2019年10月
パートナー企業とともに
イトーヨーカドーのプライベートブランド商品「いつもの肌着」
すべてのお客様に素敵な体験をお届けしたい──その思いから、イトーヨーカドーは、さまざまなPB(プライベートブランド)商品を開発・提案してきました。2009年にスタートした肌着・靴下のPB「いつもの肌着」もその一つです。
「いつもの肌着」のコンセプトは「やさしさとこだわり」です。約100アイテムを全国のイトーヨーカドーで展開しています。各アイテムはどれも生地や糸、縫製などに徹底してこだわっており、その品質の高さから多くのお客様がリピート購入されています。
この「いつもの」には3つの意味が込められています。1つ目は毎日安心して身につけてほしいというイトーヨーカドーの肌着に対する普遍的な考え方です。2つ目は、いつ行っても欲しかった肌着がそこにある、いわゆる安心の定番商品であることを表しています。そして3つ目は、お客様とお話ししながら長年築いてきた、信頼される商品であることを表しています。
イトーヨーカドーの人気商品「毛布ソックス」。2019年は、レディース5色、メンズ4色を展開。
「いつもの肌着」のシリーズの中でもとりわけ高い人気を誇るのが、秋冬物の部屋履き靴下「毛布ソックス」です。販売期間、使用できる季節が限られている商品にもかかわらず販売数量は年間約2万6000足です。この靴下の大きな特長は履いた時に“締め付けない”ことです。購入されたお客様からも「履いていることを忘れるほど軽く感じるのにぴったりフィットして、しっかり脚を温めてくれる」といった声が寄せられています。現在は、より若い年代層に向けた商品の展開も検討しています。今後も、こだわりの靴下をつくるお取引様との強力なコラボレーションでお客様に信頼され愛される商品を提供していきます。
「毛布ソックス」の編立工程
ナカイニットでは、編み機の釜の口径を独自に改造するとともに、ゆっくり編むことで“究極の履き心地”を実現。古い編み機を大切に使っており、部品もほぼすべてが特注品。
編み上がった靴下の検品
編み上がった靴下は、人の手で一つひとつ丁寧に検品。この後、爪先の縫い合わせや、滑り止め加工などを経て完成した商品は、助野の物流網を経由して全国の店舗へ。
助野(株)
常務取締役 東京支店長
高田 仁志 氏
1956年に靴下問屋として富山県高岡市で創業した当社は、その後自社工場を持つ製造卸となり、企画、生産、物流それぞれの部門で機能を強化してきました。現在は靴下を中心とした繊維製品の製造卸として中国とタイに合わせて3つの量産工場を展開しているほか、3年前には高岡に企画・開発(ラボ)機能を持つパイロット工場も開設しました。同工場では地元富山大学との連携で多数の若手デザイナーを受け入れており、富山の寿司やクリスマスケーキをモチーフにした靴下など、時代の感性に合ったユニークな企画も生み出しています。
イトーヨーカ堂様とのお付き合いは約25年前に始まりました。「毛布ソックス」についても、企画・デザインや生産、物流管理などの面で商品開発に関わっており、3社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、評価の高い商品を提供していることに誇りを感じています。
ナカイニット(株)
代表取締役
中井 秀典 氏
「毛布ソックス」の着想を得たのは20年前。ある展示会で遠赤外線効果を発揮する毛布を見て「これを靴下にしたい」と思ったのが始まりです。コンセプトは脚を“ゆっくり温める”靴下。脚を温めると血流が良くなり、老化防止になります。そのためには“締め付けない”ことも重要なポイントです。
早速開発に着手しましたが、糸も、編み機も、構想に合う既製品はなく試行錯誤を要しました。編み機は既存の機械を部品から大改造し、糸は紡績メーカーに特注することで実現できました。
イトーヨーカ堂様、助野様との協働には大きなメリットがあります。販売チャネルの拡大はもちろんですが、マーケティングや顧客ニーズに合うデザインなど、当社だけではできないさまざまなことが可能になります。これからも一緒にお客様のニーズに合った商品、健康に役立つ商品を形にしていければと思っています。