数以上のお客様が週一回以上ご利用され、9割を超える方が月に2~3回以上ご利用されるという高リピート率です。
イトーヨーカドーのネットスーパーでは、「ネットといえども顔の見える商売」を大切にしています。注文品の集荷作業は、商品の目利きができる売場担当者が、プロの目で商品を選定します。その際、やむなく品切れ等が発生したり、ご注文に疑問点があれば、すぐに電話で確認して代替え商品等を提案。鮮度やクオリティなどさまざまなご要望も顧客データにファイルし、次回受注時のチェック項目や顧客対応に役立てています。
お客様からは「自分で選ぶよりいいものが手に入る」「相談しやすく助かる」といった声が届いており、ネットスーパーでも店頭と同じサービスが受けられるという認識が浸透してきました。
各店にとっても、ネットスーパーへの取り組みはメリットがあります。たとえば、実店舗では雨や雪の日、花粉の季節等は売上げが伸び悩みますが、ネットスーパーでは逆に悪天候で伸びる傾向があるため、売上げをカバーすることができます。また、開店前に第1回目の注文が入るため、当日の天候や地域状況を反映した商品の情報を得ることができ、発注量や売場づくりなど店のマーケティングにも活かされています。そのため各店ともネットスーパー専属のスタッフ教育に注力しており、順調に拡大が進みました。
今年度は、さらなる現代版ご用聞きの実践として、配送エリア外への対応にも挑戦しています。
5月には福島県いわき市にある平店から、東日本大震災による地震の被害と原発事故の影響を受けた地域への配送を実現。また、仙台泉店では仮設住宅への配送をスタートし、大変喜ばれています。7月にはアリオ上田店が、夏の間だけ世帯数が2倍近く膨れ上がる商圏外の別荘地、軽井沢・菅平エリアに着目。ネットスーパー対応を行ったところ、嗜好品や高級品の注文が多く、予想以上の成果を上げました。
「ネットスーパーは高齢化社会という観点からも可能性を秘めており、日々の買物が大変な高齢者ご自身による利用はもちろん、東京在住のお子さんが仙台に住む高齢の親の買物をネットスーパーで注文したり、毎週日曜にお子さんが一人暮らしの親の安否確認を兼ねて、ネットスーパーから寿司を送るなど、さまざまな形で活用されています」と、ネット推進室マネジャー。住み慣れた町の店舗スタッフが自宅まで届けるネットスーパーならではの安心感です。
9月13日からは錦町店から1日11便をスタートし、順次拡大していきます。お届け時間帯の選択肢も増えて、ますます便利になるネットスーパー。今後もお客様のニーズを満たし、社会的役割を果たしていきます。