「いろいろ食べたい」に応える
デニーズの「選べるメニュー」開発
「単品の少量メニューを増やすだけでは、お客様が迷ってしまい、かえって選びづらくなり、食べ慣れたメニューに落ち着いてしまわれがち。そこで、おすすめの組合せを提案するセットメニューを充実させたところ、選ぶ楽しさもあって人気になっています。人気メニューとともに、旬の野菜や新メニューなど、新しい味を知っていただける効果もあります」と、商品開発の担当者。 定食スタイルの「ハンバーグ」や「和風おかず膳」でも、付け合せのフライや小鉢を数種類から選べるメニューを広げています。
お客様のニーズに応えた選べるメニュー。リピーターを着実に増やしています。
「答えはお客様が持っている」
新たな衣料マーチャンダイジングへの挑戦
近年、人気の定番アイテムとなっているレギンスやスリムパンツですが、50代女性にはあまり購入されていませんでした。マーケティング調査を行ったところ、「レギンスは薄くて体の線が丸見えになる」「スリムパンツはきつくて動きづらい」といった不満が浮上。レギパンは、そうした不満を解消することでお客様の「本当は着たい」という気持ちに応えて開発。そのはきやすさは年代を問わず支持されるところとなり、発売から1カ月ほどの間に約25万本を販売しました。
「流行も意識しますが、一番重要なのは、お客様の考えや行動を綿密に調べ、心の中でこうあってほしいと考えている潜在的なニーズを探り当てることです」と衣料事業部の責任者は言います。
量販店に求められているコモディティ・ファッション(普段着を中心とした着用頻度の高い服)とは何なのか。それを突き詰めていった結果、お客様がイトーヨーカドーに期待するのは、より日常生活に密着した、着やすく買いやすい衣料なのだということを確認。マーチャンダイジングの軸足をトレンド重視から「お客様の潜在ニーズの具現化」へと、大きく転換させました。
新たな開発手法では、社会的環境やライフスタイルの中でのお客様の行動や思考を徹底的に調査し、商品選択の決め手、市場の実勢に合わせたプライスゾーン、既存商品への不満などを洗い出します。開発途中でも試着サンプリングにより、きめ細かくお客様ニーズとの刷り合わせを行っています。
この秋発売したインナーウェア「スタイルウォーム」も、高まるエコ意識や省エネ推進などの社会環境をふまえ、第一紡績と共同開発した発熱素材を使用し、暖房を控えめにした部屋でも温かく過ごせる高い機能性を備えています。
新たなマーチャンダイジングでは、さらに新しい素材、生産地、生産方法を開拓し、高品質で手にとりやすい価格を実現しています。今後もイトーヨーカドーならではの視点で、差別化商品を育てていきます。