このページの本文へ移動します

セブン&アイの挑戦

2014年4月
潜在ニーズを掘り起こしマーケット拡大をリードするMD(マーチャンダイジング) 消費飽和、市場縮小と言われる中で、新たな需要喚起に成功しマーケット成長を生み出した「セブンカフェ」や「金の食パン」。販売の現場にもたらされたその効果を検証しました。

客層拡大、既存店成長に寄与する「セブンカフェ」

  店頭で1杯ずつ豆を挽きドリップして提供するセルフ式コーヒー「セブンカフェ」。高いクオリティながら1杯100円(レギュラーサイズ)という価格に、2013年1月にセブン‐イレブン各店で導入をスタートすると同時に人気を呼びました。その販売量は当初予想を大きく 上回り年間で4・5億杯に達する見込みです。これは、数あるカフェやファストフードチェーン店を上回る規模です。社会現象としても注目を集め、今年1月には日本経済新聞社の「日経優秀製品・サービス賞2013」の最優秀賞を受賞。「『コンビニでコーヒーを買う』という新たな消費行動が根付いた」(日経優秀製品・サービス賞2013WEBサイトより)ことが選定理由に挙げられています。
 実際にセブン‐イレブンの販売データ等から、「セブンカフェ」がコーヒーマーケットを拡大していることが見えてきました。従来、家庭外で飲用されるコーヒーは、缶コーヒー、カフェや喫茶店、ファストフード店、チルドコーヒーなどが主要なマーケットです。そこにコンビニコーヒーという新しい市場が登場したのです。
 特筆すべきは、「セブンカフェ」は缶コーヒーの販売量にはほとんど影響を与えず、販売量をプラスする形で、コーヒー全体の売上げ成長をもたらしていること。そして、新たな客層を広げていることです。従来の缶コーヒーは中高年男性層が中心ですが、「セブンカフェ」は男女比率がほぼ同等。女性や若い年代の客層拡大に寄与しています。
 さらに、電子マネー「nanaco」のデータでは、「セブンカフェ」を購買されたお客様の4割近くが、これまでセブン‐イレブンで缶コーヒーやチルドコーヒーを購入したことがありませんでした。また、一度味を知っていただくとリピート率は55%にもおよび、カフェだけでなくサ ンドイッチなど関連商品もいっしょに購入していただいていることもわかりました。「セブンカフェ」は客数増だけでなく、買上点数増にも大きく寄与しているのです

インフラの力が生んだ「金の食パン」のおいしさ

 昨年、もう一つ話題を呼んだ商品に、セブンゴールドの「金の食パン」があります。2013年4月に登場し、昨年末までにグループ全体で2500万食を昨年、もう一つ話題を呼んだ商品に、セブンゴールドの「金の食パン」があります。2013年4月に登場し、昨年末までにグループ全体で2500万食をしょうか。そこには、お客様の立場に立っておいしさを追求するという共通理念のもとに、セブン‐イレブンが全国規模で構築してきた162の専用工場網と、メーカーと販売現場が一体となった開発体制、そして、単品管理に基づく計画的な販売体制があります。

開発の加速化と独自のMDでマーケットをリード

高級食パンの市場を広げた「金の食パン」

 この「金の食パン」も、新たなマーケット創出の効果をもたらしています。グループ各店の販売データなどからは、従来のNBの食パンの販売量に大きな影響を与えず、新たに「金の食パン」の販売量が上乗せされていることがわかります。「nanaco」のデータでも、セブン‐イレブンで「金の食パン」を購入されているお客様の約半数が、過去にセブン‐イレブンで食パンを購買したことがありませんでした。

 「金の食パン」のヒットは、パンのマーケット全体にも影響を及ぼしました。街には高品質の食パンを扱う「食パン専門店」が登場し、大手NBメーカーも、高価格の高級食パンを発売するようになりました。

 このようなマーケットのスピーディーな変化について開発責任者はこう語ります。

 「低温長時間熟成など、私たちの商品づくりは簡単にマネができないものです。このような独自の商品づくりを進めるとともに、リニューアルを加速していくことにも力を注いでいます」

 コーヒーや食パンなど、すでに日常生活に深く根をおろした商品にも潜在ニーズが存在し、それに応えることで客層拡大、買上点数増など、既存店成長を力強くリードしていくことが可能であることを、「セブンカフェ」や「金の食パン」の事例は実証しています。今年もセブン&アイHLDGS. は、さらに数多くの分野で独自の視点による潜在ニーズの掘り起こしに挑戦していきます。

 この1月には、缶コーヒー「ワールドセブンブレンド」の発売をスタートしました。これは、PB「セブンプレミアム」とサントリーの主力缶コーヒーブランド「BOSS」のダブルブランド。PBとNBのダブルブランドは、史上初の試みです。消費成熟化の中で、成長力を生み出し続けるセブン&アイHLDGS. のマーチャンダイジングに、今後ともご期待ください。

コーヒー市場で新しい客層を広げる商品
「セブンカフェ」は若い世代に人気。セブンネットと首都圏のセブン‐イレブンで先行販売しているサントリー×サーモスのマイボトルドリンク「drop」は専用ボトルとポーションで12種類の味が楽しめ、女性に圧倒的な支持を得ています。「ワールドセブンブレンド」は、缶コーヒーで伸びているBOSSブランドとのコラボでシェア拡大につなげます。
  • 全1ページ
  • 1