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セブン&アイの挑戦

2009年5月

グローバル企業としてさらなる飛躍を目指し世界のセブン‐イレブンが東京に集結

セブン‐イレブン「ライセンシーリーダーサミット」開催

3月30日から4月3日にかけ、米国のセブン‐イレブン・インクをはじめ、中国、タイ、韓国など、世界でセブン‐イレブン店舗を経営する15カ国・地域の各社のトップが東京に集結し、「ライセンシーリーダーサミット」が開催されました。これだけの規模の世界会議が日本で開催されるのは、初めてです。

サミットでは、鈴木敏文会長の講話のほか、セブン‐イレブン・ジャパンによる商品開発、物流、出店戦略、単品管理とシステムなどのプレゼンテーション、さらには商品展示会やデイリー工場、店舗の見学などの内容が盛り込まれ、先進的な日本の取り組みを理解していただきました。

これを機に世界中のセブン‐イレブンの均質化を図り、さらにグローバルな企業グループとしての飛躍を目指していきます。

厳しい環境こそ真価が評価されるチャンス

基本4原則、地域性、変化対応、ドミナント化を
徹底追求してロイヤルティを育てよう

各国の地域や文化に合わせた店づくりを

セブン‐イレブン・ジャパン

代表取締役会長 兼CEO

鈴木 敏文

商品展示会では、オリジナル商品や陳列方法などに関心が集まり、多くの質問が飛び交いました。
セブン‐イレブン・ジャパンは今年で創業35年になります。これまで右肩上がりの成長を続けてきましたが、日本の経済環境がずっと好調だったわけではありません。日・中・米・英・タイ5カ国のGDP成長率の推移を比較してみても、近年の日本は最も低い水準にあります。しかし、景気が悪い中にあっても、いまのお客様が何を求めているかを追求し、環境の変化に合わせていくことで、成長し続けることは可能です。

35年前、私たちはアメリカからセブン‐イレブンのノウハウを導入しました。当時、日本ではパパ・ママストアと呼ばれるような個人経営の小規模小売店は不振に陥っていました。私は、その活性化には経営の近代化、効率化が不可欠であると考え、セブン‐イレブンを日本に導入しましたが、実際にアメリカのセブン‐イレブンからそのまま導入したものは看板と会計システムだけでした。日本のお客様に支持される店であるためには、品揃えをはじめ、あらゆるものを日本の実情に合わせて、自分たちでつくりあげる必要があったのです。現在のセブン‐イレブン・ジャパンの商品、情報システム、物流システムなどは、日本のマーケットに対応するための試行錯誤から生まれたものです。

いま、お弁当やおにぎりなどは、日本のコンビニエンスストアの主力商品となっています。しかし、我々がこれを商品化した当初は1日に数個しか売れませんでした。それでも味、鮮度などを絶えず高めるなど、徹底して商品を育てる努力をしてきました。その結果が、他のコンビニチェーンと比較して10万円以上の日販格差となっているのです。皆さんの国や地域の生活に密着した商品の中には、将来、主力商品となるものが必ずあります。その商品を徹底して育てていくことが必要です。

現在、セブン‐イレブンは各国でナンバー1コンビニエンスストアとして支持されていますが、私から見れば、まだまだ業績を伸ばす余地はあります。それぞれの国で自分たちのお客様のニーズに合わせた品揃え、サービスといった「地域性への対応」と、時間とともに変化していくお客様ニーズの「変化への対応」を、同時に実行することが重要です。

実績を上げている中国の店舗

平均日販の比較
中国への出店も、いま述べてきた基本を踏まえて進めています。現地の生活様式、食生活などを徹底してリサーチし、地域の実情に合った店づくりに取り組み、たとえば、日本では行っていない店内調理という方法も取り入れました。現在、中国におけるセブン‐イレブンの平均日販は、他チェーンの2倍以上に達しています。このような経験を重ねるにつけ、それぞれの国、地域の実情に合った方法を取り入れなくては、お客様から支持されないと痛感しています。

また、私たちの仕事にとって最も重要なことは、フレンドリーサービス、クリンリネス、品揃え、鮮度管理の基本4原則です。国や地域が変わっても、これらの基本は絶対的です。景気が悪く不安定な現在こそ、この基本の徹底が、差別化につながります。

最後に、厳しい経済環境にあってもさらに業績を上げるチャンスはあるというアグレッシブな経営に取り組み、世界のセブン‐イレブンが一体となってロイヤルティを上げていくことを誓い合いたいと思います。

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