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セブン&アイの挑戦

2015年10月
新しい客層と時間帯へ、さらにマーケットを広げる セブンカフェ「アイスカフェラテ」

新しいマーケットを拓いた「セブンカフェ」

 2013年1月にスタートしたセブン‐イレブンの「セブンカフェ」。1杯ごとにペーパードリップで抽出する方式で、淹れたてのおいしさを提供して、2013年度は約4億5千万杯、14年度は約7億杯の販売実績を上げてきました。この間、2014年4月の消費税増税後もコスト削減等で1杯100円の価格を維持し、同年10月にはリニューアルも実施。積極的にお客様の期待に応え続けることで、1日1店舗あたりの販売数は、スタート当初の61杯から2015年5月には126杯へと倍増。コーヒー市場に新たなマーケットを切り拓いています。
 そして今年6月、満を持して登場したのが、「アイスカフェラテ」です。カフェラテは、コーヒー市場の中でも女性に人気のある分野で、セブンカフェ開発当初から商品化に向けた研究を続けてきました。その第一のポイントは、セブンカフェで大きな支持をいただいている「1杯ごとに挽きたてのコーヒーをドリップする」ことで得られるおいしさを活かすこと。エスプレッソベースで専門店のバリスタが淹れるカフェラテ以上においしく、セブンカフェならではと評価していただくには、「挽きたての香りとコク」に加えて濃厚なミルクの味わいを実現することが不可欠です。セブン‐イレブンでは、セブンカフェの開発チームに、新たに江崎グリコを加えたチームMD(マーチャンダイジング)によって、この課題に挑戦しました。

「挽きたての香りとコク」と濃厚なミルクの風味を両立

特殊製法により-196℃で瞬間凍結させたアイスミルクビーズを開発。
 通常、アイスカフェラテをつくるには、氷を入れたカップに、コーヒーとミルクを注ぎます。しかし、熱いコーヒーとミルクを注いだのでは氷が溶けて、コーヒー、ミルクの味がともに薄まります。これを防ぐため、コーヒーを予め冷やしておくとドリップ方式の良さであるコーヒーの香りが失われてしまいます。このジレンマを解決するために、さまざまな方式を検討する中で、今回、新たに生み出されたのが、味を調整したミルクシロップを瞬間凍結させた「アイスミルクビーズ」を用いる方式です。このアイスミルクビーズは、江崎グリコが濃厚なフルーツの味を封じ込める氷菓などで確立してきた技術をさらに進化させたもの。これを氷とともにカップに入れ、購入時にセブンカフェのマシンで淹れたてのコーヒーを注ぐことで、アイスミルクビーズが溶け、濃厚なミルクの味わいと香り高い挽きたてのコーヒーの味をともに引き出すことが可能になりました。

 また氷は、セブンカフェのアイスコーヒーで好評を博している小久保製氷の製品を利用しています。これは12時間以上かけて製氷しており、純度がきわめて高いのが特徴。結晶が大きく、透明度も高く溶けにくいため、味が薄まらずおいしく飲むことができます。

 このアイスミルクビーズと氷を入れる容器も、今回新たに開発しました。従来のアイスコーヒー用の容器は透明なカップでしたが、ミルク(乳)は光を受けると劣化が進んでしまうため、アイスカフェラテ用には遮光効果のある黒い専用容器をつくりました。

客層、販売時間帯の拡大に成果

 こうしてミルクから容器まで「おいしい!」を追求し、開発チームの持つ技術と能力をフルに投入して完成したアイスカフェラテ。お客様は、従来のアイスコーヒーを買う時と同じように、冷ケースの中からアイスカフェラテのカップを選んでレジで購入し、コーヒーマシンで挽きたてのコーヒーをカップに注ぐだけ。またコーヒーマシン自体に変更を加える必要もないため、加盟店にとっても販売やメンテナンスの点で新たな負担はありません。
 このアイスカフェラテは6月下旬に九州地区の店舗から順次販売を開始しており、この7月末には約9000店舗に拡大し、次のシーズンまでに全店での展開を計画しています。
 テスト販売の実績では、アイスカフェラテの導入によって、とくに女性層から大きな支持をいただいており、販売時間帯も従来のセブンカフェに比べて午後の構成比が高まるなど、セブンカフェの利用層、利用時間を拡大する効果を上げています。「新たなマーケットを創造する」ことで消費飽和の時代の成長力を確保するという、セブン&アイグループの戦略を象徴する商品が、また一つ誕生しました。ぜひ、一度ご賞味ください。

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