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セブン&アイの挑戦

2018年10月

パートナー企業とともに
「ひとと環境にやさしい店舗」をさらに推進

誰にとっても快適で、環境に配慮したお店を実現するために。

地域・社会の課題解決でさらにお客様満足度も高める

次世代型店舗のテーマ

 セブン‐イレブンは、お客様ニーズの変化に対応した商品開発に注力すると同時に、「店舗づくり」においても時代や社会の変化への対応に努めています。その象徴が、地球環境問題や労働人口の減少といった地域・社会の課題解決を目指した次世代型店舗の開発・導入で、「環境負荷の低減」「働きやすさの向上」「快適な店内環境づくり」をコンセプトとしています。その実証実験が、2017年12月からスタートした「セブン‐イレブン千代田二番町店」(四季報Vol.138)に続いて、2018年5月、神奈川県相模原市の「セブン‐イレブン相模原橋本台1丁目店」でも始まりました。
 政府のエネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを主力電源とすることが明記されています。セブン‐イレブンはこうした目標に貢献するために、使用電力の約46%をCO2排出ゼロの再生可能エネルギーでまかなえるように何度もお取引先様との打ち合わせを重ねました。実証実験では、今後の新規出店、商品・サービスの拡充に対してもCO2排出量を抑制できるよう、太陽光発電パネルと同時に高効率な蓄電池を採用したほか、省エネ型の空調換気システムを導入。ほかにも細部まで省エネや快適性を追求した結果、90種の技術を活用することとなりました。
 セブン&アイグループは、全国に2万を超える店舗を展開する特長を活かして、再生可能エネルギーの効果実証の一端を担っていくことを目指しています。

  • 当該店舗の電力使用量全体(見込み)における比率の計算値。

お店の快適性の向上を目指し省エネに貢献する2つの技術を提案しました

東芝キヤリア(株)
取締役社長

久保 徹

世界初のインバーターエアコンを製品化するなど、当社の空調・冷凍機器に関する高度なソリューションは、建物の運用時のエネルギー使用をゼロとするZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)時代の到来とともにますます重要性を増すと考えています。こうした中、セブン‐イレブン様から今回ご提案の機会を頂戴し、2つの技術を採用いただきました。一つ目は、省エネ型の空調換気システムです。店舗内ではつねに排気設備が作動しており、気圧が下がりがちです。すると、出入口の開閉のたびに外気やそこに含まれる微細な埃が店内に入ってしまいます。そこで、店舗内外の気圧差をセンサーで感知し、室内圧を店外より高くすることで店内の清浄度を保つ空調コントローラを開発。また、省エネ型空調機と外気冷房を取り入れ、給排気バランスを考慮した設計となる空調換気システムを導入しました。二つ目の技術は、太陽光パネルなどで発電した電力を貯める大容量のリチウムイオン蓄電池です。当社の蓄電池は長期間、繰り返し使っても劣化が少なく、安全性も高いという強みを有しています。季節によって変動が生じますが、6・7月のデータを見ると、年間目標の約46%を上回る水準で推移しており、年間を通じてクリアできる見込みです。今後も創意工夫を重ねて「お店の快適性向上」と「地球環境保全」に役立つ提案に努めていきます。

店内正圧化を実現する空調換気システム

省エネ型の空調換気システムを導入。店舗内外の気圧差を感知し、給気量を適時コントロールすることで外気や埃の侵入を抑制。店内温度の安定や店内清掃作業の軽減など、お客様も従業員も快適な店内環境を実現。

環境対応や現場での作業性・働きやすさの向上など新たな挑戦を継続していきます

(株)JM
代表取締役社長

大竹 弘孝

当社は2001年、前田建設工業(株)を母体とするベンチャー企業として、小売店舗の建物診断、保守メンテナンス業務を開始しました。その中でセブン‐イレブン様と出会い、店舗建設から保守メンテナンスまでの建物ライフサイクルの最適化をさまざまなメーカー様と協働して推進する役割を担ってきました。同時に、環境負荷低減や働きやすさの向上といったテーマについても果たすべき役割の一つと考えるようになりました。その最新の挑戦事例が、「セブン‐イレブン相模原橋本台1丁目店」の新築工事です。今回は、工期の短縮と省エネを実現するために「建物スライド工法」を提案。基礎と店舗上屋を同時に施工し、その後、上屋を移動しながら基礎に合体することで工期を3日間短縮しました。基礎の施工には「鉄筋ロールマット工法」を活用して作業者の負荷低減を図りました。さらに、緑地では焼却灰をリサイクルした人工砂「アークサンド」を活用して雑草を抑制することで、店舗での維持管理を容易にしています。これら技術の適用においては、設計・施工の検討段階から3D設計およびVRシステムを活用して、承認や現場の施工品質の確認期間を短縮するなど円滑なマネジメントに努めてきました。今後もセブン‐イレブン様、協力メーカー様とともにPDCAサイクルを活用しながら新たな価値創造に挑戦していきます。

建物スライド工法

店舗の基礎と建物を同時に施工、完成後に建物部分をスライドさせる工法。工事期間が従来比約3日程度削減され、作業効率の向上や省エネ効果をもたらすほか、既存店舗の位置変更も容易となる。

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