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セブン&アイの挑戦

2020年5月

グループシナジーを活かし、
消費環境の劇的な変化に対応する成長力の確立へ

セブン&アイHLDGS.
代表取締役社長

井阪 隆一

新型コロナウイルス感染症の影響と当社グループの対応について

 新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大する中、国内におきましてもさまざまな事象において影響が増大しております。当社グループの各店舗では、営業時間の短縮や休業、食品・日用品などを中心とした売場の営業継続など、社会的な要請にお応えするための対応を続けております。また、刻々と変化する感染拡大の状況に対応して行政機関の要請や施策なども更新されています。このため、当社グループでは、各社間の情報共有を緊密に行い、お客様と従業員の安全を最優先に考えて対策を進めております。
 なお、2021年2月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の経営環境への影響が増していることに加え、グループの施策が今後起こり得るさまざまな事象によって変化する消費者心理の影響を受ける可能性があります。現段階での合理的な業績予想の算出は困難であるため、連結業績予想を未定とさせていただき、新中期経営計画につきましても、指標数値などの見直しが必要であるため、公表を延期させていただきました。ステークホルダーの皆様には、ご迷惑とご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。
 当社は、グループの力を結集して、今回の困難な局面を乗り越えてまいります。ステークホルダーの皆様にも、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

消費行動の劇的な変化をふまえ「ラストワンマイル」への対応強化へ

 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大下でのお客様の購買行動には大きな変化が見えました。一つは、インターネットを利用した購買の拡大と定着です。イトーヨーカドーのネットスーパーをはじめ、そごう・西武の「e.デパート」、ロフト、アカチャンホンポ、セブンネットショッピングなどいずれもネット通販へのご注文が拡大しています。また、セブン&アイ・フードシステムズのデニーズでも、テイクアウトや宅配サービスに力を注いだ結果、お客様のご利用が着実に伸長しています。このような商品をお客様のもとにお届けする「ラストワンマイル」のサービスは、家事時間の短縮や調理の簡便化のニーズにも対応しており、今後ますますそのご利用が拡大していくものと考えられます。
 また、イトーヨーカドーのネットスーパーでは、これまで商品の受注から配送について各店舗を拠点に行ってきましたが、より多くのお客様からのご注文にお応えするため、大型センターを拠点とした仕組みへの転換を図っていきます。さらに、セブン‐イレブンでは、北海道と広島県で続けてきたネットコンビニを拡大するなど、グループ各社ともラストワンマイル対応の強化を図ります。

3つのシナジーを基盤に成長戦略を推進

 成長戦略および事業構造改革を両輪とした経営戦略の推進を通じて、私たちの地域社会において“暮らしになくてはならないグループ”を目指します(図1参照)。
 私たちは、今後の成長戦略の基盤として、「食」「金融」「デジタル」というグループシナジーをさらに強化していきます。「食」に関しては、健康、安全・安心への関心が高まっている中で、当社グループは、食に関連する事業を数多く有しており、そのシナジーによってほかにはないバリューチェーンを創出することができます。また、金融とデジタルを一体化したグループのビジネス基盤の革新を通じて、顧客接点の拡大・強化、ラストワンマイルへの取り組みの強化、さらに購入から決済まで一貫したサービス提供などを実現していきます。これらを基盤として、次世代を見据えたコンビニエンスストア事業の成長戦略、首都圏食品戦略、大型商業拠点戦略という3つの戦略を力強く推進します。
 同時に、大型商業施設を展開するスーパーストア事業、百貨店事業の事業構造改革を一段と加速します。イトーヨーカ堂ではこれまで4年間に61店舗の店舗構造改革を実施し、集客力の向上、収益性の改善といった成果をあげています。これをふまえ今後5年間で抜本的な店舗改革を全店舗に広げていく計画です。また、そごう・西武では、昨年11月に西武所沢店を、百貨店と専門店館を融合させた新たな「ハイブリッド型ショッピングセンター」としてリニューアルしました。地域ニーズに対応することで集客力の向上などの成果をあげています。こうした成功事例をもとに、全店舗での改革を加速させていきます。

(図1)目指すべき姿:暮らしになくてはならないグループ,「成長の柱となるCVS事業戦略」・国内コンビニエンスストアにおける顧客提供価値のさらなる向上・北米市場でのM&Aを通じた規模拡大・全世界7万店の拠点を活用した価値提供,「食品強化・首都圏食品戦略」・セブンプレミアムのさらなる強化・首都圏食品戦略,「大型商業拠点戦略」・大型ショッピングセンターの運営・地域ニーズ、プレミアムニーズへの対応・「コト」視点による施設、コミュニティーづくり・物販+テナント+サービスによる収益化,「お客様との『接点』拡大」食・金融・デジタル戦略,食・人生100年時代を見据えた健康に貢献・健康、安全・安心を意識した食の提供,金融・クレジットカード事業の強化・7iDを核にしたグループCRM推進,デジタル・ラストワンマイル機能の拡充・AIなどのテクノロジーの積極活用

新会社のもとで首都圏食品スーパーの展開を促進

 首都圏における食品マーケットへの取り組みについては、昨年10月に公表した基本方針の通り、ヨークマート、イトーヨーカ堂の食品館とザ・プライスおよびフォーキャストを統合した新会社、株式会社ヨークを中心に推進していきます。ヨークでは、500〜600坪の標準店舗、150〜300坪の都心型小型店舗、上質な生鮮食品を品揃えしながらリーズナブルプライスを実現する新型店舗といった店舗フォーマットの開発・確立を推進。各店舗が持っている強みを活かし、立地特性や商圏環境に合わせた店舗展開を進めます。
 同時に、グループとして商品の製造から配送にいたる供給インフラの共有化も進めます(図2参照)。さらに、店内外でバランス良く調理を行う体制を整えることで、お客様に提供する生鮮食品、惣菜などのクオリティの向上と店舗作業の効率化を推進。厳しい競合環境にある首都圏で個店ごとの競争力を高めます。
 いずれの戦略においても、グループの経営資源を結集してグループシナジーを最大化し、さらにグループ外の企業とも緊密に連携することで、大きく変わろうとしているお客様の購買行動に迅速に対応していきます。

(図2)首都圏SM・GMSの食品事業を支えるインフラ イメージ図

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