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セブン&アイの挑戦

2012年2月

アリオ初の駅前立地リニューアル店舗 アリオ松本
発想を一新したマーケットの開拓とグループシナジーで不振店舗が再生

歴史ある店舗の大規模な売場改装を実施してオープンしたアリオ松本。発想を一新し、グループシナジーを発揮した業態転換で、再び地元のお客様の支持を集めています。

エスパ開業以来初の大規模改装を実施

アリオ松本の概要
アリオとしては全国で13店舗目
●所在地
長野県松本市深志1丁目2番30号
●敷地/店舗面積
5,200m2/13,000m2
●駐車場/駐輪場
1,140台/400台(臨時含む)
●建物 店舗
 地下1F~地上7F

昨年12月16日、13店舗目のアリオである「アリオ松本」(長野県)がオープンしました。これまでのアリオと異なるのは、既存店のエスパ松本からのリニューアルオープンであることです。

JR「松本駅」から徒歩3分の好立地にイトーヨーカドー松本店がオープンしたのは1978年のこと。その後、エスパ松本にリニューアルしましたが、お客様のライフスタイルの変化や、車でアクセスしやすい郊外型SCの人気などから苦戦が続いていました。

今後の対応が協議される中で転機となったのが、昨年、同県でアリオ初のローカル出店を果たした「アリオ上田」の成功です。従来の発想を捨てて時代のニーズをとらえ、マーケットを深掘りすればチャンスはある。そこで思い切った投資で売場を一新し、新たに18の専門店を導入。エスパ開業以来初となる大幅改装で、ファミリーで楽しめるアリオ業態への転換を図ったのです。アリオ最小、そして初の地下1階・地上7階建ての縦型店舗という新スタイルのアリオへの挑戦でした。

グループシナジーでファミリー層の集客を実現

アリオ松本では、より商品の良さが伝わり、楽しくお買物できる空間づくりを徹底しています。
店内構成では、モールの良さをどのように縦型店舗に取り入れていくかが課題でした。広々とした郊外店との差別化を図るには、商品を絞り込み、魅力的な専門店を導入する必要があります。自営の面積を半分に縮めてテナント中心の構成を採用する中で、大きな強みとなったのがセブン&アイグループが持つ経営資源でした。
「テナントミックス型施設の魅力の最大化を図る時、グループ内に『ロフト』や『アカチャンホンポ』、タワーレコードの小型店業態『タワーミニ』といった集客力の高い専門店があるのは大きなメリットでした。期待以上に若者やニューファミリー層のご来店につながっています。また、そごう・西武との協働により『百貨店ブランド』も積極的に導入。都心までお買物に出ていたファッション感度の高いお客様が来店されるようになりました」とRE部総括マネジャーは言います。

百貨店ブランド「SEIBUメンズ」「SEIBUレディス」
メンズは「ポートダーバン」「ヴァンプス」、レディスは「アドレス」「詩仙堂」「エコー」など上質な百貨店ブランドを打ち出す新スタイルの専門店です。

生活雑貨専門店「ロフト」
アリオ上田でも大人気の生活雑貨専門店「ロフト」。クリスマスのギフト需要では、幅広い世代に人気を博しました。

ベビー・マタニティ専門店「アカチャンホンポ」
キッズ需要の中心を担い、広域からのニューファミリー層の集客につながっています。

CDソフト専門店「タワーミニ」
若者に人気のタワーレコードの小型店業態。コンパクトな店舗に旬の音楽や映画を集めた利便性の高さが人気です。

イトーヨーカドーゾーン・ファッションのフロア
PBブランド「GALLORIA」「L&B」「Kent」「goodday」「ボディヒーター」を専門店化して展開。専任の販売員がご案内します。

上質な品揃えでお客様ニーズを掘り起こす

すべての面で重視するのは「上質感」と「鮮度感」です。新しいモノ好きといわれる地元のお客様が求めている旬の情報や商品を発信することで、広域から幅広い年代のお客様のご来店をうながします。
イトーヨーカドーゾーンでは、PBブランド「GALLORIA(ギャローリア)」「L&B(エルアンドビー)」「Kent(ケント)」「good day(グッデイ)」「機能性肌着 ボディヒーター」を展開。そごう・西武のノウハウを注入し、接客力を強化することで顧客づくりを進めるなど、接客面でもグループシナジーを活かしています。
食料品フロアでは、おいしさと鮮度にこだわった上質な品揃えを徹底。鮮魚売場では新潟県の漁港からその日の朝に水揚げされた魚を直送し、内陸県で近海魚になじみのないお客様に、調理法を説明しながらおすすめして喜ばれています。青果売場では地元農家のこだわり野菜を中心に、シーズンごとに「信州伝統野菜」を販売。精肉売場ではA5ランクの「松阪牛」や長野県産「信州牛」「信州地養豚」等を取り揃え、対面販売でお好きな量だけお買い求めいただけます。
「マーケットリサーチで、信州では名古屋まで買物に出る人が多いとわかり、銘菓コーナーに名古屋銘菓を揃えたところ好調です。このようにニーズがありながら地元にはなかった品揃えで『デパ地下のよう』と喜ばれ、食品売場の面積が縮小したにもかかわらず、売上げは大幅に伸びています」とRE部総括マネジャー。観光需要を見込んだ名産品・土産品ショップ『アリオ松本の駅』も好評です。
今、アリオ松本は3世代で買物を楽しめる店として幅広い世代のお客様で賑わい、SC全体での計画を3割上回る売上げで推移。今後は同店をモデルケースに、不振の続く店舗のマーケットニーズを見直し、品揃えや販売力強化による底上げを図っていきます。

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