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セブン&アイの挑戦

2020年2月

Scene2 重点課題5「お客様、お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと資源の持続可能性向上」へ

「社会をより良く変えるお買物」を応援。

―― エシカル消費を支える商品開発・販売を強化

全国に2万2000店舗を展開する企業グループの使命として

 セブン&アイグループは、多種多様な商品・サービスの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことを重点課題の一つに掲げています。
 この目標を達成するためには、まず商品を開発・販売する当社グループ自身が、お客様に商品を提供するまでの全プロセスにおいて法令を遵守することや、限りある資源の持続可能性に配慮した商品開発や原材料調達に注力していくことが重要です。また、お客様にもさまざまな社会課題に対する意識を持っていただき、その解決に寄与する商品を積極的に購入していただくなど、お客様とともに取り組みを進めることが持続可能な社会の実現につながります。そして、そのような「エシカルな消費」を、社会に浸透させ広げていくことも、セブン&アイグループが果たすべき重要な使命の一つです。
 全国に2万2000におよぶお客様との接点である店舗を展開し、「衣」「食」「住」の多様な分野にまたがる商品を取り扱う当社グループの社会的なインパクトは大きく、エシカル消費の拡大・促進に本気で取り組むことは、日本の消費のあり方を大きく変える可能性がある――。そうした想いのもとに、当社グループは今、さまざまな取り組みを推進しています。

 ※エシカルな消費:「エシカル」は「倫理的」「道徳的」の意味。近年、地球環境や社会貢献に配慮した商品やサービスを積極的に消費する行動が「エシカル消費」として認知されている。

資源の持続可能性に配慮した商品開発・原材料調達に注力

 エシカルな消費の拡大を目指して、セブン&アイグループではトレーサビリティーが確保され、かつ健康や環境への負荷を抑えた「オーガニックコットン」を原材料とする衣料品や、資源問題・海洋環境に配慮した水産物の証である「MSC認証」「ASC認証」商品の販売など、地球環境や社会の持続可能性につながる商品開発、原材料調達に力を入れてきました。
 また、近年は廃プラスチックに関わる環境問題がクローズアップされていることを受け、「ペットボトルのリサイクル」に関する取り組みも強化しています。小売業として日本で最も多くペットボトル飲料を販売する当社グループでは、全国のセブン‐イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマートの4社の店頭に759台のペットボトル回収機を設置(2019年2月末現在)。使用済みのペットボトルをお戻しいただくようお客様に呼びかけています。こうした取り組みを通じて2018年度の回収実績は日本全国の販売本数の1%に相当する3億本に上り、2019年夏には店頭で回収したペットボトルを100%使用した世界初の「完全循環型ペットボトル」入り緑茶も発売しました。今後もペットボトル回収機を増設していく計画で、これによって「エシカルな消費」に対するお客様の理解をさらに高め、リサイクル活動への積極的な参加を促進していきます。

国内ペットボトル回収量,18年度回収実績約3億本相当,国内ペットボトル販売本数の1%に相当,ペットボトル回収機の利用人数18.7百万人,ペットボトル回収量8.9千トン(2012年度は利用人数2.4百万人,0.7千トン)

店頭に設置したペットボトル回収機。

「食」から「衣」「住」へリサイクル原料の活用を広げる

 お客様には、ペットボトルを1本1本きれいに洗ってグループ各社の店頭にお持ちいただいています。そのため、回収したペットボトルは異物を除去するフィルタリング技術により高品質なチップにして、さまざまな製品の原料としてリサイクルすることもできます。多岐にわたる事業を展開するセブン&アイグループでは、多くの店舗と独自の商品開発力を持つ強みを活かし、回収したペットボトルを飲料容器だけでなく、衣料品や住居関連商品をはじめ多様な商品にリサイクルしていくことを計画しています。
 2013年の発売以来、累計1700万枚以上販売している機能性インナーウェア「ボディクーラー」もその一つです。「ボディクーラー」は高い吸汗・速乾性と抗菌・防臭性を持つ「セブンプレミアム」の人気商品であり、強いブランドを確立しています。今年発売した商品は、原料に回収ペットボトルから再生したポリエステル繊維を一部使用し、従来からの高品質・高機能に加えて、脇の下の汗取り機能を強化するなど、エシカルな価値と同時に商品の品質価値も高めています。
 セブン&アイグループでは、今後も回収ペットボトルを原料に使った衣料品や住居関連商品のラインアップを拡充していきます。そして、さまざまな形でお客様の「エシカル消費」を応援していきます。

ペットボトル回収・リサイクルスキーム,ペットボトルを店舗などにて回収,協栄産業でチップ化。東レグループで再生糸から商品を生産

Close Up
 食品ロスのさらなる削減を目指す「エシカルプロジェクト」

 セブン‐イレブンは、2019年10月30日から北海道と四国(4県)の約1400店舗において、販売期限が迫った商品をお客様が「nanaco」カードでご購入される際にnanacoポイントを付与する「エシカルプロジェクト」を試験的に実施しています。消費期限の7時間前(販売期限の5時間前)の商品に「5%付与」と表記したシールを貼り、この商品を「nanaco」カードで購入するお客様には店頭販売価格(税抜)の5%分のnanacoポイントを付与しています。
 食品ロスは世界的に大きな社会課題となっています。セブン‐イレブンは、これまでもさまざまな商品開発のイノベーションによって、商品の長鮮度化に取り組んできましたが、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食材、いわゆる「食品ロス」を削減するために「エシカルプロジェクト」を開始しました。すぐに召し上がる商品であれば、シールが貼ってある商品を選択して購入していただく。セブン‐イレブンでは今回の実験の結果をふまえ、この仕組みの全国展開を目指しています。今後も、お客様と加盟店とともにエシカル消費の取り組みを進めていくことで、店頭から廃出される食品ロスの削減を推進していきます。

「nanacoポイント5%付与」と記載したシールでお客様へ告知。対象商品は、おにぎりや弁当、サンドイッチ、サラダなど約200種類。
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