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[対談] イノベーションの視点

デジタルマーケティングには「単品管理」が大前提

鈴木私どもではネットスーパーにもいち早く取り組み、イトーヨーカドーが2001年からサービスを開始しました。これは各店舗が地域のお客様からご注文を受け、店舗の売場に並ぶ商品をピックアップして、最短4時間でお客様にお届けする仕組みです。お客様には、「売場のプロが選んでくれるので、自分で選ぶより品質や鮮度の良い商品が届く」と好評です。今では多くのチェーンがネットスーパーに取り組んでいますが、利益を出しているところはごく少数です。イトーヨーカドーのネットスーパーは、黒字化している数少ない事例として注目されています。

石黒それもリアルとネットの融合の事例ですね。イトーヨーカドーのネットスーパーが成功した背景には、やはり従来の商品の鮮度や品質へのこだわりが活かされていると思います。

鈴木スタート当初は認知度も低く、利益を上げるまで苦労もあったのですが、実施店舗が拡大し、サービスに対するお客様の認知度や信頼感が高まると、一気に黒字化しました。オムニチャネルも、最初は困難に直面することもあると思いますが、軌道に乗れば一気に大きな成果につながるものと考えています。

石黒オムニチャネルは、お客様を消費市場の中心に置く流通革命だと考えています。ですから、これが普及すればお客様の消費行動やライフスタイルも一気に変わり、流通業全体のあり方もがらりと変わっていくと思います。セブン&アイHLDGS.がこれにいち早く取り組むことで、その変化を主導していかれることを期待しています。
 また、セブン&アイでは、単品管理にも長年にわたって取り組んでこられましたが、これもオムニチャネルを成功させるうえで、大きな強みになると思います。お客様がいつ、どこで、どんな商品を購入したかという情報をとらえるには、単品管理が不可欠だからです。

将来は世界中のお客様と結ばれたオムニチャネルの構築を

鈴木POSシステム導入の際に、私は「POSは売れ筋を教えてくれるわけではない。単品管理の道具である」ということを徹底して言い続けました。実はPOSシステムは、欧米の方が先に導入していたのですが、防犯の観点で使っていて、マーケティングに活用していたところは皆無でした。本格的にマーケティングに活かしたのは、セブン‐イレブンが最初でした。

石黒オムニチャネルについても、日本の小売業は、単にシステムを使ったサービスということにとどまらず、こまやかな接客の心を込められるのではないかと考えています。

鈴木セブン‐イレブンは、今、世界16の国と地域に5万店以上の店舗網を持っています。まだはっきりとした時期はわかりませんが、将来、そうした海外店舗まで含めたオムニチャネルを構築して、世界中のお客様にセブン&アイの商品やサービスを提供できればと考えています。

石黒日本の中でもすぐれた商品力や接客力を備えているセブン&アイは、まさに国際的な競争に打ち勝つ流通サービスの提供が可能だと思います。

鈴木石黒さんのお話をうかがって、これまで私たちが進めてきたさまざまな取り組みが、オムニチャネルを通じて一つに結びつき、より大きな利便性をお客様にお届けできるようになるという確信を深めることができました。今日はお忙しい中、ありがとうございました。

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