CEO 兼 社長
ジョセフ・M・デピント
本部の名称も「ストアサポートセンター」に変え、加盟店に「仕えながら、あるべき方向に導く」というサーバント・リーダーシップを組織のDNAとして根付かせるべく努めてきました。その結果、社員は言葉だけで加盟店を指導するのではなく、現場に入り込み、ともに仕事の仕方を変えて、成果が上がることを示して、オーナーの理解と信頼を得られるようになってきました。
また、セブン‐イレブン・インクの進む方向を明確化しました。その第一が、BCP(ビジネス転換プログラム)により、既存小売店からセブン‐イレブンへの転換を積極的に推進し、店舗網の拡大を加速することです。不況下で、多くの中小規模小売店の経営者が打開策を求める中、BCPはそのソリューションとして注目されています。すでにセブン‐イレブンに転換した既存小売店は、以前に比べ40~100%も売上げを改善しています。
第二に、単品管理の推進です。日本がつくりあげてきた単品管理に基づいた発注の仕組みは、他チェーンにはないものです。今後、これがますます大きな力を発揮していくと考えています。第三に共同配送の導入を図り、ロサンゼルスで先行テストを進めます。これにより、店舗の発注に基づいたきめ細かな商品供給へと根底から変えていきます。
(下)アメリカはもちろん、他国のセブン‐イレブンでも人気の高いフローズン飲料の「スラーピー」
私は米国経済の不況が顕現化する以前に、お客様の買い方から不況を感じていました。可処分所得が減り、倹約というニーズにマッチしたものしか買われません。その中で、手軽な価格で品質はNB商品と同等以上のPB商品「セブンセレクト」が売上げを伸ばしており、菓子類もトップ5はすべて「セブンセレクト」です。パスタや小麦粉など家で調理するアイテムも急激に売れ始めています。こうした変化に素早く対応していくことが、セブン‐イレブンのブランドとロイヤルティを高めていくことになります。
私たちは、これまでもセブン‐イレブン・ジャパンと密にコミュニケーションを取り、学ぶべき点は積極的に取り込んできました。今後は、連携をより強め、原材料の調達や商品の共同開発、産地開発など、グローバルレベルでのシナジーを出していければと考えています。私たちはセブン&アイHLDGS.の一員であることを誇りに思い、ともにさらなる高い目標に向かって挑戦していきたいと思っています。
2004年に1号店をオープンして以来、セブン‐イレブン北京は、中国のお客様に合った店づくりにまい進してきました。たとえば、店内調理した温かい惣菜を自由に組み合わせられるお弁当の開発は、日本でもない新しい試みです。いつでも同じ味を提供できるよう、カット済の食材や小分けした調味料を納入し、キッチン専用の指導員が各店を回って調理指導や管理をする仕組みをつくりあげてきました。
商品開発は日本で培った開発手法を活かし「安全・安心」「味」「リーズナブルな価格」を徹底追求しています。現在、ファストフードの約50%がオリジナル商品となり、差別化の大きな武器となっています。また、ナショナルブランド商品に関しても、一流メーカーとタイアップした限定品や、通常は百貨店でしか扱っていない商品などを展開。他社が価格競争に走る中、「セブン‐イレブンにしかない」という魅力ある品揃えで支持を広げています。
中国でのコンビニエンス拡大の基盤ができてきたことにともない、今年は、さらに新たな展開を目指して、天津への進出を予定しています。天津は中国4大都市の一つでもあり、規模、経済ともに大きなマーケットです。今後は出店を加速し、セブン‐イレブン北京として年間に100店舗以上の出店を目標にしています。