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セブン&アイの挑戦

2019年10月

セブン&アイグループの「SDGs」

お客様が店頭に持参されたペットボトルを100%使用した世界初の「完全循環型ペットボトル」(ボトルtoボトル)を実現

「環境配慮型素材100%」に向けて

12 つくる責任つかう責任,13 気候変動に具体的な対策を,17 パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsと本取り組みの関係

 セブン&アイグループは、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』の中で、<2050年までに「セブンプレミアム」を含むオリジナル商品で使用するすべての容器は環境配慮型素材を100%使用>という目標を掲げています。この達成に向けた大きなステップとなる商品が、今年6月にグループ約2万1400店舗で販売を開始した日本コカ·コーラ(株)との共同企画商品「一(はじめ)緑茶 一日一本」です。

 海洋プラスチックごみが生態系に与える影響が注目されて以来、世界規模で脱プラスチックへの関心が高まっています。こうした中、飲料業界では使用済みペットボトルを原料として100%使用し、飲料用ペットボトルとして再生する「ボトルtoボトル」と呼ばれる取り組みが始まっています。
 「一(はじめ)緑茶 一日一本」は、この「ボトルtoボトル」を活用した商品であると同時に世界初の「完全循環型ペットボトル」でもあります。完全循環とは、一つの流通グループだけでリサイクルが完結することを意味しています。つまり、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルを原材料としたリサイクルペットボトルを、再びセブン&アイグループの店頭で販売しているのです。

※バイオマス素材、生分解性素材、リサイクル素材、紙など。

お客様とともに活動を推進

 この取り組みを開始したのは、2年前。セブン&アイグループは、店舗を通じて毎日約2400万人のお客様をお迎えしており、資源循環を率先していくことは企業として重要な社会的責任であると考え、従来から店頭でペットボトルを回収する専用機械を設置してきました。
 この回収機を通じて回収されるペットボトルは、ラベルが剥がされ、ボトルの中が洗浄された品質の高いペットボトルで、お客様の「資源として活かしてほしい」という積極的な思いが込められています。また、この回収機を通じて想定以上の回収量を確保することができ、イトーヨーカドーではペットボトル飲料の年間販売数量よりも店頭にお持ち込みいただくペットボトルの方が多くなっています。さらに、再生されたペットボトルでつくられたボトルは、ボトル1本についてCO2を約25%削減することができます。

パートナー企業とともに新技術に挑戦

 商品企画のパートナーである日本コカ·コーラは、「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」というグローバルなビジョンのもと、2030年までに販売した量と同等量の容器を回収するとともに、すべての容器をサステナブル素材(再生材または植物由来素材)へと切り替える目標を掲げています。また、リサイクル工程のパートナーである遠東石塚グリーンペット(株)は、グローバルな飲料メーカーを顧客に「ボトルtoボトル」のメカニカルリサイクル事業を展開しており、日本最大級の処理・生産量を誇っています。こうしたパートナー企業と完全循環型ペットボトル実現に向けた想いをともにし、さまざまな課題を克服しながらプロジェクトは進展しました。その中でも、日本の消費者の要求レベルに合った透明度――既存の完全循環型ペットボトルは企業や国・地域ごとの品質基準をクリアしているものの、日本では「黄味がかったペットボトル」と厳しく評価される――という課題解決に向けた新技術・設備開発は、お客様とともに活動を推進するというコンセプトで、世界のペットボトルリサイクルの未来につながる挑戦といえます。

Message

日本コカ・コーラ(株)

 メーカーだけではできない、多くの消費者が参加する取り組みという点に大きな意義を感じています。サプライチェーンの皆様とともに循環型の仕組みを構築し、今後も広げていきます。

遠東石塚グリーンペット(株)

 日本最大のペットボトルリサイクルメーカーとして、注力している地産地消の取り組みを実践できたことに感謝しています。店頭回収のおかげで安定的に原料が確保できるため、技術や設備への投資もしやすく、持続可能なリサイクル事業のモデルとなることを期待しています。

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