世界が認め、世界が求めるブランドへ
セブン‐イレブンのグローバル支援強化戦略
セブン‐イレブン・ジャパンの事業インフラが最大の強み
「過去5年間、米国内の小売業の業績が厳しい状況にあっても、私たちは好調な業績推移となり、セブン&アイグループへの利益貢献もできるようになりました。これは、日本の事業インフラをアメリカの実情に合わせて応用することができた結果だと考えています。今後、セブン‐イレブンが世界各地でお客様の支持を得て成功を収めていくうえで、大きな強みとなるのは、事業インフラの革新力に他ならないと考えています」
デピント社長は、世界16カ国・地域のライセンシーの平均日販額(1ページ参照)を例にして、SEJが直接経営に関与している北京、上海などのライセンシーは優れた業績をあげている点を指摘。逆に見れば、事業インフラを活用することで、すべてのライセンシーに大きな成長の可能性があることを示唆しました。
「この事業インフラを、今後のグローバル化戦略において各ライセンシーに提供するということは、本当に大きなチャンスなのです」と強調します。
同時にデピント社長は、各国のマーケットの実情に合わせて独自な対応を図ることの重要性も指摘しています。たとえば、物流の効率化に向けて、米国では共同配送をスタートさせていますが、「集約化」「効率化」という基本コンセプトはセブン&アイグループの経営方針に沿う一方で、米国でまとめ買いが多いソフトドリンクなどは配送単位を変えています。
着実に進行する「グローバルMD」
「ヨセミテロード」の開発では、原料となるブドウ栽培からワインの醸造を受け持つワイナリーの選定にあたってはSEIの持つ産地情報、開発プロセスはSEJの手法を活かすことにより、国際的な情報とインフラの共有がベースとなりました。グローバルMDは、世界3万8000店舗の販売力を背景に、素材選びから生産、物流にいたるまで、コスト、品質両面でメリットが得られます。
このような国際的な商品開発にあたっての各国セブン‐イレブンとの「共同開発」のあり方について、SEJの商品本部長、鎌田靖常務執行役員は、(1)工場の共有、(2)製品の共有、(3)原材料の共有という3つの方向性で、商品特性、市場特性に応じて柔軟なMD体制をつくりたいと言います。
SEJとSEIは、グローバルMDの第二弾として、コーヒーの共同開発に着手。共同で原料となるコーヒー豆の開発を行い、アメリカは店頭で提供するドリップコーヒー、日本では缶コーヒーなど、それぞれのお客様ニーズに合わせて商品化を進めています。