このページの本文へ移動します

セブン&アイの挑戦

環境循環型農業のモデルづくりを目指し農業生産法人を設立

「地に足のついた」商品開発 イトーヨーカドー

食の安全を重視するお客様は年々増え続け、信頼感のある国産商品への志向が強まっています。フードマイレージの観点からも「地産地消」が注目され、地元産の旬の野菜に人気が集まっています。
イトーヨーカドーでは、2002年から生産者と生産履歴がわかる『顔が見える野菜。』を販売するなど、安全性と品質にこだわった商品の提供に努めてきました。そして今年8月、農業生産法人を設立し、販売者自らが農場の運営に携わり、生産者との緊密な関係に基づいた、お客様に信頼される農業の実現に向けて挑戦を始めます。
今回の取り組みは、千葉県のJA富里市と協力体制を組んで株式会社を設立。JA富里市の組合員(農家)とイトーヨーカドーの社員が生産を担当します。初年度に生産する野菜は大根、キャベツ、ニンジン、ほうれん草、小松菜の5品目に絞り、年2回の作付けで約130トンの収穫を予定。千葉県内6店舗のイトーヨーカドーで販売し、随時県内の他の店舗にも拡大していく予定です。

食品リサイクルへの取り組みから農業法人設立へ

6000坪の栽培予定地。直営農場では、自然の力を活かしたシンプルな露地栽培を実施。10月頃に出荷が始まる予定です。

この取り組みの大きな特徴は、循環型食品リサイクルのループの確立です。直営農場で生産された野菜がイトーヨーカドーで販売される一方、店舗から発生した食品残さが堆肥化工場に運ばれ、堆肥化されます。堆肥は直営農場で新たな野菜栽培に使われ、収穫された野菜はまたイトーヨーカドーの売場へと、生産から販売までの流れが循環していきます。販売を受け持つイトーヨーカドーと野菜栽培のノウハウを持つJA富里市が組むことで、この仕組みの実現が可能になりました。

「イトーヨーカドーという販売拠点が確保されているので、農家の収入を安定させる効果もあります。また、形が不揃いで市場のセリに出せない野菜も、グループの惣菜の良質な材料になり、ムダを出しません。そしてお客様には、『近所のあの畑で育った採りたての野菜』という安心を提供できます」と青果部の責任者は言います。

イトーヨーカドーでは、まず千葉県内で循環型農業のモデルを確立し、その後、お客様・生産者・販売者が満足を分かちあえる農業モデルとして、拡大を図っていきます。

基幹店バイヤーを増員し地域と店舗特性に応じた品揃えを実現

商圏密着型バイイング ミレニアムリテイリング

着実に売上げを伸ばしている西武百貨店池袋本店のクイーンサイズ売場。

ミレニアムリテイリングでは、本部によるセントラルバイイングに加え、各店舗のお客様ニーズをより反映するマーチャンダイジングの強化を進めています。今年2月には現場に密着したバイヤー体制の実現に向け、西武百貨店池袋本店とそごう横浜店における基幹店バイヤーを大幅に増員しました。

「同ブランドの同商品でも店舗によって人気に差があり、品揃えや数量等の判断が売上げに大きく影響します。店舗に所属したことによってお客様や売場の様子を直接見る時間が増え、客層やニーズがよりはっきり見えてきました」と語るのは、池袋西武婦人服クイーンサイズ担当の基幹店バイヤー。池袋西武を中心に首都圏の西武百貨店も担当し、都心店の売れ方をきめ細かく探ることでトレンドをつかみ、担当店舗のバイイングにも活かしています。

売場とのコミュニケーションでより計画的な売場づくりへ

バイヤーと販売員が日々コミュニケーションをとることで、よりスピーディーで精度の高い品揃えと売場展開を実現。

販売員の方やお取引先の営業担当者とのコミュニケーションも活発になり、成果を上げています。売場で商品を見ながら話をする機会が増え、データもその場ですぐに確認できるため、売れ筋の判断や追加発注がスピーディーになりました。お取引先各社が1単品の生産量を抑える傾向にある中、早め早めの発注が売れ筋商品の確保につながっています。販売員にとっても、方針が明確に伝わるようになり、働きやすくなったと好評です。また、各ブランドショップの店長とミーティングを持つことで2カ月先まで見据えた販売計画を行い、状況に合わせて軌道修正するなど、店舗に密着することで、より計画的な売場づくりが可能になりました。

こうした取り組みの結果、バイイングと連動した効果的な売場づくりが奏効し、池袋西武の婦人クイーンサイズ売場は着実に売上げを伸ばし続けています。今後もミレニアムリテイリングではお客様ニーズを探り、地域や店舗の特徴に合わせた商品構成で成果を上げていきます。

  • 全3ページ
  • 1
  • 2
  • 3