- 01.函館で、青森で、未来につながる商品を。
- 02.パートナーは、地元・函館の高校生。
- 03.地域の生産を、持続させるために。
- 04.青森の名産品を、柔軟な発想で商品に。
- 05.価値ある商品を生む、つくり手の努力。
北海道函館市は、1989年に青函トンネルでつながる青森県青森市と“ツインシティ(双子都市)”の提携を結び、今年で35周年を迎えます。この記念すべき節目にセブン‐イレブン・ジャパン(以下セブン‐イレブン)が2つの地域で始めたのが、“地産地消の商品づくり”です。函館での商品開発を担当したセブン‐イレブンの齋藤曜介さんは、取り組みの目的を次のように語ります。
「私たちが目指したのは、地域に深く入り込み、地域の課題を解決することです。例えば、地域で生産された食材を地域で消費することが、生産者様への応援につながる。あるいは、その土地の食文化を取り入れた商品をつくることで、地域の伝統を守るお手伝いができる。取り組みを通じて、そんな貢献を果たしたいと考えました。」
提携35周年の節目に、地域の未来に貢献するために始まった今回のプロジェクト。その模様を、函館での取り組みを中心にお届けします。
地域の食材を使って、地域に愛される商品をつくる。そのためには、「地域の意見を取り入れることが必要」だと齋藤さんたちは考えました。そこで声をかけたのが、函館商業高校の生徒たち。地域で暮らす生活者の視点と若者ならではの柔軟な発想をあわせ持つ、商品づくりの心強いパートナーです。
取り組みを始めて間もないころ、齋藤さんは生徒たちに「商品に使う地域の原材料を考えてほしい」とお願いしました。すると、生徒たちから100を超える食材の提案があったそう。そこから生徒たちと話し合いを重ねて食材を絞り込み、北海道産の桜鱒(さくらます)・さつまいもと函館産の昆布・牛乳を使って商品をつくることが決まりました。
今回の取り組みで扱うさつまいもは、温暖化の影響から近年北海道での栽培が始まった農産物です。こうした“新顔”の食材を取り上げる意味を、齋藤さんは次のように考えているそう。
「新しい作物の栽培に取り組む生産者の方々が一番不安に感じるのは、仕入れてくれる相手がいるかどうか。私たちが一定の量を仕入れることができれば、生産者の方々も安心して農業を続けられるのではないかと考えます。」
そのためには、「取り組みを持続させることが重要」だと齋藤さんは話します。
「今年仕入れて終わりではなく、来年以降も仕入れ続けることで初めて地域の持続的な生産に貢献できる。だからこそ、地域の人に支持され、長きにわたり販売を継続できる商品をつくりたいと思っています。」
函館と同じく、青森でも地元の高校生と商品づくりに取り組みました。扱う食材は、青森県産のにんにくとりんご。どちらも地域の名産品であり、これまでもセブン‐イレブンの商品に度々使用されてきました。そんな食材を選んだ理由を、青森での商品開発を担当したセブン‐イレブンの川戸彩さんは次のように語ります。
「新しい原材料を掘り起こすことも大事ですが、食材を使い続けることも地域応援の視点でとても重要。だから、私たちが継続的に扱っているにんにくとりんごを今回の商品にも活用したいと考えました。」
また、商品の企画においては、高校生たちの意見が大きなヒントになっているそう。
「取り組みに協力してくれた青森商業高校の皆さんから、今までの商品開発にはなかったアイデアや組合せを提案いただき、私自身とてもわくわくしました。商品をカタチにしていく上で、こうした柔軟な発想がとても頼りになりました。」
試行錯誤の末、それぞれの地域の食材を使った4つの商品が完成。その開発で大きな役割を担ってくれたのが、惣菜やスイーツを製造する地元のデイリーメーカーです。例えば、函館で開発した『しょうゆおむすび桜鱒バター醤油 道産桜鱒使用』は、醤油にひたした海苔で直巻きする函館伝統のつくり方を取り入れています。この製造工程を機械化することは難しく、一つひとつを手作業で行っているそう。また、青森で開発した『青森県産にんにくとWちーずおむすび』も、白いチーズソースを工場で手づくりするなどさまざまなこだわりが詰まっています。
完成した商品は、生徒たちにも大好評。函館商業高校の生徒たちは「100万点のおいしさ!」と太鼓判を押し、青森商業高校の生徒たちからも「素材の味が活かされている!」という声が寄せられました。
今回開発した商品は、北海道・青森県の一部地域のセブン‐イレブンで『青函ツインシティ提携35周年』記念商品として2024年11月19日から販売をスタートします。この取り組みを“未来につながる一歩”として、セブン‐イレブンはこれからも地域の課題解決につながる商品づくりをつづけていきます。