2018年7月 |
グループが目指す「持続可能な未来」
セブン&アイグループは、社会と企業の持続可能な発展のために、社会の一員としての責任を果たすとともに、ステークホルダーとの対話を通じて、社会の期待や要請を理解しながら、E(環境)・S(社会)・G(企業統治)の取り組みを深化させています。
気候変動や資源枯渇、格差・人権問題など、国際社会は今、多様な社会課題に直面しています。国内の流通小売業に限定しても、少子化や高齢者の増加、世帯人数の減少、小売店舗や社会的拠点の空洞化などにともなって生活や買物に不便を感じる方が増加するなど、時代の変化から生じる問題が山積しており、これら課題を解決し、持続可能な社会に貢献する企業活動への要請がいっそう高まっています。こうした中、時代の変化や社会的要請に対応するためには、ステークホルダーの皆様との対話を通じて得るご意見・ご要望を迅速に経営意思決定プロセスに反映させ、実行していくことがますます重要となっています。
持続可能な社会に貢献する企業活動への要請が高まる中、昨今、企業の環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)に対する取り組みが長期的な企業業績や株価にも影響するとの認識が広がっています。その象徴として、厚生年金と国民年金を管理・運用する世界最大の機関投資家、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国連が支持する責任投資原則(PRI)に署名し、2017年7月に国内株式を対象としたESG指数を選定しました。このように、投資判断の際に、財務情報だけでなく、経営に関わる非財務情報も考慮するESG投資への関心が高まっています。
こうした事業環境の中、セブン&アイHLDGS.は、拡大する事業領域とサステナビリティを巡る多様な課題をふまえ、社会の期待や要請にグループ一丸となって応えていくために、ステークホルダーの皆様との対話を通じて、グループが取り組むべき「5つの重点課題(マテリアリティ)※」を特定しています。
セブン&アイHLDGS.は、この重点課題に沿って、グループが社会に与える負の影響を削減する取り組みを推進し、企業の持続可能性を脅かすリスクを適切にマネジメントすると同時に、商品やサービス、店舗などを通じて社会課題を解決する取り組みを新たなビジネスチャンスと位置づけ、さらなる成長を目指しています。
さらに、2017年度からは、社会課題の解決に向けた取り組みを計画的・継続的に推進していくために、社会価値と企業価値を併せ持つ事業を企画・推進するグループ横断の組織を設置。新たなビジネスモデルの創出を目指しています。
2015年には、国際社会共通の目標として、2030年に向けた「持続可能な開発目標(SDGs)が国連で採択されるなど、世界的な課題解決に向けた企業の役割が重視されるようになっています。セブン&アイグループのESGに関する取り組みは、こうした世界的な役割や期待に応えるための活動です。
※ 5つの重点課題(マテリアリティ)
Environment 環境
気候変動や資源の枯渇などの問題に対して、商品や原材料、エネルギーを無駄なく利用するとともに、お客様やお取引先にもご協力いただきながらサプライチェーン全体で環境負荷低減に取り組んでいます。
Social 社会
世界的な貧困、人権問題、国内における人口減少、少子高齢化、小売店舗・社会的拠点の減少などの問題に対して、社会の一員として商品や店舗などの事業を通じて、課題解決に取り組んでいます。
Governance ガバナンス(企業統治)
当社グループは、「信頼される、誠実な企業でありたい」という社是を起点に、健全なガバナンス体制の構築をはじめ、お客様、お取引先様、株主様、地域社会、セブン‐イレブン加盟店オーナー様、従業員を含めたすべてのステークホルダーとの対話を通じて、これからも変化し続ける社会の期待・要請を受け止めながら、ESGに関わるさまざまな取り組みを強化していきます。