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セブン&アイの挑戦

[セブン‐イレブン]
移動販売車でお客様のもとへ
「セブンあんしんお届け便」が好評です

買物はもちろん おしゃべりも楽しみ

お客様との信頼関係を何よりも大切にしたいと話す常北下古内店オーナー。
移動先まで出てこられないお客様のところには、家の前まで車を入れ、縁側でしばしおしゃべり。
「あのちっこいサンド、あっか?あれ、おいしいんだ」「持ってきたよ、ばあちゃん。これでしょ」

刈り取ったばかりの田んぼの脇に栗の木が1本。茨城県城里町ののどかな田園地帯に1台の軽トラックが止まり、明るいメロディーとともに「セブン‐イレブンの移動販売車、『セブンあんしんお届け便』がやってきました」というアナウンスが流れています。

あいにくこの日は小雨。それでもおばあちゃん、おじいちゃんたちが軽トラック目指して歩いてきます。お客様が求めているのは、商品だけではありません。その場で交わされるおしゃべりも、楽しみの一つ。「昼間は1人だから、週1回でも寄ってくれて、買物しておしゃべりする時間が、本当に待ち遠しいんだよ」

庭先に止まった軽トラックに目を細め、84歳になるというお客様はそう話してくれました。

「買物弱者」を救うにはこちらから出かけていく

高齢のお客様とのおしゃべりの中で、栄養や食生活のアドバイスも。
少子高齢化と人口減少が進み、少人数世帯が増加している日本の社会。小売店舗をはじめさまざまな拠点が減少する中で、日常の買物や食事に不便や困難を感じている方が、高齢者を中心に全国で増えています。

「近くて便利」を標榜するセブン‐イレブンでは、「買物弱者」「フードデザート」と呼ばれるこうした問題を解決し、お客様の買物や食生活をサポートするために「セブンミール」「ご用聞き」を行ってきましたが、「もっとお客様に近づいていく時代がきた」と判断。今年5月から移動販売車「セブンあんしんお届け便」をスタートさせました。

茨城県のセブン‐イレブン常北下古内店をはじめ、10月末現在、熊本県、宮城県、広島県で計6台が稼働中で、年度内に20台を展開予定です。

お店そのままに完全オリジナルの車両を開発

夏場はアイスクリームが大好評。冬場は肉まんはどうか、電子レンジを載せられるかなど、アイデアはいろいろ。
朝8時半頃から商品の積み込みを始める。9時40分頃に店を出て、最初の販売所に着くのが10時頃。
見やすく、選びやすく、しかも移動中も商品が倒れないように陳列を工夫。品揃えは毎日考え、定番商品だけでなく新商品も適宜投入。
雨にもかかわらずお客様が来店。お客様からの商品のリクエストは、スマートフォンを活用してメモ。
ここで使用する車両は、完全オリジナルの軽トラック。車両製作の専門会社の人も驚くほど、細かな工夫が施された特別車両です。

一番の特徴は、店と同様の商品を販売できるよう、常温、20℃(おにぎりなどの米飯類)、5℃(サンドイッチなどのチルド商品)、マイナス20℃(アイスクリームなど)の4つの温度帯に対応していること。

全国に先駆けて「あんしんお届け便」をスタートさせた常北下古内店のオーナー・高野祐一さんは、「普通の移動販売車では冷凍ケースはありませんから、夏場はアイスクリームがとても喜ばれました。秋口からは冷凍食品を揃えようと思っています」と話します。

車両の中には、おにぎりやお弁当、惣菜、サンドイッチなどのデイリー商品をはじめ、牛乳やヨーグルト、ソフトドリンクやカップ麺、缶詰や袋菓子、調味料、日用雑貨まで、小さな車に150アイテム以上もの商品が積まれています。また、その場でお客様からの注文をうかがうことも多く、翌週に必ず積み込んでいきます。

セブン‐イレブン常北下古内店では、平日の朝10時から15時くらいまで、高野オーナーが自らハンドルを握って移動販売を実施しています。走る地域は、周辺に買物のできる所がない、いわゆる過疎地域。曜日ごとに走るルートは変えますが、集落センターや集会所の前など、それぞれのルートで止まる場所と時間は変えません。近隣のお客様に「今日は『セブンあんしんお届け便』が来る日だ」と認知してもらうためです。

信頼感が上がり来店客数もアップ

中には「自分で商品を選んで買物するなんて、何年ぶりか」と感激されたお客様もいらっしゃいます。そこはまさに小さな商店。お客様とオーナーのおしゃべりだけでなく、お客様同士の会話もはずむ、昔ながらの井戸端会議の場でもあります。
「セブンあんしんお届け便」を始めて、思わぬ副産物もあったと言います。
「これまでコンビニのお弁当やおにぎりなんて食べたこともなかったおばあちゃんたちが、食べてみたらおいしかった、と喜んでくれます。セブン‐イレブンではこういうものも扱っているのか、と驚かれることもあります」
そういうお客様が、家族と一緒にお店にも来てくださるようになり、来店客数も増えました。
「毎日行く先々で待っていてくれるお客様がいる、そのことが一番の励みです」と話す高野オーナー。継続することが一番大切なことと、気持ちも新たに取り組んでいます。

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