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セブン&アイの挑戦
セブン&アイグループのサステナビリティ

社員の創意と挑戦意欲を支援する
身近な「不」を解決する持続可能なビジネスの創造
- ビジネスプランコンテスト 「SMiLE2022」 -

2023年2⽉

セブン&アイHLDGS. 取締役 常務執行役員 伊藤 順朗
セブン&アイHLDGS.
取締役 常務執行役員
経営推進本部長
伊藤 順朗

 セブン&アイグループでは、「身近な社会課題を持続可能なビジネスとして解決する新規事業プラン」を、グループ事業会社の社員だけでなく、契約社員、パートタイム勤務社員、アルバイト社員までを含むグループ従業員から広く募り、新たな事業創出を目指しながら、次世代を担う人財の発掘・育成を行っています。

社会的価値と経済的価値の双方に資する「1Action2Values」の視点

本取り組みに関するSDGsの目標
本取り組みに関するSDGsの目標

 2022年12月2日、虎ノ門ヒルズインキュベーションセンターARCHでビジネスプランコンテスト「SMiLE2022」の最終審査会が開催され、エントリーされた10の事業化プランから、3つのプランが選出されました。これは、セブン&アイグループCSR統括委員会のもとに設置された5つの部会(※1)の一つ、社会価値創造部会が主催する取り組みです。SMiLEとは「Seven&i Mirai innovation Leading Engine」の頭文字で、日常生活の中で誰もが出合う不便さや不安、不満などにじっくり耳を傾け、新規ビジネスとして持続可能なかたちで解決に貢献することを目指しており、グループが掲げる7つの重点課題(四季報154号参照[PDF:1.2MB])に関連した事業内容であることを要件としています。
 社会価値創造部会では、「企業としての価値創造を通じて積極的な社会貢献を図る」という観点から、これまでも社会的価値と経済的価値の双方に資する「1Action2Values」という視点を持って、グループの既存事業の再整理と新たな展開を進めてきました。SMiLE2022は、これをさらに一歩進めて、社会課題起点の新規事業の企画から事業化を目指す取り組みとして2022年5月にスタート。説明会開催から新規事業セミナー、具体的な事業プランの募集を行った後、第一次書類審査を通過したプランに対するターゲティングや実現性などの検討を、ARCH CIO(チーフインキュベーションオフィサー)の渡瀬ひろみ氏、大塚悦時氏を社外メンターとして迎え、提案者への個別指導を2カ月間実施。第二次書類審査ではプランを10案まで絞り込み、さらに2カ月かけて最終審査へといたりました。

  • ※1 CSR統括委員会5つの部会:コンプライアンス、企業行動、サプライチェーン、環境、社会価値創造の各部会
SMiLE2022
「SMiLE」の前身「ボーダーレスアカデミー」から誕生した事業一例

お客様の暮らしに最も身近な産業として小売業が果たすべき役割

 社会が多様化・複雑化する中で、お客様の身近にある店舗や小売業に求められる役割も、従来の物販だけではなく多様なサービス機能や地域社会のコミュニケーション、学び、助け合いの場としての役割などへと広がっています。今後の小売業の発展には、これらの課題にお応えし、持続可能なビジネスモデルを創出していかなければなりません。また、従来の発想を超えた視点と、新しいことに積極的に挑戦する意欲を持った人財が不可欠です。
 日ごろお客様に接する中で身近な困りごとに目を向け、新鮮な発想で新規事業化へと結び付けることができる意欲的な人財を見出すことも、SMiLEの役割の一つ。一連の事業化検討プロセスを通じて、意欲ある人財が必要なスキルを習得することへの支援を重要視しています。
 社会価値創造部会における社会課題をビジネスで解決する取り組みは、まず2019年に「ボーダレスアカデミー」として実施されました。これは、株式会社ボーダレス・ジャパンの協力により開催したもので、約1年の講習期間を経て、教育、介護などの社会課題に関する4案件が実際に事業化検討プロセスに進み、現在も取り組みが進行中です。
 SMiLE2022は、このボーダレスアカデミーの成果もふまえて計画され、2021年から1年かけて、他社事例のリサーチやグループ各社へのヒアリングをもとに、グループ従業員が参加しやすいようコンテストを目指した結果、第一次書類審査には300件を超える応募があるなど、予想を上回る反響を得ました。
 私たちは、社会変化の中で生まれてくるお客様や社会からの要望に目を向け、新たな価値創造に挑戦することで、新規業態を主要事業へと育成してきました。その原動力には、社会に有用な価値をしっかりと根づかせたいという「夢」があり、SMiLEの取り組みは、グループ従業員が夢に挑戦する機会を提供しています。この機会を通じて得た社内外の人とのつながりやスキルなどは、日々の仕事をさらに向上させる財産となります。今後もSMiLEの取り組みを継続的に進め、まだ見ぬ新しい事業の創出と意欲ある人財の発掘と育成、活躍の場の提供に努めていきます。

最終審査会の様子

最終審査会の様子。事前の説明会には800名を超える参加者があり、3回にわたる新規事業セミナーにも600名を超えるグループ従業員が参加。