三原 賢司 Kenji Mihara [ デニーズ 大井町駅前店 店長 ] ※取材時の役職等を表記しております



デニーズは、地域課題と向き合いながら、人や街に寄り添ったお店づくりを進めています。その一環として一部の店舗で開催しているのが、認知症の方やご家族に安心してレストランでの食事をお楽しみいただく『認知症本人ミーティング』です。開催店舗の一つ、東京都品川区のデニーズ大井町駅前店では『デニーズパフェの会しながわ』という愛称で、月に一度実施しています。レストランは単に食事をするだけでなく、人と人とのつながりを生み出す拠点になれる。その可能性を信じ、店長の立場で取り組みを推進するデニーズ大井町駅前店店長の三原 賢司さんにお話を伺いました。
いつもの場所が、
誰かにとっての特別な場所に。

『認知症本人ミーティング』を始めた当初、「すべてが手探りで、参加される方に受け入れてもらえるか不安だった」と三原さんは語ります。しかし回を重ねる中で、参加される方がイキイキとした表情でメニューを開いたり、認知症の本人やご家族が笑顔で会話をしたりする姿を何度も目の当たりにしたことから、ある気づきを得たそう。それは自分にとっては当たり前のレストランという場所が、人と人をつなぐことができる特別な場所になっているということでした。そこから、三原さん自身の考え方や接客にも変化が生まれたそうです。
「目線を合わせて会話をして、自分自身も接客を楽しむようになりました。参加される方とどんどん距離も近くなり、心を開いてもらえるようになったと感じています。今は『パフェおいしかったよ』『また来るね』と言っていただけることが、自分のやりがいにつながっています。」
人と地域をつなぐ、
かけがえのないデニーズを目指して。

実際この活動は、「参加する方にかけがえのないつながりを作っていると思うんです」と話すのは、パートナーの立場で『認知症本人ミーティング』の運営に参加している、社会福祉法人 新生寿会 きのこ地域連携室 室長【品川区認知症地域支援推進員】鈴木裕太さんです。
「この取り組みがあることで、参加される認知症の本人やご家族の方にとって、レストランがプライベートでも利用しやすい場所になります。そういった場が地域の中で増えることは、認知症の方が地域で安心して暮らしていくための、大切なつながりの一つだと考えています。」
また、参加されたご家族の方も「ただ集まれる場所というだけではなくて、自分の好きなことを話すことで、人とのつながりを広げていける大切な場所です。」と答えてくれました。
三原さんは、この活動を継続する中で実感している手応えを、次のように語っています。
「デニーズが“安心して来店できる場所”だと、地域に根付き始めているのを感じています。これを当たり前の日常にしていくことが、地域の一員としての役割だと考えています。」
デニーズは、これからもレストランという開かれた場所が持つ可能性を信じて、地域と人をつなぐための取り組みに力を入れていきます。
