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セブン&アイの挑戦

リアル店舗を含めた流通革新のカナメとして

 セブン&アイHLDGS. は、今年3月1日、組織再編を実施し、セブン&アイ・ネットメディア(以下、ネットメディア)を中核としたオムニチャネル推進体制を強化しました。ネットメディアはeコマース(電子商取引)事業として「セブンネットショッピング」を運営するとともに、グループ共同販促やグループのネットサービス事業の推進およびセブンスポットを含むメディアビジネス事業に取り組みます。また、グループの主要事業会社においては、オムニチャネル事業の推進部門を設立し、グループ横断の「オムニチャネル・プロジェクト」と連携してオムニチャネルの事業化に向けた取り組みを一段と加速しています。

 昨年来、一般のメディアでもオムニチャネルへの注目が高まっています。しかし、オムニチャネルとは、ネット通販の進化した形態ととらえられがちです。グループが進めているオムニチャネルは、単にネットを使った流通事業ではなく、あらゆる業態のリアル店舗を巻き込んだ、流通サービス、消費形態全般の革新です。

 そこで重要なポイントとなるのが、コンビニ、スーパー、百貨店、専門店など多様な流通業態を包括するセブン&アイグループの業容です。今、アメリカで先行して進んでいるオムニチャネルは、百貨店あるいはディスカウントストアといった1業態のリアルとネットを結ぶ取り組みです。しかし、これではオムニチャネルのほんとうの便利さは提供できません。今、構築しつつあるオムニチャネルは、多様な業態がオムニチャネルを介して連携する全く独自のものです。

 これが可能なのは、世界の流通グループの中でも、多様な業態を統括しているセブン&アイグループだけといえます。

セブン‐イレブンを「街の本屋さん」に

「街の本屋さん」としての機能を目指すセブン‐イレブンでは、店頭に設置された端末を利用して注文し、店舗での受け取りができるサービスを順次スタート。
 異なる業態間の連携。その一環として、昨年12月から広島県内のセブン‐イレブン470店舗で、そごう・西武のショッピング・サイト「e.デパート」で販売している「デパチカ和洋菓子」を受け取ることができるサービスがスタートしています。これは将来、百貨店や専門店、スーパーなどグループの商品を、随時ネットで注文してお近くのセブン‐イレブンで受け取りができるサービスの実験の第一歩です。

 女性の社会進出による共働き世帯の増加や高齢化の進展で、平日の日中、百貨店や専門店に出向くことが困難なお客様が増加する中で、百貨店や専門店でしか購入できない商品をネットで注文してお近くのセブン‐イレブンで受け取れるようにすることで、時間や場所に制約されずにお買物ができるようになります。このような取り組みは、今までの「ショッピングの不自由」をショッピングの自由に転回する取り組みです。

 そのためには、これまでネットショッピングの経験のなかったお客様にも、ネットでのお買物に親しんでいただく必要があります。セブン‐イレブンでは、店舗にネット端末を設置して店頭でお客様にご注文いただき、店舗で商品を受け取っていただくサービスを推進していきます。その第一弾として、この 4月から「セブン‐イレブンは街の本屋さん」と位置づけ、本(書籍と雑誌)の販売に注力していきます。これは、セブンネットショッピングが取り扱っている 150万アイテムに上る本を、セブン‐イレブン店頭の端末からご注文いただき、各店舗やご自宅で受け取れるようにするもの。従来もネット通販商品のセ ブン-イレブン店頭受け取りサービスは実施していましたが、今回、店頭に置いた端末を使用し、従業員が接客を通じてサポートすることで、ネット購買になじみのないお客様も容易にサービスが利用できるようになります。

 こうした取り組みを重ねていくことで、百貨店商品や本に限らず、グループ各社のあらゆる商品が、ご自宅やセブン‐イレブン、イトーヨーカドーなど、ふだ ん行きつけの店舗から気軽に注文でき、ご自宅や店舗で受け取れるようにしていく計画です。今後はオムニチャネルを通じて、お客様の生活スタイルに合った注文や商品受け取りが選択でき、ショッピングの利便性が格段に高まります。

グループ横断プロジェクトでインフラ構築を推進

 オムニチャネル・プロジェクトには、既存のグループ各社はもとより、ニッセンなど新たにグループに加わった各社も参画し、物流、商品管理などの分科会ごとに、サービスインフラの具体化を図っています。世界でも他に類のない業態横断形のオムニチャネルは、今、着々と進行しています。

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