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2024年 年頭ご挨拶

2024年1月4日

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

2024年 年頭ご挨拶


セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役社長 井阪隆一

 

 1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」でお亡くなりになられた方々とご家族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。また、被災された方々とご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地域のセブン‐イレブン店舗では、大変な困難の中で加盟店の皆様のご努力により営業再開が進んでおります。被災地域の1日も早い復旧を心より願い、当社グループも加盟店の皆様、地域の皆様や行政と連携して、商品供給をはじめ、物流の確保や緊急支援物資の提供などさまざまな対応を進めております。

 昨年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、さまざまな制約が解けて人流が回復した一方で、厳しい国際情勢のもとで多くの資源や原材料などの価格が高騰しました。本年は、諸商品の値上げは一段落するものと予測されますが、お客様の生活防衛意識はなお高まっており、私たちはさまざまな角度からお客様の変化を読み取り、「価値と価格のバランスを意識したマーチャンダイジング」を進めていくことが必要です。

 さらに、社会構造の大きな変化によって、お客様の行動も大きく変化しています。たとえば、高齢化に伴い、限られた行動圏内で日常のお買い物を済ませるワンストップショッピングへのニーズの高まりに対応するため、グループでは事業会社の連携をさらに深め、新たな店舗形態の創出などを追求しています。その一環として、本年2月には、セブン‐イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂の連携による新たな店舗「SIPストア」をオープンし、検証を進めていきます。グループには、シェルガーデン、赤ちゃん本舗、ロフトなど、お客様に人気の独自のコンテンツを有する事業会社が数多くあり、その連携によって商圏ニーズの掘り起こしや客層の拡大など、豊かな可能性が広がっています。こうした新たなグループシナジーの創造に力を注いでまいります。

 また、お客様との重要な接点であり、グループの共通会員基盤である「7iD」の会員数は、昨年3,000万人を超えました。これは、国内のスマートフォン保有人口の3分の1に相当します。そこから得られる情報でお客様の体験価値を高めながら、データの利活用を進めることが重要です。さらに、各事業会社のアプリ間のシームレスな連携も始まっており、よりタイムリーなサービスの提供を追求してまいります。また、金融関連事業においても、こうしたデジタル連携を活かした新たなサービスの創出などを通じて、収益性を高める取り組みを進めてまいります。

 これらに加え「7-Eleven」ブランドの価値向上に向けたグローバル戦略では、オーストラリアにおけるセブン‐イレブン事業の取得をはじめ、アジアを中心とした既存のライセンシーにおけるフレッシュフードの強化支援や、次の新規国開発の準備など、質の強化と規模の拡大などを進めてまいります。

 このようによりいっそうグループの成長力を強化していくとともに、当社グループの営業収益は11兆円を超え、社会的な責務もますます増大している中で、環境対応をはじめ多岐にわたる社会課題への対応も率先して進めてまいります。

 そして2025年度を最終年度とした「中期経営計画2021-2025」の4年目として、これまで進めてきたグループ共通インフラの整備やグループシナジーの発現によってその成果を掴み取る重要な時期を迎えます。グループ全従業員が、目標達成に向けてそれぞれ進めてきた挑戦をしっかりと「やり抜く」という覚悟が求められる年となります。

 グループの皆さん一人ひとりが「働きがい」「働きやすさ」を実感しながら会社を動かし、希望と期待を持ってともに成長し続けるグループを目指してまいりましょう。

(2024年1月4日 「新年初朝礼」要旨)

 

以上