セブン&アイHLDGS.のIT戦略、本格始動!
2009年末、セブン&アイHLDGS.は
IT関連分野のサービスを、相次いでスタートさせました。
いま、グループが進めているIT戦略をご紹介します。
消費飽和と言われる中で、急速に市場規模を拡大している通信販売市場。中でもインターネットやモバイル通販など個人消費者向けEコマース市場は二桁の伸びを続けています。セブン&アイHLDGS.では、お客様のリビングまで個別に「ご注文」をうかがいに行く「現代版ご用聞きサービス」として、いち早くグループ各社においてインターネットを活用した販売や情報・サービス提供を進めてきました。セブン&アイHLDGS.の強みは、国内1万4000店舗に上る店舗網や独自の情報・物流システムを擁し、ネット関連事業においてもお客様の信頼に応えるきめ細かなサービス提供ができる点です。既存の事業インフラとインターネットなどIT(情報技術)の融合により、クオリティの高いサービス提供でお客様の需要を掘り起こし、新たなビジネスチャンスの獲得を目指しています。
2008年7月には、IT/サービス事業領域(ネット関連事業とサービス事業)を統括する中間持株会社「セブン&アイ・ネットメディア」を設立。店舗とネットの融合を図り、既存事業領域にとらわれることなく、戦略的にグループの経営インフラを活用した事業の創出・推進に取り組んでいます。(下図参照)
現在、セブン&アイ・ネットメディアは、グループ各社と連携し、ネット関連事業を(1)ネット通販、(2)店舗ネットサービス、(3)情報端末サービスの領域を中心に事業基盤の整備・再編を推進しています。
店頭の新鮮な商品をチラシの価格で注文でき、その日のうちにお届けします。
(1)「ネット通販事業」 の中心を担うのが、2009年12月にオープンした「セブンネットショッピング」。セブン‐イレブン店頭での代金支払いや商品受取りなど、グループ店舗とネットの融合を通じて、ネット通販に対する新たなお客様のニーズに応えています。また、同サイトを運営するセブンネットショッピングは、グループ各社およびグループ外企業との連携を進め、お客様からはコンテンツのある場所を意識せずにワンストップで利用できる「流通クラウドポータル」という独自のコンセプトを打ち出し、ネット事業の可能性をフルに引き出していく方針です。
セブン‐イレブンの商品力を活かし、店舗に並びきれない魅力的なアイテムを揃えています。
化粧品の販売・コンサルティングを行う、そごう・西武のネットサービス。
(2)「店舗ネットサービス事業」 は、各社の店舗が拠点となって、ネットで受注し、お客様の家まで商品配送するサービス。イトーヨーカドーではすでに118店舗(12月末)でネットスーパー事業を実施しており、店頭に並ぶ新鮮な商品を、店頭と同じ価格で、ご注文当日に配送しています。会員は55万人以上となり、すでに大きな実績を上げています。
セブン‐イレブンの「セブン‐イレブンネット」では、約5000アイテムを取り扱い。全国有名蔵元の地酒や、ご当地カップ麺を集めた「日本全国ラーメン紀行」など、セブン‐イレブンならではの情報網、商品力を活かした品揃えが特徴。店舗受取りによる安心感や利便性も人気です。
また、2009年11月には、そごう・西武が西武池袋本店で新規ネットサービス「イケセイKIREI」をスタート。国内外の人気コスメブランド商品を揃え、ネットで注文を受け、店舗からの配達や店舗受取りを承るとともに、コンサルティング情報などを提供。ネットと店舗を融合してクオリティの高いサービス提供に取り組んでいます。
(3)「情報端末サービス事業」 では、すでにセブン銀行のATMサービス、セブンドリーム・ドットコムが運営しているセブン‐イレブン店舗のマルチコピー機を活用したチケット事業があります。チケット事業では、2009年9月に体験型日帰りイベントのチケット販売を開始。さらに、ぴあ(株)と 12月に資本・業務提携し、今秋にはチケットや関連商品の企画・販売を開始します。こうしたチケット販売やコピー、FAX、デジカメプリントやネットプリントサービスなどのステーションになる「マルチコピー機」は、今後セブン‐イレブン以外のグループ各社店舗へも拡大を図り、グループ全体の事業インフラに成長させていく方針です。
2009年11月には、店舗内にデジタル表示機を設置して商品情報等を提供する「デジタルサイネージ」のテストをセブン‐イレブン10店舗、イトーヨーカドー2店舗でスタートしています。
また、アリオ亀有店で、ニンテンドーDSを使用したワイヤレス通信サービスの実験も11月より開始しています。これはお客様がゲーム機の「ニンテンドーDS」を使い、店内の通信ネットワークを通して、売場情報や商品情報を受信できるサービスで、今後、グループへの拡大も視野に入れていきます。
これらの新規メディアを店舗に導入することで、店頭の情報発信機能とサービス機能の拡充を図っていきます。
セブン&アイHLDGS.は、 2010年をIT/サービス事業の本格稼働の年と位置づけ、新たなビジネスチャンスの掘り起こしと需要喚起に全力を注いでいく方針です。セブン&アイ・ネットメディアを中心にグループ全体のシナジー効果を最大限発揮し、IT と流通サービスの融合により、お客様の生活をより豊かに楽しく便利にする、新たなビジネスの創出に挑戦していきます。