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セブン&アイの挑戦

2018年7月

パートナー企業とともに

セブンカフェをリニューアル

香り・コク・風味を
いっそう高めたコラボレーションの技。

 2013年1月に発売を開始して以来、素材から焙煎、抽出まであらゆるプロセスにこだわりながら手頃な価格で本格的なコーヒーを味わえることで、お客様から絶大な支持を得てきた「セブンカフェ」。その累計販売数は、2017年度には年間10億杯に達し、〝日本一売れているコーヒー〞として市場に認知されているだけでなく、日本のコーヒー市場全体の拡大に貢献しています。そのセブンカフェが2018年3月、全国一斉にリニューアルされました。「香りとコクを高めた、より上質なコーヒー」をコンセプトに、素材から製造、包材、機械まで、それぞれ最適なノウハウ・技術を持つメーカー様とパートナーシップを結んで目標達成を目指す「チームMD(マーチャンダイジング)」を実践。専門店の熟練した職人によるペーパードリップの「蒸らし」工程を実現したほか、3種の豆を特徴別に焙煎するトリプル焙煎を採用しています。さらに豆の使用量を約1割増量し、上質な味わいにさらに磨きをかけました。

「おいしいコーヒーを」という想いに応えてゼロベースで提案しました

味の素AGF(株)
カスタマービジネス部長

黒岩 紳郎

 2013年の発売開始当時からセブンカフェに携わっていますが、セブン‐イレブン様の「おいしいコーヒーをつくりたい」という想いは一貫しています。近年、他業態を含めて多くの企業がセブンカフェをベンチマークに創意工夫を凝らしていますが、想いの強さはセブン‐イレブン様が一番。今回のリニューアルにあたっても、保守的にならずにゼロベースからの攻めの提案ができたのはそうした想いが背景となっています。そんな中、当社は今回、セブンカフェの強みである香りとコクをいっそう高めるために、トリプル焙煎という手法を提案させていただきました。そのベースとなっているのが、当社のモットーである「おいしさを科学する」という独自のアプローチです。得意とするマーケティングデータに基づき、〝ねらった味〞を設定。その味に近づけるために、さまざまな分析技術を用いておいしさを数値化。データを積み重ねる中で、香りの広がりとコクを高める技術を見出しました。

「さらに上質」 を実現するためにパートナー企業とともに新たな工程を加えました

UCC上島珈琲(株)
取締役 広域営業本部本部長

大熊 一也

 当グループは「カップから農園まで」一貫したコーヒー事業を展開しています。ジャマイカとハワイの直営農園で苗木を育てることから、お客様と日々接する「上島珈琲店」などの外食事業まで、川上から川下までお客様のあらゆる生活シーンのご期待にお応えできるコーヒーの新たな価値の創出に努めています。そうしたノウハウを蓄積してきた中で、「さらに上質に」というご要望をふまえて今回当社が提案したのが、コーヒー専門店の熟練した職人のハンドドリップと同レベルのおいしさを引き出す「蒸らし」の工程です。挽きたての豆を膨らませることで、セブンカフェの良質な香りとコクはいっそう際立つと考えたのです。ただし、そのためにはマシーンのプログラムを変更する必要があります。こうした壁を越えていくうえで、発売当初からの豊富な知見を持つ味の素AGF様やマシーンを担当する富士電機様と密接に連携できるチームMDの有効性を実感することができました。

「上質なおいしさ」をお客様に提供するためにメンテナンス力を重視しています

富士電機(株)
食品流通事業本部 営業統括部 営業第四部 部長

岡本 憲郎

 おいしいコーヒーをお客様に提供するために、マシーンに求められる要素は二つあります。一つは、良質な豆を高度な技術で挽いて抽出するマシーンの開発力。もう一つは、セブン‐イレブン様が目指すおいしさを全国2万店舗のマシーンで維持する、継続的なメンテナンスの徹底力です。とりわけ今回のリニューアルプロジェクトでは、香りとコクを出すために豆を増量し、蒸らしの時間を増やすというレシピの変更が必要となったことから、全国に約5万6000台あるマシーンのプログラムをいかに迅速に修正していくか…日頃のメンテナンス力が試されることとなりました。そんな条件の中、1日当たり1500台のマシーンのレシピ調整を行い、1カ月半の期間で全店舗の調整を成し遂げることができたのは、セブン‐イレブン様と加盟店様の日頃の連携の強さが発揮されたからだと思います。開発力とサポート力。今後もセブン‐イレブン様とともに、メーカーに求められる機能を磨き続けていきます。

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