CEO MESSAGE

創業者の精神を経営の原点に据え、真にグローバルな企業を構築

2025年9⽉

経営チーム一体となってグローバルマネジメントを確立する

スティーブン・ヘイズ・デイカス
セブン&アイ・ホールディングス
代表取締役 社長
最高経営責任者
スティーブン・ヘイズ・デイカス

 セブン&アイ・ホールディングスは、本年9月をもって、コンビニエンスストア事業に特化した企業体制となりました。これは前身であるIYグループの歴史を含めても、初めての経験であり、大きな変革の機会です。しかし、当社は国内外で7-Eleven事業を展開し、日本と北米の2つの地域だけでも毎日3,000万人におよぶお客様をお迎えしております。この規模の事業のすべてを、一人のCEOが直接掌握するには自ずと限界があります。今般、変革に取り組むにあたり、チームで経営するという考え方のもと、傘下事業会社とのコミュニケーションの強化を図り、グローバル企業としてあるべきマネジメントプロセスを確立していきます。
 具体的には、次のページの通り、セブン&アイ・ホールディングスの社内取締役5名が一体となって経営チームを構成し、さらにセブン-イレブン・ジャパン、北米の7-Eleven, Inc. 、日本と北米を除く7-Eleven International LLCの各事業会社のトップマネジメントチームと緊密に連携して、グローバルなリーダーシップ体制を構築。当社の5名の経営チームは、毎朝ミーティングを行い、各事業会社のトップとは毎月、業績や課題等に関するビジネスレビュー・ミーティングを開いて、双方向でのコミュニケーションを行っています。これにより、「想定外」の事態をなくし、より円滑なグループのマネジメントを実現します。

謙虚さと積極性を持って従業員全員で組織の文化を育てる

 経営にあたって、最も大切にしている点は、企業文化カルチャーです。大きな組織が一体となって動くには、組織に関わる全員が共有する企業文化が欠かせません。当社の創業者たちは、「信頼と誠実」「変化対応」という精神を自ら実践し、その基盤を築きました。しかし、予測不能な変化の中、さらなる成長を求められている近年では、よりいっそう攻めに転じる必要があります。今、誠実にお客様のニーズに対応し、信頼を得るには、お客様をはじめあらゆるステークホルダーの皆様の声に耳を傾け、時には競合他社の姿からも学ぶ「謙虚さ」が必要です。そして、常に変化のある事業環境の中で変化を受け止めるだけでなく、スピード感を持って自ら変化を起こしていく「積極性」も必要です。この謙虚さと積極性によって、他に先んじてお客様の求めることを知り、それにお応えする商品やサービスを提供することで、お客様の信頼の獲得につながります。そして、創業者の精神を再び社内に行きわたらせ、“スピーディーで筋肉質”な企業組織を築いていきます。

意思決定を加速させるグローバルなマネジメントプロセスを創出する

丸山 好道/伊藤 順朗/スティーブン・ヘイズ・デイカス/ 木村 成樹/脇田 珠樹
(左から)丸山 好道/伊藤 順朗/スティーブン・ヘイズ・デイカス/木村 成樹/脇田 珠樹

グローバルに展開している7-Eleven事業にとって、世界各地域の事業を連携させるマネジメントプロセスの構築が必要であると考えています。従来、統合されたグローバルマネジメントが機能していなかったために、各事業会社は重要な意思決定にあたり、そのつどホールディングス側での最終確認を経る必要があり、その分、経営スピードが損なわれていました。前もって戦略とそれを実現するために、誰がいつまでに何をすべきということが明示されていれば、事業会社は迅速に動けます。また、事業モデルの構築を支援するため、サプライチェーン、テクノロジーなどの専門知識や技術、人財、ノウハウなどを集約し、グローバルに組織を横断して機能させる中枢組織(Center of Excellence)を設立し、真のグローバル企業を目指します。
 8月6日には、「 7-Elevenの変革」と題した新たなプランを公表しました。そこにあげた課題を一つひとつ実行し、成果をあげていくことで、大きな成長を生み出すと確信しています。今後は分析をいっそう深めることで、さらに成長機会は広がり、アップサイド(上振れ)の要素は増していくと考えています。すべてのステークホルダーの皆様と、これまで以上にコミュニケーションを緊密にし、ともに価値を創出していくことで、セブン&アイ・ホールディングスの企業価値の最大化を実現してまいります。

成長加速にむけた事業変革を推進する、グローバルガバナンス体制