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セブン&アイの挑戦

[Interview]セブン銀行社長 二子石謙輔
セブン銀行、東証第一部上場
―変化し、進化し続けるセブン銀行 いま、新たな成長のステージへ―

東証第一部上場の記念セレモニーにて二子石謙輔社長(左)と安斎隆会長。

2011年12月26日、セブン銀行が東証第一部に上場しました。2001年4月の会社設立以来、「いつでも、どこでも、だれでも安心して使えるみんなの銀行」として、ATM事業を中心に身近な銀行サービスの提供に一貫して取り組み、近年は新しい第3世代ATMの導入や、海外送金など、より幅広いお客様のニーズにお応えするサービス提供も実現しています。今回の東証第一部上場と今後の事業方針について二子石社長に聞きました。

おかげさまという気持ちを忘れずファンを増やしていきたい

セブン銀行は、昨年12月に東証第一部に上場しました。
2001年にスタートした当社のATMビジネスも早10年が過ぎ、おかげさまで非常に多くのお客様のご支持をいただいて今や社会の生活インフラとも金融の共通インフラとも言われるまでに成長しました。このたびの上場は、そうした社会における当社の役割や実績を評価していただいた結果だと思っています。この間、多くの方々のご協力をいただきました。この場をお借りし、皆様に改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
また、この度の上場に際しまして、株式の分割や単元株制度の採用を行い、売買に必要な金額を従来の十分の一に引き下げました。これによってセブン銀行の株式がより買いやすくなりましたので、日頃当社のATMをご利用いただいているお客様をはじめ、多くの皆様に株主になっていただき、当社のファンになっていただくことを願っています。

小売の文化を活かして新たな価値の提供を

最近、セブン銀行の強みはなんですかとよく聞かれます。私はこう答えています。第一は、セブン‐イレブンをはじめグループ各社の店舗網や、そこに来られる非常に多くのお客様が背景にあること。第二に、システムや現金管理などの面でこれまでに培ってきたさまざまなノウハウがあること。第三に、小売や流通の文化を多少なりとも身につけておりサービスに活かしていけること。これらはいずれも今後の当社の成長発展に欠かせないものですが、とくに三番目の小売のカルチャーは従来の金融機関との差別化を進めるうえで非常に大事な要素だと思っています。自分たちの仕事をつねにお客様の側から見て、わかりやすく、使いやすく、快適なサービスをご提供して、ご満足いただくことが私たちの仕事そのものだということです。
小売流通サービスも、リテール金融サービスも、生活者である個人のお客様を相手に商売する点では同じです。そして時代や環境の変化によって社会の構造やお客様の生活も変わってきます。それに対応して新しい価値を提供していくことがセブン銀行の着実な成長につながると思い、これからもチャレンジしていきたいと考えています。

ATM事業を拡大し新サービスを軌道に乗せる

当社のATM事業は、設置台数で1万6千台を超え、年間6億件を上回るご利用をいただいています。しかし、まだまだやるべきことはたくさんあり、事業はまだ発展途上にあります。例えば、提携できていない地方銀行が20数行ありますし、さらに設置台数もこれから増やす余地が大いにあります。潜在的な利用者も多数いらっしゃいます。こうした課題を解決していくだけでも、利用件数を着実に増やしていけます。そのための施策をこれからもしっかり進めていきます。
また、海外送金やローンなどの新しいサービスはお客様の反応もよく、特に海外送金サービスは、アジア各国をはじめ海外からの働き手の皆さんに非常に喜んでいただいています。この分野は、これから日本の労働力人口が減る中で、それを補う形でマーケットが広がると思いますので、根気強く告知し、営業していけば、早晩軌道に乗ってくると考えています。
これからも、こうしたお客様に「これはいい。ありがたい」と評価されるようなものを考え、グループの基盤とATMのネットワークなどを活用して、社会のお役に立ち、絶え間なく変化し、進化し続けるセブン銀行でありたいと思っています。

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